ドル・円が一時94円割れ、期末決算や欧州不安を背景に円買い

東京外国為替市場では、円がドルに 対して一時1ドル=94円割れの水準まで上昇した。期末決算に絡むドル 売り・円買いといった需給面のほか、欧州の金融システムや景気状況に 対する不安感を背景に、円買いが優勢となった。

この日の円相場は取引が進むにつれてじり高となる展開。ドル・円 は93円98銭と2営業日ぶりの水準まで円高が進む場面があった。午後3 時43分現在は94円17銭前後で推移している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作シニア為替・債券 ストラテジストは、「足元は3月決算期末を前に積極的な売買が控えら れる中で、決算対策で外貨を売って円に戻す話が出やすい」と指摘。本 来のドル高・円安トレンドとは別に、期末でドル売り・円買いの需給面 の影響が出やすいだろうと話していた。

一方、ユーロ・ドル相場は前日の海外市場に引き続き昨年11月以来 となる1ユーロ=1.28ドルを割り込んでの展開。同時刻現在は1.2798ド ル前後だった。また、ユーロ・円相場は1ユーロ=120円54銭近辺で推 移した。

先月の選挙以来、まだ政権を樹立できていないイタリアの国債入札 では需要が減少した上、キプロスが28日に銀行の営業を再開する際に適 用する資本規制を発表したため、欧州の他の地域諸国に対する影響を不 安視する声が出ている。

三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳 谷政人グループ長(ニューヨーク在勤)は、「キプロスの話自体はいっ たん決着を見たと思うが、一方で前例を見ない形で預金者への負担を強 いることになったので、将来にわたってスペインやイタリアなどで、ま たこういうケースが起こるのではないかというような不安がマーケット に残ったのは事実」と指摘していた。

ユーロは対ドルで200日移動平均下回る

チャートの観点からは、ユーロ・ドルが1.27ドル台と、長期的な相 場動向を示す200日移動平均線(1.2884ドル)を2日連続で下回って推 移。また、ユーロ・円は120円14銭から120円74銭前後と、中期的な動向 を示す75日線(120円22銭)に支えられるどうかの瀬戸際にある。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、「昨日ユーロが下げたの で、円に買いが入っている。キプロスの銀行業務の再開を控えて、イタ リアの国債入札も良くなかったため、リスクオフの動きで、ドルと円が 買われている」と指摘した。一方、ドル・円の動きについては「昨日に 上げた分、下押し圧力があるほか、海外市場でイースター祝日を前にポ ジション調整の動きから、ドルを買う動きが止まりつつある」と話し た。

欧州連合(EU)の欧州委員会が27日発表した3月のユーロ圏景況 感指数(速報値)は90.0と、先月の91.1を下回った。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト30人の予想中央値は90.5だった。

ラインハルト・クルース氏などUBSのエコノミストは統計発表前 のリポートで、「ユーロ圏の経済活動は第1、第2四半期に横ばいで推 移し、成長は2013年後半に緩やかなプラスに転じた後、14年に一段と顕 著になるとみている」と記し、「13年は引き続き内需が成長の足かせと なる公算が大きく、プラス要因は純輸出のみとなるだろう」と解説し た。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 山中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE