【今週の債券】長期金利は0.5%割れ試す展開か、黒田日銀の大胆緩和で

今週の債券市場で長期金利は10年ぶ り低水準となる0.5%割れを試す展開が予想されている。市場では、日 本銀行が3、4日に開く金融政策決定会合で大胆な金融緩和を決めると の観測が強く、金利に低下圧力が掛かりやすいことが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが3月29日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レン ジは全体で0.48%-0.60%となった。0.5%割れとなれば、2003年6 月18日以来となる。前週末終値は0.56%。

日銀の黒田東彦総裁による新体制で初めて臨む金融政策決定会合が 最大の注目材料だ。黒田総裁は前週の参院財政金融委員会で、「2%の 物価安定目標を達成するというコミットメントを強く意識しながら、必 要なことは何でもやるという対応で行きたい」と表明。「市場の期待を 裏切らないように大胆な金融緩和を行っていく」とも述べた

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、日銀が4日に追 加緩和を打ち出すことは既定路線と指摘。「現行の資産買い入れ基金と 長期国債買い入れの統合、全体の国債買い入れ額を増やした上で、長い 年限の国債買い入れも増やすことがコンセンサスだ。長期や超長期ゾー ンがどれぐらい増えるか分からないだけに、リスクは金利低下方向にあ ると考えるのは自然だ」とみている。

10年債入札

2日に10年利付国債(4月発行)の入札が実施される。前週末の入 札前市場で10年物は0.56%程度で推移しており、表面利率(クーポン) は前回債と同じ0.6%か、0.1ポイント低い0.5%となる見込み。0.5%で 決まれば03年6月以来の低水準となる。発行額は2兆4000億円程度。市 場では、債券市場の需給環境の良さを背景に、波乱なく通過できるとの 見方が出ている。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は6月物、10年国債利回りは328回債。

◎みずほコーポレート銀行資金証券部の新井厚志次長

先物6月物145円00銭-146円00銭

10年国債利回り=0.50%-0.60%

「10年債入札前でいったん売りの方向だ。相場観としてはそれほど 弱気ではないが売られ過ぎると入札を見送る人が増えて、もたつく可能 性がある。日銀は基金による買い入れ増額や年限延長を決めそう。輪番 オペとの統合や日銀券ルールの撤廃は26日に向けてじっくり議論した方 が良いが、方向性を示しておく必要はある。きちんと整理しつつ、大胆 な緩和を予想する市場の期待感を残すような対応が必要だろう」

◎三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジスト

先物6月物145円25銭-146円25銭

10年国債利回り=0.48%-0.58%

「日銀金融政策決定会合をにらんで週前半はもみ合い。日銀は、今 までのやり方をリセットして、デフレ脱却のため、緩和政策の強化が一 気に打ち出される見通し。年度初めは売りから入るのではなく、キャリ ー狙いで持ち高を積み上げる方向で、相場は上値をうかがう展開になり そう。10年債入札は、日銀決定会合を控えて、慎重な向きもあるが、需 給が良いため大崩れすることはないと思う」

◎SMBC日興証券金融経済調査部の土井俊祐氏

先物6月物145円00銭-146円00銭

10年国債利回り=0.50%-0.60%

「新年度入り後の今週の債券相場は、日銀の新体制下の金融政策決 定会合という目下、最大の注目イベントを控える中、10年債入札や年度 初めの売りなどの国内要因がボラティリティ(相場変動性)を高める展 開になると想定している。もっとも、金融政策決定会合が期待外れの結 果とならない限り、金利上昇は抑制されたものになるとみている 」

--取材協力:池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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