東京外国為替市場では円が急落。日 本銀行が決定した金融緩和策を受け、円を売る動きが再燃した。

円は主要16通貨全てに対して下落。対ドルでは1ドル=92円後半か ら2円以上円安が進み、一時3月21日以来の安値となる95円56銭を付け た。円は対ユーロでも1ユーロ=119円前半から一時122円63銭まで急 落。122円台を付けるのは3月25日以来となる。

日銀は黒田東彦新総裁の下で初めてとなる金融政策決定会合で、長 期国債の購入について、資産買い入れ等基金を廃止し、成長通貨供給の ために行っていた輪番オペに統合した上で、グロス(全体)の買い入れ 額をこれまでの月額約4兆円から、毎月の国債発行額の7割に当たる7 兆円強とすることを決めた。決定は全員一致。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジスト は、日銀の金融緩和について「ほぼ全ての面で期待値か期待を上回る内 容になっている」と指摘。「ここまでアベノミクスとは失望知らずでき たが、今回も黒田日銀の最初の会合でポジティブ・サプライズになっ た」とし、「長期的な円安トレンドを強化する内容と言っていい」と話 した。

期待を上回る緩和

日銀は今回、金融市場調節の操作目標を無担保コール翌日物金利か らマネタリーベースに変更し、これを年60兆-70兆円ペースで増加させ ることも全員一致で決めた。長期国債の買い入れ対象を40年債を含む全 ゾーンの国債とし、日銀の長期国債保有残高を日銀券発行残高以下にと どめる「日銀券ルール」の一時停止も決定。ETF、REITの買い入 れ拡大も全員一致で決定した。

池田氏は、日銀の決定内容について、「今回は期待値が高く、さす がに難しいと思われていた中で、期待を上回る内容となったということ で、マーケットの今後の黒田日銀に対する期待感というのはおそらく強 化されただろう」と語った。

また、大和証券の亀岡裕次チーフ為替ストラテジストは、一部には 日銀が今月2回目の会合で最終決定するという見方もあったので、「現 実に1回目で決まったということもプラスに働いた」と言い、「でき得 ることはだいたいやったという感じだ」と話した。

ECB会合

一方、この日は海外時間に欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合 も開かれる。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、56人 中54人がECBが政策金利を過去最低の0.75%に維持すると予想。残り 2人は0.5%への引き下げを見込んでいる。

三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループの村尾 典昭マネジングディレクター(ニューヨーク在勤)は、「欧州景気が良 くないことは事実だし、ドラギ総裁の会見も含めて利下げに向けて何か しらの一段のヒントを与えるようなことを言ってくるか」が焦点だと指 摘。緩和について踏み込んだ発言が出てくれば、ユーロは対ドルだけで なく対円でも上値が重くなる可能性があると語った。

円主導の展開の中、ユーロ・ドル相場は小動き。ただ、午後はユー ロの上値が重くなり、1ユーロ=1.28ドル半ば付近から前半へ弱含ん だ。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE