福島原発事故「天災と片付けてはならず」、思考停止認める

東京電力は29日、2011年3月の福島 第一原子力発電所で発生した事故について「天災として片づけてはなら ない」とし、事前の備えを怠ったために「防ぐべき事故を防げなかっ た」と総括し、対策を盛り込んだ安全改革プランを発表した。

同社が、元米原子力規制委員会(NRC)委員長のデール・クライ ン氏をトップに据えた第3者委員会とともに作成した改革プランでは、 原子力発電というリスクの高い事業を運営する企業として、当時の経営 層全体のリスク管理に甘さがあったことを問題点として指摘。

クライン氏は都内で会見し「経営陣が津波の高さなど、より詳細な 事柄について吟味することができれば、事故は防ぐことができたはず だ」と強調した。

経営層の監視を強化するため、社外から責任者を招いて原子力安全 監視室を設置することを改革プランに盛り込んだ。同監視室は取締役会 直属の組織とし、原発の運営に携わる原子力部門の安全に関わる活動を 監視し支援することを決めた。

さらに事故発生後の広報活動全般が「迅速さと的確さを欠いてい た」ことが周辺の住民の不安を招いただけでなく、世界中が不信感を募 らせる結果につながったことについて、東電は「深く反省している」と 記した。事故に対する事前の備えに不足が生じていたのは、原発にリス クがあることを表明すると規制当局や地元から過剰な対策を求められ、 原発の運転停止を余儀なくされるという「思い込みによる思考停止」が あったことを明らかにした。

今後は「原子力に絶対安全(ゼロリスク)はない」という考えのも とで、積極的にリスクを公表し原発の立地地域や規制当局と情報を共有 することで信頼関係を作り上げる方針を打ち出した。この活動を推進す るため、広報部門と立地地域部門に、技術分野の知識を持ち一定の教育 訓練を受けた「リスクコミュニケーター」を配置することも決めた。

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