世界初のLNG先物を2年以内に東商取に上場へ、差金決済で

経済産業省は、世界初の液化天然ガ ス(LNG)先物を2年以内に上場することを目指す。LNG価格高騰 のリスクをヘッジする機会となるほか、原油価格をベースに決定されて いる現在のLNG価格の決定システムに代わる新たな指標価格を示すこ とで輸入価格の引き下げも狙う。

同省商取引・消費経済政策課の石崎隆氏によると、東京商品取引所 に上場される予定のLNG先物市場では、商品の現物の受け渡しは行わ ず、取引最終日である納会日までに反対の売買を行って差額を受け取る ことで決済する方式になる予定。LNGの受け渡しを行うには大掛かり な輸入基地などが必要になるため「参加者の間口を広げるため」に差金 決済型とした。取引はドル建てとなる。

市場での取引の対象となるのは日本到着ベースのスポットLNG価 格。今後経産省が調査を実施してスポット価格を提示することも視野に 入れている。日本と並んで輸入量の多い韓国や台湾の需要家が市場に参 加しやすい仕組みを導入するほか、LNG輸入基地が完成しアジアでの LNG取引のハブ化を目指すシンガポールや、シェールガス由来の LNG輸出が増える可能性のある米国にも同様の市場の創設を促し連携 を図る。

経産省は昨年11月にLNGの輸入を行う商社や電力・ガスなど需要 家など企業を集めたLNG先物市場協議会を設立。これまで4回の会合 で新たな市場の概要について議論を重ねてきたが、きょう午後に開催さ れた5回目の会合でLNG先物上場の方針を盛り込んだ報告書を取りま とめた。

貿易収支を圧迫するLNG価格

原発の停止が長引いていることから、LNGなど火力発電用燃料の コストが膨らんだ結果、2012年の貿易収支は過去最大の6兆9273億円の 赤字となった。輸入価格削減の取り組みの一環として、経産省は産ガス 国などの閣僚を集めたLNG産消会議を昨年9月に東京で開催した。

枝野幸男前経産相はこの会議で、日本の高いLNG調達価格の一因 となっている原油価格に連動する値決め方式は「合理性を失っている」 と強調し、LNG先物上場の必要性を訴えていた。経産省は今秋に第2 回のLNG産消会議の開催を予定している。

今後は東商取がLNG先物の上場の可否を検討する。同取引所の江 崎格社長は28日のインタビューで、LNG先物市場について「どういう 規格でやるとか、取引のルールをどうするか」など準備が必要になるた めすぐに上場するのは難しいと話した。その上で「新しい商品の上場は 考えている。既存の商品もいろいろあるが、国内や海外の投資家のニー ズに合った商品設計にしていきたい」との見解を示した。

--取材協力:宋泰允. Editors: 淡路毅, 浅井秀樹

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