キプロスに小事が危機招く大恐慌教訓-銀行休業で取り付け

フランクリン・ルーズベルト米大統 領(当時)は大恐慌に見舞われた1933年3月、全米でバンクホリデー (銀行休業)を宣言した。この出来事は、キプロス銀行危機に直面す る2013年のユーロ圏にとって教訓となるかもしれない。

野村ホールディングスのエコノミストやストラテジストらは、大恐 慌の経験に注目し、ささいな事から重大な危機が発生する可能性を指摘 する。ミシガンという一つの州で実施された33年バレンタインデーのバ ンクホリデーが、全米に広がる取り付け騒ぎの引き金となったことが多 くの報告で示されている。キプロスについても、1カ所で何が起きても 全体の信頼感を崩壊させずに維持する政策担当者の能力が重要だ。

野村のエコノミストらは「キプロスがシステミックでないとユーロ 圏の政策担当者は考えているようだが、預金者が巻き添えとなる場合、 それは全く逆だということを歴史が示している」と主張する。

ノムラ・インターナショナルの欧州担当チーフエコノミスト、ジャ ック・カイユ氏やディミトリス・ドラコプロス氏らは、100億ユーロ (約1兆2000億円)規模のキプロス支援策の合意を受けて執筆した25日 付のリポートで、80年前の大恐慌との類似点を列挙している。16日から 休業していたキプロスの銀行は28日に営業を再開するが、厳しい資本規 制が課されることになる。

全ての銀行預金を政策担当者が保証するという期待に訴えるため、 緊急通貨の発行権限を連邦準備制度に与えた米国の経験は、有益な教訓 となる。リポートは、ユーロ圏でこれを行うとすれば、欧州中央銀行 (ECB)が預金流出に見合う貨幣を供給するということになるだろう が、適格担保ルールを考えると「非常に厳しい」との見方を示す。

旧ソ連とも類似

一方、CLSAのストラテジスト、ラッセル・ネーピア氏は別のリ ポートで、キプロスとよく似た過去の例として、旧ソ連と米大陸の旧植 民地で「制度維持に欠かせない政治的権利の放棄」を人々が最終的に拒 否したケースに言及している。

ネーピア氏は「歴史の書物が書かれる場合、キプロスに欧州が強い た今回の差し押さえは、単一通貨を維持するために必要な社会・政治的 犠牲の大きさをユーロシステムの市民が意識した転換点と見なされるだ ろう」と分析している。

原題:Cyprus Crisis Solved in Great Depression Laws: Cutting Research(抜粋)

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