キプロスへの「核攻撃」で壊滅する金融業-国を道連れに崩壊か

キプロスの首都ニコシアに住む法律 家、イオナ・コンスタンティヌさん(24)は、バンクホリデー(銀行休 業)が始まった16日の朝、ロンドンで週末を過ごすために早起きして荷 物を準備していた。

ノートパソコンを開いてフェイスブックにログオンし、「人々が叫 びリンクが投稿される様子を見て、何が起きているのかと驚いた」と彼 女は振り返る。

キプロス救済合意の一部として、国内の銀行預金への課税に指導者 らが同意したというニュースを知ると、コンスタンティヌさんの計画は 吹き飛んだ。法律家のボーイフレンド、シモス・アンゲリデスさん (35)と彼女はフライトをすぐにキャンセルし、預金が口座から消えて しまわないか確認するために銀行の再開を待った。しかし、窓口がよう やく開くのは28日になってからのことだ。

キプロス国民は皆、金融システムが国を道連れに崩壊に向かってい るのではないかと不安に襲われたが、この2人も例外ではなかった。ア ンゲリデスさんは「核爆弾が落ちたようだった。放射能の中で何とか生 きている状況だ」と話す。

キプロスのアナスタシアディス大統領は、欧州連合(EU)と欧州 中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)から100億ユーロ(約1 兆2000億円)の支援を得る条件として、国内2位のキプロス・ポピュラ ー銀行の解体に同意した。10万ユーロまでの預金は保護されるが、それ を上回る預金は同行では大部分が失われ、キプロス銀行についても最 大40%の損失負担が求められる。

滅びゆくキプロス

地中海東部に位置する島国のキプロスにとって、今回の支援策は 「救済」の名にほとんど値しない。国内総生産(GDP)の80%、雇用 の72%を生み出す金融サービス業は、観光業と共にキプロス経済の屋台 骨を支えているが、財政資金穴埋めのための今回の合意によって、金融 業が壊滅的な打撃を受けると予想されるためだ。

アンゲリデスさんは「半年後にはほとんどが廃業か、買い手あるい は借り手募集の看板を掲げることになるだろう。キプロスは住む人もな い廃墟の国になるのではないか」と不安を隠さない。

原題:Cyprus Nuclear Option Empties Local Shops as Bailout Shut Banks(抜粋)

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