「銀の木曜日」で破産のハント氏、億万長者に返り咲き

米テキサス州出身のウィリアム・ハ ーバート・ハント氏はかつて、世界屈指の資産家だった。1970年代には 兄のネルソン・バンカー・ハント氏と共に、米国の市場の60%に相当す る1億9500万オンスを超える銀を買い占めた。80年の初めまでに、兄弟 が保有する銀の価値は90億ドル(現在のレートで約8500億円)以上に達 した。

銀相場は80年3月、数週間のうちに80%下落し、ハント兄弟が保有 していたポジションの価値は暴落した。33年前のこの日を、トレーダー らは「シルバー・サーズデー(銀の木曜日)」と呼ぶ。銀相場の暴落は ウォール街を揺るがし、兄弟は破産に追い込まれた。

そのハント氏が、石油資産の売却によって億万長者に返り咲いた。 同氏は昨年10月、保有する非上場企業ペトロ・ハントがノースダコタ州 で保有していた石油資産の43%を14億5000万ドルでハルコン・リソーシ ズ(ヒューストン)に売却。ブルームバーグ・ビリオネア指数による と、現金と株式によるこの売却でハント氏はハルコンの筆頭株主とな り、保有資産は42億ドルに膨らんだ。

ハント氏(84)はダラス本社からの電話インタビューで「数字は公 表されている通りだ。当社は家族経営の非上場企業であり、上場には興 味がない」と語る。

ハント氏は過去25年間、国際的な長者番付に入ったことはない。石 油は引き続き米景気を活気づけると同氏はみている。

「米国人は気付いていないが、石油業界は米国の人々に最高の贈り 物をしている。それは、低価格のエネルギーだ。重要なのは、これによ って米国の製造業の競争力が非常に高まり、世界経済における米国の競 争力も非常に高まっているという点だ」と指摘する。

ペトロ・ハントを子供たちと共に運営するハント氏は、今では銀取 引を手掛けることはない。「最も重点的に取り組んでいるのは石油事業 であり、バッケン鉱床(ノースダコタ州)が中心だ」と述べた。

原題:Hunt Becomes Billionaire on Bakken Oil After Silver Bankruptcy(抜粋)

--取材協力:Alex Cuadros.

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