黒田日銀総裁:実現されるまで金融緩和を続ける-2%の物価目標

日本銀行の黒田東彦総裁は28日午 前、参院財政金融委員会で「通貨及び金融の調節に関する報告書(半期 報告)」の概要説明を行い、その質疑の中で、2%の物価安定目標につ いて、「それが実現されるまで金融緩和を続ける」と表明した。

日銀は1月の金融政策決定会合で、2%の物価安定目標の実現を目 指し、「実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れなどの措置を、そ れぞれ必要と判断される時点まで継続する」ことを決定した。これに対 し、宮尾龍蔵審議委員は同会合以来3回連続で、実質的なゼロ金利政策 を「消費者物価指数の前年比2%が見通せるようになるまで継続する」 との議案を提出したが、1対8の反対多数で否決され続けている。

質疑では、民主党の金子洋一氏が、白川方明前総裁は2014年以降は 金融政策を裁量的に運営すると述べたことについて、金融緩和の効果が なくなってしまうのではないか、と質問。これに対し、黒田総裁は 「2%の物価安定目標を政策委員会で決めたわけなので、当然、それが 実現されるまで金融緩和を続けるということに尽きる」と語った。

黒田総裁はさらに、「何よりも、この2%の物価安定目標を達成す るというコミットメントを強く意識しながら、必要なことは何でもやる という対応で行きたい」と表明。「市場の期待を裏切らないように、実 際にも大胆な金融緩和を行っていく」ことが不可欠と述べた。

外債は否定しないが今は考えず

具体的には、国債購入について残存期間がより長期のものも含めバ ランスの取れた買い入れが必要だと指摘。購入対象としてリスク資産も 検討課題になると述べた。外債購入については「金融緩和の手段とし て、それを採らないと金融緩和ができないという状況の下で、そういう 判断が出てくる可能性は否定しないが、今の時点では、金融緩和の手段 はたくさんあるので、そういったことを考えてはいない」と語った。

また、「日銀の長い経験の中から、量的緩和の効果があることは分 かるが、負債側のマネタリーベースだけではなく、資産側の、具体的に 購入する資産を多様化する、あるいはより長期のイールドカーブ(利回 り曲線)を下げる、あるいはリスクプレミアム(上乗せ金利)を下げる ということが、量的緩和の効果をより大きくするゆえんであると思って いる」と述べた。

日本の財政については「現在の政府債務残高の対GDP比率 が200%を超えるという異常な状態は持続不能だ」と言明。「デフレが 継続しており、経済もしっかり回復していないので、短期的に財政政策 を活用することは適切だが、中長期的には持続はできない」と語った。

財政構造改革ないと金融政策にも影響

その上で「これまでのところ長期金利は安定しており、財政運営に 対する市場の信認は何とか維持されているように思うが、財政への信認 がしっかり確保されていることは極めて大事だ」と指摘。政府に対し 「財政構造改革を強く期待するだけでなく、それがないと、財政や国債 に対する信認が失われて市場の安定が損なわれ、金利が高騰し、金融政 策だけでなく経済政策全般に非常に良くない影響を受ける」と述べた。

また「日銀として財政ファイナンス(穴埋め)になるようなことを やるつもりはない」と表明。一方で、緩和政策からの「出口戦略」に関 しては「議論するのは時期尚早」と述べた。

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