米連邦航空局(FAA)がボーイン グ787の改修を承認し運航再開を許可したことで、ボーイングは改修 指示書をANAホールディングスに届けた。これを受けANAは、国内 4空港で787に新型バッテリー装着のための作業を午前から始めた。 その他の機材も5月中にはすべて改修を完了させ、6月からの運航再開 に向け全社的な準備を進める。

全日空の広報担当者、野村良成氏は22日、ブルームバーグニュース に対して、同日午前8時に国内にある787の改修作業に着手したこと を明らかにした。ボーイングから派遣された専門のエンジニアチームが 5組がまず、羽田、成田、岡山、松山の各空港で作業を開始した。羽田 には10機が駐機しており2チームが派遣されている。1機当たり5-7 日程度をメドに作業に当たる。

また、同社の787が駐機されているフランクフルト空港では5月 1日、高松空港は同10日、そして熊本空港は同16日にそれぞれ改修を開 始する予定。ANAの保有する17機全機の改修を5月には終了させる。

また、事情に詳しい複数の関係者によると、日本航空も改修指示書 が21日に届いたことが分かった。うち1人の関係者は、日航もバッテリ ーの改修作業を22日に始めたことを認めた。改修の作業は航空会社のエ ンジニアが最終的に承認する形で作業を終え、試験飛行などを経て運航 が再開されることになる。

ボーイングが21日、両社に届けたのは航空機メーカーから問題箇所 の指摘とその解決作業手順や整備などの変更を指示するサービス・ブリ テン(SB)と呼ばれるもの。ボーイングは新バッテリーシステムの実 験データを解析し、日米航空当局に承認を申請。米当局から先週末に承 認を得られたことからSBを発行した。これにより、航空会社は実際の システム改修に取り組める。

国交省の承認が次のカギ

米航空当局がボーイングの改修計画を承認したことを受け、国土交 通省は今後、ボーイングの申請を認める公算が大きい。太田昭宏国交相 はこれまで会見などで、米当局との連携を密にして速やかに対策を講じ ると明言しており、日米の時間差は短く収まりそうだ。

国交省は、航空機とその装備品などの安全性と環境適合性を確保す るために整備作業などが必要だと認めたときに、航空会社などに対し て、耐空性改善通報(TCD)を発行する。今回の787のバッテリー 不具合ではTCDが改訂される見込み。このTCD改訂で、航空会社は 試験飛行を含め実際の飛行が可能になる。

B787は現在49機が世界中で運航再開を待っているが、うち17機 をANA、7機を日航が保有している。ANAの伊東信一郎社長は1 日、記者団に787については日米当局の認可が前提とした上で、6月 の運航再開で準備を進めるとの方針を示していた。

22日午前の株価終値は、ANAが前週末比0.5%高の207円、日航は 同0.5%高の4350円、GSユアサは同0.7%高の413円となっている。

独立系投資顧問会社、バリューサーチ投資顧問の松野実社長は 「FAA承認はANA、日航、GSユアサ、そして日本の航空産業メー カーにとってはポジティブ。問題は長期化する懸念もあったが、何とか 解決の糸口が見えてきた」と歓迎する。一方で松野氏は、既に先週か ら、米当局が承認間近との報道が先行しており、航空関連の株価には既 に「787問題は織り込まれているので上値は重い」と指摘した。

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