パナソニック:3年後の営業益3500億円-市場は「期待外れ」

パナソニックは28日、テレビ事業の 赤字解消や、競争の激しいデジタル家電から企業向け事業へのシフトを 通じ、3年後の営業利益を今期(2013年3月期)の2.5倍の3500億円以 上とする中期経営計画を発表した。市場ではリストラのスピードが期待 外れとの見方などから、株価は約5カ月ぶりの下げを記録した。

同社はテレビをはじめとする構造改革で前期7722億円の純損失を出 し、今期もリストラ拡大で7650億円の純損失を予想。来期は500億円以 上の純利益確保を目指すが、巨額な純損失の引き金となったプラズマテ レビ事業の撤退については判断を保留した。前社長としてプラズマパネ ルへの積極投資を行った大坪文雄会長は6月に特別顧問に退く。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「スピードが 遅い。期待した内容ではない」と指摘。「キャッシュと相談しながらし ている悠長なリストラ策だ」とも語った。ドイツ証券の中根康夫アナリ ストも29日付リポートで、収益の改善や拡大のための具体策が発表され ず「情報開示が不十分との印象」があると指摘した。

29日のパナソニック株価は一時前日比8.0%安と、2年連続の巨額 純損失を受けストップ安(値幅制限いっぱいの下げ)を付けた昨年11月 1日以来の日中下落率を示した。

28日に会見した津賀一宏社長によると、テレビ事業は今期まで5年 連続の赤字。今期の損失見込みは860億円と、前期の2100億円からは減 るものの依然厳しい状態だ。

プラズマ撤退、ゼロではないが

しかし、津賀氏はテレビや携帯電話からは撤退しない意向を表明。 プラズマテレビについても撤退の可能性は「ゼロではない」としながら も「頑張れる限り頑張ると決めている」と述べた。同じくテレビで苦戦 してきたソニーは、同事業を来期で10年ぶりに黒字転換させる計画。

中計ではテレビに携帯や半導体を加えた5事業を対象に、15年3月 期までの2年間で計2500億円の構造改革費を投入。最終年度の翌16年3 月期には赤字の事業部を無くし、全体の営業益を3500億円以上とする方 針。有利子負債と手元資金の差である「ネット資金」のマイナス幅は今 期7700億円の見込みだが、利益創出や設備投資抑制などで返済を進 め、2200億円へと圧縮する計画。想定為替レートは1ドル=85円。

28日にはニューヨーク上場廃止申請やヘルスケア事業子会社への外 部資本の導入検討、物流子会社の過半数株式の売却も発表。88から56ま で減らすと昨秋に表明していたビジネスユニットについては、4月から 事業部制に移行した上で49事業部に絞る。従業員数は昨年末までの1年 間で約4万人減り、30万8882人となっているが、今後の削減には言及し ていない。

企業向け事業のシフトについては、車載関連と、家電を除く住宅向 けの両事業で、18年に各2兆円の年商を目指す目標も提示。津賀社長は 売り上げ増に向け必要であれば、M&A(企業の合併・買収)も検討す ると語った。

--取材協力:藤村奈央子. Editors: 駅義則,室谷哲毅,谷合謙三

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