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任天堂:営業益1000億円の社長公約、アナリストは懐疑的

任天堂の岩田聡社長がコミットメン ト(公約)として掲げた今期(2014年3月期)営業利益1000億円達成に ついて、アナリストは懐疑的だ。昨秋発売の据え置き機「Wii(ウィ ー)U」が年明けから失速した点が背景。

ブルームバーグ・データによるアナリスト19人の営業益予想平均 は701億円と、公約より3割少ない。岩田社長は1月の経営方針説明会 で、「U」向けソフトウエアの新作を今年後半から集中的に投入するな どして巻き返すと強調。1000億円の公約を達成できなければ、経営責任 を取ることも示唆した。

任天堂は携帯型ゲーム機「3DS」不振や円高で苦戦。今期の営業 損益が黒字化すれば3年ぶりとなる。しかし、携帯電話やタブレット端 末で遊ぶゲームが浸透しているほか、ライバルのソニーが新型機「プレ イステーション(PS)4」を年内に発売予定だ。

SMBC日興証券の前田栄二アナリストは岩田社長の公約について 「1000億円出せる確信があって言っている感じではない」と分析。「ま ず数字があり、それに向けてすべきことを一つ一つやっている段階」と 述べている。任天堂広報担当の皆川恭広氏は、公約とアナリスト予想の 差に関するコメントを避けた。決算発表は24日の予定。

任天堂の前期の営業損益予想は200億円の赤字。「U」や3DSの 販売不振を受けて1月に200億円の黒字から下方修正した。しかし、岩 田社長は昨年1月の会見では、前期は「まとまった額の営業利益を出せ ると確信している」と述べていた。

岩田社長はUの発売前にも、ハードウェアの販売をけん引するゲー ムタイトルを用意した、と述べていた。しかし1月の説明会では「開発 の遅れによって、今年序盤のソフトの発売が途切れた」として「普及の シナリオが一度崩れてしまった」と認めた。

ピーク時は5500億円超

任天堂の営業益は前機種のWiiが好調だった09年3月期には過去 最高の5553億円に達していたが、その後のハード失速や円高で急減し た。立花証券の島田嘉一アナリストは「円安は追い風だが、トレンドを 踏まえると1000億円の営業黒字は厳しい」と説明。Wiiと比べてUの 面白さは伝わりにくく「普及には時間がかかる」とみている。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、岩田氏について「結果 が出ていない以上、批判が出ても仕方がない」と指摘。ただ、円安で経 営環境がよくなっているとした上で、1000億円の公約は「ゲームソフト が予定通り発売されれば達成可能だ」と述べている。

みずほ証券の小山武史アナリストも16日付リポートで、スケジュー ル通りソフトを出せば営業益目標の達成は「不可能ではない」としなが らも「最近は発売延期も目立つため注視が必要」とコメントした。

小山氏による今期の販売予想はUが900万台(前期350万台)、3 DSが1500万台(同1450万台)。会社側による前期の販売計画はU が400万台、3DSは1500万台となっている。

23日の任天堂株価は小幅高で寄り付いた後、下落に転じた。主要市 場である大証での午前終値は、前日比170円(1.5%)安の1万1460円。

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