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中国、経済安定しつつあると認識-年内利下げなし観測裏付け

中国政府は国内経済の減速が底打ち しつあるとの認識を示唆した。年内利下げはないとの観測が裏付けられ た形だ。

中国国営の新華社通信は5月31日、習近平国家主席が景気拡大は 「安定性を増した状態にある」と語ったと報じた。6月1日に中国国家 統計局と中国物流購買連合会が発表した5月の中国製造業購買担当者指 数(PMI)は50.8と、4月の50.6から上昇。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト30人の予想の全てを上回った。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが3日 発表した5月の中国製造業PMI改定値は49.2(速報値は49.6)と前月 の50.4を下回り、活動縮小が示唆された。

中国の製造業活動の安定はアジア地域の成長への新たな兆候だ。日 本では鉱工業生産指数が上昇し、韓国でも鉱工業生産指数と輸出が予想 外の伸びを示した。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査は、 来年は中国人民銀行(中央銀行)が利下げよりも利上げに踏み切る公算 が大きいことを示している。

スタンダードチャータードの大中華圏調査責任者、スティーブン・ グリーン氏(香港在勤)は「融資の支えや住宅市場の回復、在庫循環が 転換しつつあるなど、製造業ではマイナス面よりもプラス面の方が依然 として多い」と説明。「年末までにインフレ率は約4%に達し、中国経 済が一段と改善しつつある証拠が増えるだろう」と語った。

スタンダードチャータードは中国の預金金利と貸出金利につい て、10-12月(第4四半期)に0.25ポイントの引き上げを1回、来年1 -6月(上期)に同幅の引き上げが2回行われると予想。2014年6月末 までに1年物の貸出金利が6.75%、預金金利は3.75%になるとみてい る。

「健全」なファンダメンタルズ

中国の4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇 と、4カ月連続で今年の政府目標の3.5%を下回る伸びにとどまった。 ただ、ブルームバーグ・ニュースが5月に調査したエコノミスト24人の うち7人は、CPIの前年同月比上昇率が10-12月(第4四半期)に 4%以上に加速すると予想した。

習主席の中米カリブ海諸国歴訪を前に新華社が公表した書面インタ ビューの英語原稿によると、習主席は中国経済のファンダメンタルズ (基礎的諸条件)は「健全」だと発言。消費を中心とした内需が成長の 原動力として大きな役割を果たしているほか、雇用が安定し所得も上向 いていると説明した。

サービス業が下支え

政府が3日発表した5月の非製造業PMIは54.3と前月の54.5から 低下。昨年9月以来の低水準となった。HSBCは同様の指数を5日に 発表する。政府の非製造業PMIは新たな集計が始まった2011年3月以 来、サービス業活動の拡大・縮小の境目である50を下回ったことはな く、HSBCの指数も少なくとも4年にわたり拡大が続いている。

グリーン氏は「現時点で中国経済を支えているのはサービス業だ」 と述べた上で、「ここ2、3年の雇用増はほぼ全てサービス業が担って いる。セメントや鉄鋼、電力の生産活動が弱いながらも全体の成長が支 えられている理由の一つだ」と語った。

新華社の5月29日の報道によると、李克強首相は北京で開かれた貿 易見本市でのスピーチで、「内需の膨大な潜在力を引き出すのを助け、 安定した経済成長のための強固な支え」を得るために、中国政府はサー ビス産業発展の取り組みを強化すると言明した。

国家統計局のデータによれば、昨年の中国国内総生産(GDP)で サービス産業は全体の約45%を占めた。03年当時は41%。中国政府の5 カ年計画によると、15年までに同比率を47%に引き上げることを目指し ている。米経済ではサービス業が全体の約9割を占める。

原題:China Sees Economy Stabilizing as Manufacturing Gauge Rises (2)(抜粋)

--取材協力:Penny Peng、Regina Tan.

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