JMU社長:国内造船業、来年度黒字化は困難-円安は不十分

安倍晋三政権の誕生に前後して円高 修正が進行し、国内製造メーカーの業績回復に期待が高まる中、ジャパ ン マリンユナイテッド(JMU)の三島慎次郎社長は、国内造船業で は船価の落ち込みなどが影響し、2013年度の黒字確保は厳しいとの見方 を示した。

三島社長は27日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、 現在の為替水準は「固定費を回収できるかどうかの水準に過ぎない」と 指摘した。東京外国為替市場では昨年11月以降、円が対ドルで約17%下 落。29日正午前、1ドル=94円台前半で推移している。

国内造船業が黒字を確保するためには、円安がさらに進む必要があ るとし、「リーマンショック前の1ドル=110円程度にならないと厳し い」との見方を示した。

三島氏は、造船市場について「12年に建造された船は約1億総トン 近く。一方、発注された船は3800万総トン程度にすぎなかった」とし、 「完全に買い手市場で船価が低迷している」と述べた。需要が落ち込ん でいる中、中国や韓国が過剰生産しているという。現在、世界の発注済 み船量は1億7000万トンで、需要が回復するには15年まで時間が必要と の見方を示した。

供給過剰については、船価の低迷などはコスト競争力のないメーカ ーを淘汰(とうた)すると予想しつつも、「生産能力がどれくらいにな るかは読めない」と述べた。

操業10-20%程度縮小

三島氏は、「供給力を絞り込んで需給バランスを早く回復させない といけない」とし、JMUが13年度から全国すべての事業所で操業を10 -20%程度縮小する考えを明らかにした。残業時間を縮小し、雇用は守 るという。

JMUはJFEホールディングス傘下のユニバーサル造船とIHI 子会社のアイ・エイチ・アイマリンユナイテッド(IHIMU)が1月 に統合して発足。JFEとIHIの出資比率はそれぞれ45.93%。

JMUの売り上げ規模は約4000億円。主力の商船が約2000憶円を占 め、艦船が700億-800憶円程度。残りをエンジニアリングやライフサイ クル、海洋構造物などの事業が占める。三島氏は韓国や中国など海外造 船会社と競うには少なくとも5000億円の売り上げ規模が必要だとし、5 年から10年後には実現したいと述べた。

三島氏は商船の規模を3000億円とする目標を示した。タンカー、バ ルク、コンテナの3大船種の競争力を強化するほか、液化天然ガス (LNG)輸送船も収益源にしていく。艦船は1000億円、エンジニアリ ングは500億円、海洋構造物は500憶-1000億円を目指す。

日本造船工業会がIHS(旧ロイド船級協会)の資料を基にまとめ た世界主要造船国別船舶受注量の推移によると、12年の世界受注量 は3843万総トンと前年比32%減少。07年のピーク時に比べると77%減少 した。シェアは中国が36.8%、韓国が31.3%、日本は21.9%。

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