中国の3月の輸出は4カ月ぶりに市 場予想を下回る伸びにとどまり、貿易の見通しをめぐる懸念に拍車を掛 ける結果となった。中国当局は一部の輸出企業が税関に虚偽の申告をし ていることを認めており、データの質に対する懸念も高まっている。

税関総署の10日の発表によれば、3月の輸出は前年同月比10%増。 一方、輸入は同14.1%増とエコノミスト予想を上回る伸びで、この結 果、貿易収支は予想に反して8億8000万ドル(約870億円)の赤字とな った。調査会社IHSは、香港向け輸出が92.9%増と18年ぶりの「驚異 的な」伸びとなったことで、データの質に一段と疑念が強まるとみてい る。

税関総署は10日の記者会見で、データが水増しされている可能性が あるとの懸念を認める一方、香港向けの伸びは異なる統計手法に基づく ものだと説明した。米欧向けの需要はいずれも昨年11月以来の減少と、 中国の景気回復を支える世界的な需要がこれまでの経済指標よりも弱い ことが示された。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの大中華圏担当エ コノミスト、陸挺氏(香港在勤)は同日のリポートで、「輸出の10%の 伸び率は、電力消費や工業生産、輸送などのデータに沿った内容のため より現実味がある」と説明。1月と2月の「異常に高い」伸びは、恐ら く企業の水増し報告でゆがめられたとの見方を示した。

主要貿易相手で減少

3月の輸出の伸びは2月の21.8%増から鈍化。ブルームバーグ・ニ ュースが調査したエコノミスト36人の予想中央値は11.7%増だった。輸 入はエコノミスト35人の予想中央値(6%増)を上回る伸び。貿易収支 は151億5000万ドルの黒字(予想中央値)が見込まれていた。

税関総署によると、3月の中国輸出は米国や欧州連合(EU)、日 本、韓国、カナダなど主要貿易相手に対していずれも減少。目立った例 外は484億ドルに増加した香港で、輸出全体の27%を占めた。台湾向け は44.9%増だったが、台湾当局が今週発表した貿易統計で中国からの輸 入は1.2%減だった。

IHSの任先芳、アリステア・ソーントン両エコノミストは10日の リポートで、「国・地域別の輸出データはとんでもない方向に向かって いる」と指摘。輸出税の払い戻しを受けるために「輸出企業が受注をご まかしていることを示唆する事例証拠は山ほどある」と述べた。

税関総署の鄭躍声報道官は同日、貿易取引で虚偽の申告の慣行が 「存在するものの、それが主流であることは断固ありえない」と説明。 輸出企業が虚偽の申告をした場合は法的責任を負わなければならないと 語った。

原題:China Exports Miss Forecasts as ‘Absurd’ Data Defended: Economy(抜粋)

--取材協力:John Liu.

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE