米国債:週間ベースで3週連続高、欧州への懸念で質への逃避

28日の米国債は週間ベースで上昇。 昨年11月以来で最長となる3週連続高となった。キプロスではこの日2 週間ぶりに銀行が営業を再開したが、欧州は債務危機の収束にまだ苦慮 すると懸念されている。

10年債利回りはほぼ変わらず。朝方発表された昨年第4四半期(10 -12月)の実質国内総生産(GDP)確定値は改定値から上方修正され た。一方、新規失業保険申請件数は前週から増加した。米財務省が実施 した7年債入札(発行額290億ドル)では応札倍率が過去平均を下回っ た。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「欧州危機はまだ和らいでいな い。いつかの時点で利回りが低下し始めるだろう」と述べ、「欧州でま た何か起こるのは時間の問題だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時現在、10年債利回りは週間で6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.85%。10年債(表面利率2%、2023年2月償還)価 格は18/32上げて101 11/32。既発7年債利回りは週間で7bp下げ で1.21%。この日は一時1.18%と、1月2日以来の低水準だった。

米国債は短縮取引

この日の米国債市場は米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告 に基づき、午後2時までの短縮取引だった。29日はグッドフライデー (聖金曜日)のため休場となる。

米国みずほ証券のチーフエコノミスト、スティーブン・リチュート 氏(ニューヨーク在勤)は、「キプロスがこのまま落ち着けば利回りは 最大でも1.90%当たりで推移するだろう」と述べ、「景気は急速に変化 しそうにない。絶えず違う向かい風が吹いている」と続けた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債リターンは今月に入って前日までに0.2%。年初来では0.2% のマイナスとなっている。昨年は2.2%のプラスだった。

米国債は前日に年初来で最も割高な水準だったが、この日は前日よ りは割安となった。金利や成長、インフレ見通しに基づくタームプレミ アム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、10年債のタームプレミアム はマイナス0.73%。前日はマイナス0.78%だった。マイナスのタームプ レミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れて いることを意味する。

7年債の入札結果

7年債入札での最高落札利回りは1.248%。入札直前の市場予想 は1.243%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.56倍 と、2009年来の最低だった昨年10月と一致した。過去10回の平均は2.68 倍となっている。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率 は35.5%。過去10回の入札の平均は39.3%。プライマリーディーラー (政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札比率は 19.5%、 過去10回の平均16.3%を上回った。

ニューヨーク連銀は2017年3月-11月に償還を迎える47億6000万ド ル相当の米国債を購入した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は米国 債と住宅ローン担保証券(MBS)を月850億ドル購入する方針を示し ている。

商務省が発表した第4四半期の実質GDP(季節調整済み、年率) 確定値は前期比0.4%増と、改定値(0.1%増)から上方修正された。第 3四半期は3.1%増だった。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比1万6000件増の35万7000件。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は34万件への増加だった。

原題:Treasuries Gain for Third Week as Europe Concern Spurs Haven Bid(抜粋)

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