NY外為:ユーロは対ドルで反発-キプロス危機終息を楽観

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで反発。今週に入って最大の上げとなった。スペインとイタ リアの国債利回りが低下し、キプロスの銀行危機が封じ込められた可能 性を示唆したため、ユーロ買いが膨らんだ。

円も上昇。日銀の黒田東彦総裁がこれまでの金融緩和政策をあらた めて表明するにとどめたことから、新たな政策を打ち出すとの思惑が外 れて円買いが入った。キプロスでは政府が引き出し額に上限を設定した ことから取り付け騒ぎが起こることなく、銀行が営業を再開。これを材 料にユーロは対ドルで上昇した。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の マネジングディレクター、ブラッド・べクテル氏は「キプロスに関連し た安心感からユーロ買いが若干入ったのは間違いない。月末特有の取引 もかなり見られた。市場はユーロの小幅な売り持ちを続けることに抵抗 がない。ユーロの反発にはなお懐疑的だが、それに対する懸念を強めて いる」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.3%高 の1ユーロ=1.2816ドル。前日には昨年11月21日以来の安値とな る1.2751ドルまで下げた。円はこの日、対ドルで0.3%高の1ドル=94 円15銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=120円67銭。

キプロス

キプロス中央銀行が発表した資本移動規制は、1日に引き出せる預 金の上限を300ユーロ(約3万6000円)とするほか、キプロス国外の口 座への送金を制限している。銀行は28日正午に開店、午後6時に閉店し た。

イタリア10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の4.8%。スペイン10年債利回りは2bp低下の5.1%。

欧州連合(EU)の欧州委員会は28日声明を発表し、キプロスの資 本移動規制は目的に照らして妥当なものでなければならないとし、「可 能な限り速やか」に規制を解除することを呼び掛けた。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「ユーロは今週、か なり下落した。感染懸念はこれまでユーロの悪材料となっており、前日 のユーロはその懸念で下落した。この日はそれがない。状況が安定し、 この日のユーロ上昇につながったのだろう」と述べた。

独連邦雇用庁(FLO)が28日発表した3月の雇用統計によると、 失業者数は季節調整済みで前月比1万3000人増の294万人。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト24人の予想中央値は2000人減だ った。

「ユーロへの圧力続く」

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)はブルームバーグ・ラジオとのインタビューで、ユ ーロがほぼ3年ぶりの水準に下落する可能性があると指摘。「不透明感 が続いており、市場で蓄積されている。ユーロは短期的に圧力を受け続 けるだろう」と話した。さらに「来年から再来年にかけても圧力は続き そうだ」と指摘した。

日銀の黒田総裁は28日午前、参院財政金融委員会で、国債購入につ いて残存期間がより長期のものも含めバランスの取れた買い入れが必要 だと指摘。購入対象としてリスク資産も検討課題になると述べた。

セント・ジョージ銀行のエコノミスト、ジャヌ・チャン氏(シドニ ー在勤)は「黒田総裁は積極的な金融緩和とデフレ脱却について明確に 発言してきた。行動が予想通りなら、反応は恐らく限定的になるだろ う。円は下げるよりも上げるリスクの方が高い」と語った。

原題:Euro Rallies Most in Week as Cyprus-Led Contagion Concern Fades(抜粋)

--取材協力:Kristine Aquino、Kevin Buckland、Emma Charlton.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE