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米国債:1年2カ月ぶり高利回り付近-量的緩和縮小の観測で

米国債市場では利回りが1年2カ月 ぶり高水準付近で推移。アトランタ、サンフランシスコ両連銀の総裁が 年内の債券購入プログラム終了の可能性に言及したことが手掛かり。

10年債は一時上昇。5月の米製造業の景況指数が市場予想に反して 活動縮小を示したことで、量的緩和縮小との見方が後退した。サンフラ ンシスコ連銀のウィリアムズ総裁は量的緩和が年内に終了する可能性が あると発言。その後、アトランタ連銀のロックハート総裁も、今後数カ 月内に量的緩和が縮小される可能性を排除しなかった。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リン ジェン氏は「ロックハート総裁の発言でネガティブな地合いが強まっ た」と分析。10年債利回りは「2.08-2.23%のレンジで推移するとみて いる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前週末比1ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)低下の2.12%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償 還)価格はこの日、2/32上げて96 22/32。

利回りは一時6bp下げた。5月29日には2.23%と、2012年4月以 来の高水準に上昇した。

連銀総裁の発言

米国債のボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプシ ョン・ボラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は79.23。5 月29日には81.22と、ほぼ1年ぶりの高水準を付けていた。

ロックハート総裁はブルームバーグテレビジョンのインタビュー で、資産購入ペース減速の検討時期について「私ならもう少し慎重に考 えて8月か9月、もしくは年末までにと言うかもしれない。今後のいず れの会合でも議題に上る可能性はある」と語った。

この日は、ウィリアムズ総裁がストックホルムで記者団に対し、金 融当局が「この夏」までに債券購入プログラムの縮小を始める可能性が あり、年末までに終了することもあり得ると発言した。この発言に反応 し、米国債利回りは上昇し始めた。同総裁は今年のFOMC会合で投票 権を持たない。

クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメン ト・バンクの債券ストラテジー責任者、デービッド・キーブル氏は「ウ ィリアムズ総裁は一部からハト派と認識されていたことから、今回の発 言は市場で話題を呼んだ」と述べた。

ニューヨーク連銀はこの日、2036年2月から43年2月に償還を迎え る米国債15億ドル相当を買い入れた。

利回りは上昇へ

国際決済銀行(BIS)の経済アドバイザー兼金融経済部門責任者 のスティーブン・チェケッティ氏は5月31日、記者団との電話会議で、 「景気の回復とともに米国債利回りは上昇するだろう」とし、「正常化 への道のりが平坦なものでないことはほぼ確実だ。利回りは落ち着いた 時期と変動の大きな時期を経験することになるだろう」と述べた。

10年債利回りは5月、月間で46bp上昇と、2010年10月以来の大幅 な上げとなった。

エコノミスト調査では、7日発表される5月の雇用統計で非農業部 門雇用者数は前月比16万8000人増が見込まれている。キャンター・フィ ッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏(ニ ューヨーク在勤)は「今週の大きなイベントは雇用統計だろう」とし、 「力強い数字が出れば、量的緩和の縮小は早めに始まる可能性がある」 と語った。

原題:Treasury Yields at Almost 14-Month Highs Amid Fed Speculation(抜粋)

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