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日本株は大幅反落、成長戦略失望で午後崩れ-金融、電力中心

東京株式相場は大幅反落。米国金融 当局の量的緩和政策の縮小観測が引き続き重しとなる中、政府の成長戦 略第3弾に対する失望も加わった午後の取引で崩れた。金融株を中心 に、電機など輸出関連株まで幅広い業種が下落。安倍首相が電力システ ム改革法案の成立に意欲を見せた影響で、電力株は大きく売られた。

TOPIXの終値は前日比35.44ポイント(3.1%)安の1090.03、 日経平均株価は518円89銭(3.8%)安の1万3014円87銭。

みずほ信託銀行の中野貴比呂シニアストラテジストは、政府の成長 戦略で「期待以上のものが出ず、売りが広がった」と指摘。また、米連 邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和の縮小に対し地ならしを始めた ことから、「金融相場で上がってきた状況が変わってきている」とも話 していた。

米カンザスシティー連銀のジョージ総裁は4日の講演で、経済成長 が加速しているほか、過去最低水準の金利で投資家のリスクテークが増 えているとし、米金融当局は月額850億ドル(約8兆5000億円)の債券 購入ペースを減速させるべき、との見解を示した。

量的緩和縮小に対する懸念から、前日のS&P500種株指数が0.6% 安と軟調だった流れを受け、きょうの日本株は朝方から金融、輸出一角 など大型株に売りが先行。一方で、過熱感や割高感の後退による下値を 買う動きから、午前はTOPIX、日経平均とも前日終値近辺でこう着 する展開だった。

高安値幅700円の乱高下

安倍晋三首相が成長戦略第3弾に関する講演を始めた午後の開始早 々、日経平均は一時177円高まで急伸する場面もあったが、その後再び マイナス転換、終盤はじりじりと下げを広げた。日経平均の高安値幅 は700円を超え、今週に入ってから301円、549円と荒い動きが続く。

安倍首相はきょう午後の講演で、成長戦略の第3弾として新たに国 家戦略特区を創設し、外国人向けに医療制度を見直すなど「国際的なビ ジネス環境」を整えると表明。一般医薬品のネット販売の解禁など規制 緩和を推進する方針も明らかにした。また、2020年までに対日直接投資 残高を2倍の35兆円に増やす数値目標なども掲げた。

しんきんアセットマネジメント投信の山下智巳主任ファンドマネジ ャーは、成長戦略は「法人税減税など踏み込んだ政策を期待していた投 資家にとっては失望する内容だった可能性がある」と指摘。マーケット の反応を見ていた投資家も、「相場が下げたことで売りに走り、売りが 売りを呼ぶ感じになった」と言う。

東証1部33業種は電気・ガス、証券・商品先物取引、その他金融、 保険、不動産、電機、石油・石炭製品、精密機器、銀行など32業種が下 落。上昇は空運1業種。前日の業種別上昇率を見ると、証券が9.5%、 その他金融8%、不動産6.2%とTOPIXの2.6%を大きく上回り、上 げが目立っていた。輸出関連に関しては、ドル・円相場が再び1ドル =99円台まで円高に振れたことがマイナス要因。

電力急落

電力に関しては、東京電力がストップ安となるなど軒並み急落。安 倍首相が講演で、電力システム改革で小売りの全面自由化と発送電の分 離によって新規事業者参入に向け環境整備を充実する方針を示した。海 外で転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行する日本ユニシス、プ ラグインハイブリッド車などに搭載のリチウムイオン電池の不具合で、 リコールを国土交通省に届け出た三菱自動車も安い。

東証1部の売買高は概算で43億6833万株、売買代金は3兆2728億 円、値上がり銘柄数は340、値下がり1325。国内新興市場では、ジャス ダック指数が0.5%安の91.17と反落、東証マザーズ指数が0.6%安 の871.03と続落した。

--取材協力:Yoshiaki Nohara. Editor: 院去信太郎

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