3月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロは対ドルで反発-キプロス発危機の感染懸念後退

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで反発。今週に入って最 大の上げとなった。スペインとイタリアの国債利回りが低下し、キプロ スの銀行危機が封じ込められた可能性を示唆したため、ユーロ買いが膨 らんだ。

円も上昇。日銀の黒田東彦総裁がこれまでの金融緩和政策をあらた めて表明するにとどめたことから、新たな政策を打ち出すとの思惑が外 れて円買いが入った。キプロスでは政府が引き出し額に上限を設定した ことから取り付け騒ぎが起こることなく、銀行が営業を再開。これを材 料にユーロは対ドルで上昇した。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の マネジングディレクター、ブラッド・べクテル氏は「キプロスに関連し た安心感からユーロ買いが若干入ったのは間違いない。月末特有の取引 もかなり見られた。市場はユーロの小幅な売り持ちを続けることに抵抗 がない。ユーロの反発にはなお懐疑的だが、それに対する懸念を強めて いる」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.3%高 の1ユーロ=1.2816ドル。前日には昨年11月21日以来の安値とな る1.2751ドルまで下げた。円はこの日、対ドルで0.3%高の1ドル=94 円15銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=120円67銭。

キプロス

キプロス中央銀行が発表した資本移動規制は、1日に引き出せる預 金の上限を300ユーロ(約3万6000円)とするほか、キプロス国外の口 座への送金を制限している。銀行は28日正午に開店、午後6時に閉店し た。

イタリア10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の4.8%。スペイン10年債利回りは2bp低下の5.1%。

欧州連合(EU)の欧州委員会は28日声明を発表し、キプロスの資 本移動規制は目的に照らして妥当なものでなければならないとし、「可 能な限り速やか」に規制を解除することを呼び掛けた。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「ユーロは今週、か なり下落した。感染懸念はこれまでユーロの悪材料となっており、前日 のユーロはその懸念で下落した。この日はそれがない。状況が安定し、 この日のユーロ上昇につながったのだろう」と述べた。

独連邦雇用庁(FLO)が28日発表した3月の雇用統計によると、 失業者数は季節調整済みで前月比1万3000人増の294万人。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト24人の予想中央値は2000人減だ った。

「ユーロへの圧力続く」

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)はブルームバーグ・ラジオとのインタビューで、ユ ーロがほぼ3年ぶりの水準に下落する可能性があると指摘。「不透明感 が続いており、市場で蓄積されている。ユーロは短期的に圧力を受け続 けるだろう」と話した。さらに「来年から再来年にかけても圧力は続き そうだ」と指摘した。

日銀の黒田総裁は28日午前、参院財政金融委員会で、国債購入につ いて残存期間がより長期のものも含めバランスの取れた買い入れが必要 だと指摘。購入対象としてリスク資産も検討課題になると述べた。

セント・ジョージ銀行のエコノミスト、ジャヌ・チャン氏(シドニ ー在勤)は「黒田総裁は積極的な金融緩和とデフレ脱却について明確に 発言してきた。行動が予想通りなら、反応は恐らく限定的になるだろ う。円は下げるよりも上げるリスクの方が高い」と語った。

原題:Euro Rallies Most in Week as Cyprus-Led Contagion Concern Fades(抜粋)

◎米国株:S&P500種は終値で最高値-金融危機の下落分を埋める

米国株相場は上昇。S&P500種株 価指数は終値ベースでの過去最高値を更新し、金融危機に伴う下落分を 埋めた。昨年10-12月(第4四半期)の米経済成長率が改定値から上方 修正されたことや、欧州債務危機をめぐる懸念後退が背景にある。

ヒューレット・パッカード(HP)やIBMなど大型株が高い。ゲ ームストップは利益が予想を上回ったことを好感し大幅高。靴・アパレ ルメーカーのデッカーズ・アウトドアも上昇。ジェフリーズ・グループ が目標株価を引き上げた。一方、ブラックベリーは第4四半期決算が予 想に反して黒字となったが、株価は値下がりした。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1569.19。2007年10月9日 に付けた終値でのこれまでの最高値1565.15を上回った。ダウ工業株30 種平均は52.38ドル(0.4%)上げて14578.54ドル。

キャボット・マネー・マネジメント(ボストン)の社長兼最高投資 責任者(CIO)、ロバート・ラッツ氏は「やっとその時が来た」と し、「過去10年間で2回の弱気相場を経験し、株式投資家はその期間持 ちこたえられると確信するのが非常に厳しい状況にあった。だが、株式 相場は今非常に力強い段階の始まりを迎えていると思う」と述べた。

S&P500種の終値ベースでの最高値更新は、時価総額にして10兆 ドル余りが失われた弱気相場からの回復を示している。同指数は1-3 月(第1四半期)に10%上昇と、1年ぶりの大幅高となった。ただ、依 然として日中ベースでの過去最高値1576.09は下回っている。ダウ平均 は今月5日に、07年に付けた最高値を初めて上回った。

GDP確定値

増益の継続や金融当局の強力な緩和策継続を受け、米国企業の株価 は上昇を続けている。今週発表された経済指標では、製造業耐久財受注 や住宅価格指数で大きな伸びが示された。

米商務省が28日に発表した第4四半期の実質国内総生産(GDP、 季節調整済み、年率)確定値は前期比0.4%増と、改定値(0.1%増)か ら上方修正された。7-9月(第3四半期)は3.1%増だった。またキ プロスの銀行が約2週間ぶりに営業を再開し、欧州債務危機への懸念が 和らいだ。ドイツ連邦統計庁が発表した2月の小売売上高指数は、季節 調整後ベースで前月比0.4%上昇した。

強気相場

4年間に及ぶ強気相場でS&P500種は12年ぶり安値676.53か ら131%余り上昇。ビリニー・アソシエーツのデータによれば、強気相 場の期間は過去の平均的な長さを上回っている。同データでは、1962年 以降のサイクルでは強気相場の期間は平均で4年。計9回の強気相場の うち4回で期間は平均を上回り、約6年に及んだ。

ラッセル・インベストメンツの北米担当チーフ市場ストラテジス ト、スティーブン・ウッド氏は電話取材で、「非常に幅広い業種で上昇 しており、世界的なものだ」とし、「ファンダメンタルズの多くはここ 数週間、また数カ月それほど変わっていない。だがモメンタムとセンチ メントが変わりつつあるのは、はっきりしてきている」と続けた。

HPは1.1%高の23.84ドル。IBMも1.1%上げて213.30ドル。

ビデオゲーム小売りで最大手のゲームストップは5.8%高の27.97ド ル。同社の第4四半期決算は、利益がアナリスト予想を上回った。

デッカーズは6%高の55.69ドル。ジェフリーズのアナリスト、ラ ンダル・コニク氏は、デッカーズの目標株価を100ドルとし、従来目標 の65ドルから引き上げた。羊皮価格が今年下落する可能性が高いと指摘 している。

ブラックベリーは0.8%安の14.45ドル。一時は6.8%高となった が、下げに転じた。

原題:S&P 500 Climbs to Record Amid GDP Growth, Optimism Over Europe(抜粋)

◎米国債:週間ベースで3週連続高、欧州への懸念で質への逃避

28日の米国債は週間ベースで上昇。昨年11月以来で最長となる3週 連続高となった。キプロスではこの日2週間ぶりに銀行が営業を再開し たが、欧州は債務危機の収束にまだ苦慮すると懸念されている。

10年債利回りはほぼ変わらず。朝方発表された昨年第4四半期(10 -12月)の実質国内総生産(GDP)確定値は改定値から上方修正され た。一方、新規失業保険申請件数は前週から増加した。米財務省が実施 した7年債入札(発行額290億ドル)では応札倍率が過去平均を下回っ た。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「欧州危機はまだ和らいでいな い。いつかの時点で利回りが低下し始めるだろう」と述べ、「欧州でま た何か起こるのは時間の問題だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時現在、10年債利回りは週間で6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.85%。10年債(表面利率2%、2023年2月償還)価 格は18/32上げて101 11/32。既発7年債利回りは週間で7bp下げ で1.21%。この日は一時1.18%と、1月2日以来の低水準だった。

米国債は短縮取引

この日の米国債市場は米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告 に基づき、午後2時までの短縮取引だった。29日はグッドフライデー (聖金曜日)のため休場となる。

米国みずほ証券のチーフエコノミスト、スティーブン・リチュート 氏(ニューヨーク在勤)は、「キプロスがこのまま落ち着けば利回りは 最大でも1.90%当たりで推移するだろう」と述べ、「景気は急速に変化 しそうにない。絶えず違う向かい風が吹いている」と続けた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債リターンは今月に入って前日までに0.2%。年初来では0.2% のマイナスとなっている。昨年は2.2%のプラスだった。

米国債は前日に年初来で最も割高な水準だったが、この日は前日よ りは割安となった。金利や成長、インフレ見通しに基づくタームプレミ アム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、10年債のタームプレミアム はマイナス0.73%。前日はマイナス0.78%だった。マイナスのタームプ レミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れて いることを意味する。

7年債の入札結果

7年債入札での最高落札利回りは1.248%。入札直前の市場予想 は1.243%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.56倍 と、2009年来の最低だった昨年10月と一致した。過去10回の平均は2.68 倍となっている。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率 は35.5%。過去10回の入札の平均は39.3%。プライマリーディーラー (政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札比率は 19.5%、 過去10回の平均16.3%を上回った。

ニューヨーク連銀は2017年3月-11月に償還を迎える47億6000万ド ル相当の米国債を購入した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は米国 債と住宅ローン担保証券(MBS)を月850億ドル購入する方針を示し ている。

商務省が発表した第4四半期の実質GDP(季節調整済み、年率) 確定値は前期比0.4%増と、改定値(0.1%増)から上方修正された。第 3四半期は3.1%増だった。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比1万6000件増の35万7000件。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は34万件への増加だった。

原題:Treasuries Gain for Third Week as Europe Concern Spurs Haven Bid(抜粋)

◎NY金:反落、欧州懸念が後退-四半期では2001年以来の2期連続安

ニューヨーク金先物相場は反落。キプロスの銀行が営業を再開した のに伴い欧州債務危機が深刻化するとの懸念が後退、金に資金逃避する 動きが鈍った。四半期ベースでは2001年以来となる2期連続の下落。

キプロスの銀行はほぼ2週間ぶりに営業を再開した。米商務省が発 表した昨年第4四半期の実質国内総生産(GDP)確定値は改定値から 上方修正された。米金融当局が緩和を緩めるとの観測を背景に、金を裏 付けとする上場投資信託(ETF)の保有高は1-3月に6.9%縮小し た。金は今年に入って4.8%下落している。

アーチャー・フィナンシャル・サービシズのシニア市場ストラテジ スト、アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話インタビ ューで、「キプロス問題という金にとっての支えが弱まりつつあり、買 い進める新たな理由が見当たらない」と指摘。「金は失望の四半期だっ た」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.7%安の1オンス=1595.70ドルで終了した。

原題:Gold Declines in Worst Run Since 2001 as Economic Concerns Ease(抜粋)

◎NY原油:5営業日続伸、米GDP上方修正で需要増に期待

ニューヨーク原油先物相場は6週ぶり高値に上昇。今年最長の 5営業日続伸となった。昨年第4四半期(10-12月)の米経済成長 率は改定値から上方修正された。

第4四半期の実質国内総生産(GDP)確定値は前期比0.4%増 と、改定値(0.1%増)から上方修正された。前日の米エネルギー省発 表によると、先週の石油需要は昨年12月以来で最大の伸び。ウェスト・ テキサス・インターミディエート(WTI)原油に対する北海ブレント 原油の上乗せ幅は昨年7月以来の幅に縮小した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は 「GDPは改定値から上方修正された。強い経済は原油にとって強気材 料だ」と指摘。「ブレントとのスプレッドは縮小を続けるだろう」と続 けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比65セント(0.67%)高の1バレル=97.23ドルで終了した。終値とし ては2月14日以来の高値。

原題:Oil Gains on U.S. Economic Growth, Capping Longest Rally of 2013(抜粋)

◎欧州株:上昇、独小売売上高が予想外の増加ー3四半期連続のプラス

28日の欧州株式相場は上昇。2月のドイツ小売売上高が予想に反 して増加したほか、キプロスの銀行がほぼ2週間ぶりに営業を再開し たことが手掛かり。指標のストックス欧州600指数は四半期ベースで 3四半期連続のプラスとなった。

オランダの飲料会社DEマスター・ブレンダーズ1753は昨年6月の 上場以来で最大の値上がり。ドイツの同業ヨー・A・ベンキーザーと身 売り交渉を行ったことを明らかにした。オランダのケーブルテレビ (CATV)事業会社ジゴは昨年10月以来の高値を付けた。米リバテ ィ・グローバルが12.7%の株式を取得した。

ストックス欧州600指数は前日比0.5%高の293.78で引けた。前週末 比では0.1%下げ、月初来の上昇率は1.3%。年初来では5%高となっ た。

クッツ(チューリヒ)のノーマン・ビラミン最高投資責任者 (CIO、欧州担当)は「イースターの休みを控えた市場参加者にとっ て、ドイツの小売売上高がプラス材料だった」と述べた上で、「だが、 欧州経済が2つのスピードで動いているとの見方を強調したに過ぎな い」と続けた。

ドイツ連邦統計庁が発表した2月の小売売上高指数は前月比0.4% 上昇。ブルームバーグ・ニュースが市場関係者24人を対象にまとめた調 査の中央値では0.6%低下と見込まれていた。1月は3.0%増(改定値) だった。

28日の西欧市場では、15カ国中12カ国で主要株価指数が上昇した。 ノルウェーとデンマーク、アイスランドは祝日のため休場だった。

原題:European Stocks Advance as German Retail Sales Unexpectedly Rise(抜粋)

◎欧州債:スペイン債上昇、キプロスで銀行営業再開-独債上げを消す

28日の欧州債市場ではイタリアとスペインの国債が上昇した。救 済を受け入れたキプロスで、ほぼ2週間ぶりに営業を再開した銀行から 資本流出の兆候が出ていないことが手掛かり。

ドイツ10年債利回りは約8カ月ぶり低水準から上昇。キプロスでの 動きに伴い、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が後退した。キ プロス財務省によれば、資本移動規制は7日間実施される。イタリアと スペイン、ポルトガルの国債は週間ベースでは下げた。キプロスに対す る金融支援の条件として、銀行の一部の債権者や預金者にも負担が強い られたことが背景にある。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、マイケル・ライスター氏(ロ ンドン在勤)は「銀行で取り付け騒ぎが起こっていないという点で、キ プロスは懸念されていたよりも秩序を保っているようだ」と発言。「今 週の相場動向から利益を確定する動きが多少ある。ドイツ国債の利回り はまだここ数カ月の低水準にとどまっていることから、かなり警戒心が 強い」とも述べた。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.06%。前週末比では21 bpの上昇。同国債(表面利率5.4%、2022年1月償還)価格はこの 日、0.13上げ102.565。

ドイツ10年債利回りは2bp上昇の1.29%。昨年8月3日以来の低 水準となる1.25%まで下げる場面もあった。

英国債相場は下落し、10年債は6営業日ぶりに反落した。ロンドン 時間午後4時50分現在、同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)利 回りは前日比4bp上昇の1.76%、価格は0.37下げ99.88となった。昨 年末以来では7bp低下した。

原題:Spanish Bonds Advance as Cypriot Banks Reopen; German Bunds Drop(抜粋) Gilts Decline for First Time in Six Days as Cyprus Concern Wanes (抜粋)

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