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【クレジット】アベノミクスが追い風、社債リスク半減へ-野村

安倍晋三首相の政策が日本企業の利 益を世界平均の3倍のペースで拡大させる中、日本の社債リスクが今 後10カ月で半減すると、野村ホールディングスは予想している。

日本企業の社債リスクの指標であるマークイットiTraxx日本 指数は5月に13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 し、96.5bpとなった。CMAのデータによれば、月間ベースでの上昇 は8カ月ぶり。今月3日は101.5bpで終了した。指数上昇はリスク意 識の高まりを示唆する。野村はこれが2014年3月までに50bpまで低下 するとみている。またBNPパリバは今月中に90bpに低下すると予 想。米社債リスクの指数は5月に4.6bp上昇し79bp、欧州の指数 は10.4bp上昇の103.2bpとなっていた。

安倍氏が総選挙を控えた昨年11月、無制限の金融緩和を日銀に呼び 掛けて以来、円はドルに対して20%下落した。円安を好感して TOPIXは年初来31%上昇。5月22日には08年8月以来の高値に達し た。ブルームバーグがまとめたアナリスト5000人余りの調査によれば、 同指数を構成する企業の2013年度利益は前年比で57%増加し1株当た り74円78銭となる見込み。

野村証券の魚本敏宏チーフ・クレジット・ストラテジストはクレジ ット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドについて、「株が上 がると、クレジット市場ではCDSとの相関性が高いので、一緒にタイ トニングする」と説明。また、「ファンダメンタルズに関して言えば、 今から前のような円高にどんどん戻っていくということは方向感として は違っていると思っている」とも述べた。

円安で業績改善

東芝やソニー、パナソニックなど輸出企業は今年度の業績改善を見 込んでいる。円安は海外で得た利益の価値を円建てベースで増大させ る。円は先月、一時1ドル=103円74銭まで下落した。東京時間4日午 後3時56分は100円28銭だった。11年に付けた戦後最高は75円35銭。

TOPIX構成企業に比べ、世界の企業利益の伸びはブルームバー グのデータによると平均で19%と予想されている。

iTraxx日本指数は5月22日、5年ぶり低水準の74bpとなっ た。安倍氏が円下落を引き起こす前の昨年11月14日は207bpだった。

CMAによると、ソニー債のCDSスプレッドは5月13日に140b pと、11年11月以来で最低となった。ソニー株は今年に入り2倍強に上 昇している。ソニーのCDSスプレッドはその後反転し、49bp上昇 の200bpで5月を終えた。東芝は37bp上昇の122bp。

野村の魚本氏は「CDSにしても株にしても今まではあまりに動き が急激だった」として、「今回の調整は必要な調整」だとの見方を示し た。

「リスクを取らなければならない」

メリルリンチ日本証券の上田祐介リサーチアナリストは、iTra xx日本指数が来年3月に70bp前後に低下する前に、当面はさらに上 昇する可能性があるとみている。同氏はただ、4日の電話インタビュー で、上昇しても限りがあるとし、「緩和を続けている限りは、リスクを 取らなければならない人の方が絶対数として多くなる」と解説した。

ブルームバーグが5月17日に公表した調査結果は、日本の指導者へ の投資家の信頼感が少なくとも2010年9月以来で最も高くなり、米国や 欧州、中国の政策よりも安倍首相の政策を投資家が楽観視していること を示していた。

東芝は2014年3月期利益を前年度比29%増、ソニーは16%増と見込 んでいる。パナソニックは黒字に復帰する見通し。

BNPパリバ証券の野川久芳ストラクチャードクレジットストラテ ジストは市場の動きについて、「安倍首相への過度の期待が修正されて ニュートラルな部分に戻っている」と指摘。CDSスプレッドは「もう 一度基本に戻って、業績としてどうなのか、バランスシートがどうなの かや、新規投資を見ながらタイトニングしていくだろう」と述べた。

原題:Nomura Sees Risk Halving as Abenomics Lifts Profit: Japan Credit(抜粋)

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