債券は下落、高値警戒感や来週の入札控え売り-超長期債は買われる

債券市場では先物・中長期債が下落 した。高値警戒感から売りが優勢となった。来週の10年債入札に向けた 売りも下げ圧力になったとみられている。半面、超長期債には、月末に あたり投資家による保有債券の年限長期化の買いが入った。

みずほコーポレート銀行資金証券部の新井厚志次長は、「月末の年 限長期化の買いはあるが、4月に入ってからの取引を考えると10年以下 のゾーンは上値がやや重くなっている。10年債入札に向けたヘッジ売り が始まったと捉えてもおかしくないタイミング」と指摘した。また、 「来週は相場が下がり過ぎると、いったん入札を見送る人も増えるが、 若干下押しした程度ならしっかりした結果になるのではないか」とも語 った。

東京先物市場では、中心限月の6月物が続落。前日比5銭安の145 円81銭で始まった直後に145円85銭まで戻したものの、取引が進むにつ れて売り圧力が強まった。午前の取引で21日以来の安値をつけた後に下 落幅を縮小する場面もあったが、総じて売り優勢の展開は午後も続き、 結局は40銭安の145円46銭と、この日の安値で引けた。前日には一時145 円98銭まで上昇し、日中ベースでの過去最高値を更新していた。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストによる と、最近、相場が急上昇していたことから、期末を迎え、海外市場が祝 日で連休となることもあり、「いったん手じまい売りが出た」と言う。

2012年度末の先物中心限月の終値は、前年度末の終値142円01銭を 大きく上回り、年度末としては過去最高値で取引を終えた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは、横ばいの0.51%と、前日に続き2003年6月18日以来の低水準で開 始した。その後は、徐々に金利を切り上げ、5.5ベーシスポイント (bp)高い0.565%まで上昇した。年度末の水準としては、前年度末終 値(0.985%)を下回り、過去最低水準となる見込み。

新発5年物109回債利回りは1.5bp高い0.125%で始まった後、2bp 高い0.13%まで上昇している。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「先物・中期債 は、利回り低下の余地が限られており、目先的には先物を買わなければ いけない向きはおらず重たい展開」と語った。

一方で、投資家による保有債券の年限長期化の買いが入り、超長期 債は堅調。新発20年債利回りは1.5bp低下の1.39%で始まった後、買い が一段と強まり、一時4.5bp低い1.36%と03年7月2日以来の低水準を 更新。午後3時すぎは1.385%で推移している。新発30年債利回りは一 時6bp低い1.50%まで低下し、同じく約10年ぶりの低水準を記録した。

ドイツ証の山下氏は、「決算期末で流動性が薄い中で、超長期債に は、月末にあたり保有債券の長期化の買いが入っている。超長期債には ショートポジション(売り建て)の解消やインデックス(債券指数)に 基づく実需の買いが続いている」と語った。

長期債と超長期債の利回り格差は縮小し、利回り曲線は平たん化が 進んだ。ブルームバーグ・データによると、10年物国債と30年物国債と の長・超長期利回り格差は95bp前後と12年5月31日以来の低水準に達し た。

ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジスト は、先物や中長期債が売られた一方、超長期債が買われたことについ て、「期末ということで業態の違う投資家が個別の理由で動いているの が背景。総じて商いが薄いので、個別の事情の売買に振らされている」 と分析した。

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