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円上昇、株安でリスク回避-対ドルで100円前半、米量的緩和縮小観測

東京外国為替市場で円が上昇。不安 定な株式相場をにらみながらの展開が続く中、日本株の下落を背景にリ スク回避に伴う円買いが優勢となった。

この日のドル・円相場は金融機関の仲値公表が集中する午前10時前 後に1ドル=100円72銭を付ける場面があったが、午後に入り日本株が 下げ幅を拡大すると円買いが強まり、前週末に付けた3週間ぶり円高値 (100円22銭)に接近した。午後3時半前後には100円26銭まで円が買わ れた。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャーは 注目の米雇用統計を週末に控えて、基本的には「様子見」とした上で、 「リスクオフ(回避)の展開の中では100円割れを試しにいく可能性は 十分ある」と指摘。ただ、過去抵抗線としてなかなか抜けなかったとい う経緯から、100円に近づくと「実需を含めたドル買いも出てきてい る」とし、米雇用統計までは「結果的にドル・円の値幅は限られたもの になる可能性も十分ある」と話した。

3日の日本株は大幅反落。米国の量的緩和早期縮小の可能性が警戒 され、TOPIXは終値で約2カ月ぶりに1100ポイントを下回った。

ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=130円44銭まで円が強含んだ 後、いったん130円99銭まで円が売られたが、午後には再び円買いが優 勢となり、130円半ば付近へ値を戻した。

米雇用統計が焦点

前週末の海外市場では米消費者マインド指数やシカゴ地区製造業景 況指数が予想を上回ったことから一時101円台前半までドル買い・円売 りが進んだが、米量的緩和の早期縮小観測から米国株が下落すると、リ スク回避を伴う円買いが進行。週明けの東京市場でも午後にかけて株 安・円高の流れが鮮明となった。

株式相場を中心に不安定な展開が続く中、今週は米国で5月の ISM製造業景況指数や雇用統計など主要経済指標の発表が相次ぐ。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「特に雇用関 連の数字に注目が集中する」とした上で、「強い数字ならば米量的緩和 縮小観測でドル買いでいいような気もするが、米国株の急落につながり 日本株にも跳ね返ってくると円高になる可能性もあり、どう転ぶか非常 に不透明感が強い」と話した。

三菱UFJ信託銀の塚田氏も、米雇用統計が強めなら「それ自体は ドル買いと考えていい」が、円に限らずさまざまな通貨に対してドルの 買い持ちが積み上がっている状況の中、米金利上昇・米株安の展開とな った場合には、リスク回避から「スイス・フランや円がアウトパフォー マンスする可能性が高まる」との見方を示した。

円売り越しが10万枚に接近

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)で、ドル・円先物取引非商 業部の円の売り越し幅は5月28日時点で9万9769枚と前の週の9万5186 枚から拡大し、2007年7月以来の高水準を更新した。

また、ユーロ・ドル先物取引非商業部門のユーロの売り越し幅は8 万4644枚となり、前の週の8万949枚から拡大した。

ユーロ・ドル相場は30日に1ユーロ=1.3061ドルと3週間ぶりのユ ーロ高・ドル安水準を付けた後、ユーロ圏の4月の失業率が過去最悪と なったことを嫌気して、週末に一時1.2944ドルまでユーロ安が進行。一 方、週明けの東京市場では一時1.3019ドルまでユーロがじり高となっ た。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は3日、上海でのスピーチ で、ユーロ圏の経済見通しは厳しいものの、年内の景気回復をなお予想 していると語った

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、ECBは6日の定例 政策委員会で政策金利を過去最低の0.50%に据え置くとみられる。ユー ロ圏は1年半にわたってリセッションに見舞われており、ECBは刺激 策を模索。ドラギ総裁は景気見通しが悪化すれば、追加利下げに踏み切 る用意があると示唆している。

塚田氏は、今週は欧州の金融政策も注目だが、「事前予想だと何も ないということなので、やはり出口戦略の先行きを占う上で米雇用がど のくらいの伸びを示すかというところが焦点になる」と話した。

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