4月第4週(22-26日)の日本株相 場は、値固めの展開となりそうだ。政府・日本銀行のリフレ政策を背景 とした先高期待は続くものの、ここへきて米国景気に対する警戒感も台 頭しており、売り買いが拮抗(きっこう)する。本格化する国内企業決 算の内容を受け、銘柄選別の動きも強まる可能性が高い。

三菱UFJ投信株式運用部の内田浩二チーフファンドマネジャー は、為替が大きく円安に振れない限りは「足元の水準を固める展開にな る」と予想。季節的な調整局面入りが警戒されるものの、政府の成長戦 略などに対する期待も強く、「下がった水準では買いたいという投資家 は多い」と見ている。

第3週のTOPIXは、前週末比1.9%安の1126.67と3週ぶりに下 落。米国で市場予想を下回る経済指標が相次いだほか、中国の1-3月 期の経済成長率もさえなかった。円安基調の一服や急伸後の反動から損 益確定の売り圧力に押され、業種別では商品市況の下落を受けた鉱業や 非鉄金属、商社を含む卸売など資源関連株の下げが目立った。

第4週は、国内企業の2013年3月期決算の発表が本格化する。焦点 が今期の会社計画に移った中で、主要企業では23日にJFEホールディ ングス、24日は任天堂、25日はJTや信越化学工業、コマツ、26日には 資生堂や野村ホールディングス、デンソー、ホンダ、オリエンタルラン ド、NTTドコモなどが発表予定だ。

1ドル=105円で4割経常増益

ゴールドマン・サックス証券では、1ドル=105円の想定為替レー トを前提に、東証1部上場企業の14年3月期の経常利益は前期比43.5% 増と大幅増益を見込む。一方、3月の日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観)では、大企業の為替想定は85円、経常利益は同6.4%増にとど まる内容で、株式市場と経営者の間にやや温度差がうかがえる。

東洋証券投資情報部の檜和田浩昭シニアストラテジストは、しばら くは「投資家の目線がマクロからミクロに移る」とした上で、企業の業 績計画や為替想定が保守的になることは相場に織り込み済みで、「投資 家心理の改善を考えると、業績見通しのいい企業に資金が流れやすい展 開になる」と読む。

また日銀は、黒田東彦総裁の下で2回目となる金融政策決定会合 を26日に開く。前回会合ではマネタリーベースを2年で2倍に拡大する ことなどを柱とした「質的・量的金融緩和」を打ち出し、今会合で新し い政策が導入される可能性は低い。今回示す「経済・物価情勢の展望 (展望リポート)」では、14年度の消費者物価指数の前年比上昇率の見 通しを従来の0.9%から1.5%以上に上方修正することを検討している。

米経済サプライズ指数が低下基調

一方、米国では市場予想を下回る経済指標の発表が相次ぎ、市場の 警戒感は高まっている。3月の小売売上高が前月比0.4%減と9カ月ぶ りのマイナス幅を記録、フィラデルフィア地区の4月の製造業景況指数 は市場予想に反し低下した。経済統計の実際の数値とエコノミスト予想 との差異を示すシティグループ経済サプライズ指数は、4月に入り低下 基調が鮮明だ。

22日には中古住宅販売件数、23日に新築住宅販売件数、24日に耐久 財受注、26日に1-3月の国内総生産(GDP)などが公表予定。セゾ ン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「米景気に対し ては警戒モードになっており、財政引き締めの影響が徐々に染み出して きている」と指摘。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の下支えで 住宅関連は引き続きしっかりする可能性が高く、「大きなネガティブサ プライズは出ないだろう」と予測した。

米企業決算は22日にキャタピラー、23日にアップル、24日にコーニ ングやフォード・モーターズ、ボーイング、25日にアマゾン・ドット・ コムなど。中でも、「iPhone」など主要商品の売り上げ鈍化懸念 から株価下落が鮮明なアップルへの注目度は高く、決算の内容次第では 村田製作所やTDKなど関連企業の株価に影響が波及しそうだ。

為替も引き続き注視

為替相場の推移も、引き続き日本株の動きを左右する。足元では、 米財務省が為替政策に関する半期報告書で日本に関し、「通貨安競争を 避け、競争目的で為替相場を目標としないよう求める」としたことを受 け、円が上昇する場面があった。18、19日の20カ国・地域(G20)財務 相・中央銀行総裁会議では、麻生太郎財務相によると、日本が進める金 融・経済政策について各国から特に異論は出なかったという。

SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、警戒感が強まっていたG20 を通過し、「為替市場は再び円安基調が強まる」と予想。第4週はキヤ ノンやコマツなど輸出関連企業の決算もあり、「内需関連から輸出関連 株にいったん資金が向かう展開になる」とみる。

このほか、海外では22日にユーロ圏消費者信頼感指数、23日に中国 のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)、24日に独Ifo景況感指 数が発表され、国内では25日にオークションやショッピングの商品情報 を提供するオークファンが東証マザーズに新規上場する。

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