日本株反落、欧州懸念し海運や資源、輸出売り-中国安も響く

東京株式相場は反落。キプロス情勢 や混迷するイタリア政局、経済統計の低調から欧州の先行き懸念が広が った。中国株の下落も嫌気され、海運株のほか、石油や商社など資源関 連、輸送用機器など輸出関連株といった景気敏感業種が売られた。

TOPIXの終値は前日比9.69ポイント(0.9%)安の1036.78、日 経平均株価は157円83銭(1.3%)安の1万2335円96銭。日経平均は午前 後半から午後半ばにかけ一段安となる場面があり、一時下げ幅は200円 を超え、18日以来の1万2200円台に沈んだ。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「欧州が 不安定なことや、それを受けたユーロ安・円高の進行が重し」とした上 で、中国株下落も「中国関連とされる海運、商社株に悪影響を与えたか もしれない」と話した。期末接近で個人以外の投資家による持ち高調整 といった「相場観に関係しない売りも、需給面でマイナス」と言う。

金融システム崩壊の危機に直面していたキプロスで28日、銀行がほ ぼ2週間ぶりに営業を再開する。ただ、午後6時間の営業で、資本規制 により取引は制限される。イタリアでは、総選挙後の政局混迷が深まっ ており、グリッロ氏率いる「五つ星運動」が政権樹立を目指すベルサニ 民主党党首を拒否。ベルサニ氏が上院の信任投票で過半数を得る道筋は 見えなくなり、政権成立のめどが立たず、イタリア国債利回りは27日の 取引で急上昇した。

また、欧州委員会が27日に発表した3月のユーロ圏景況感指数 (速報値)は90.0と先月の91.1を下回り、域内経済が1-3月(第1四 半期)に入っても景気後退下にある兆候が強まった。エコノミスト30人 の予想中央値は90.5だった。

為替チャートの暗雲

為替市場ではユーロ圏資産の需要が弱まり、日本時間28日は1ユー ロ=120円14銭まで円が上昇、前日の東京株式市場終了時の121円71銭か ら円高・ユーロ安水準に振れた。水戸証券の須田恭通投資情報部長は、 欧州情勢の不安定で楽観が後退する中、「投資家のリスクオンはいった ん止まり、景気敏感株には手を出しづらい」と指摘する。また為替面で は、ユーロ・円が75日移動平均線を一時下回り、ドル・円も25日移動平 均線を割り込むなど、「チャート的には円高傾向が続くリスクも出てき た」としている。

アジア株式市場では、金融規制強化観測の広がりや一部報道で中・ 西部の省の不動産抑制策発表の可能性が伝えられた中国で、上海総合指 数が2%を超す下げとなったことも市場参加者心理が悪化した一因。中 国株以外でも香港ハンセン指数、台湾加権指数など主要指数が軒並み軟 調だった。

東証1部33業種は海運、石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼、卸売、非鉄 金属、精密機器、証券・商品先物取引、輸送用機器など30業種が下落。 輸送用機器や精密など輸出関連は、為替の円高もマイナスとなった。

売買代金上位ではソニー、みずほフィナンシャルグループ、トヨタ 自動車、野村ホールディングス、ファナック、キヤノン、三井物産、川 崎汽船、三菱地所が下落。材料銘柄では、プラグインハイブリッド車に 搭載するリチウムイオン電池での発熱・溶損事故があった三菱自動車が 売られ、子会社が同電池を製造するジーエス・ユアサコーポレーション は急落した。前日に東証1部に新規上場したタマホームも安い。

半面、電気・ガス、小売、保険の3業種が上昇。個別では、ソフト バンクが4日続伸し、クレディ・スイス証券が目標株価を上げた三菱重 工業が上昇。KDDI、東京電力も買われ、イオンに子会社化されるダ イエーは3日ぶりに急反発した。

東証1部の売買高は概算で29億8319万株、売買代金は2兆1804億 円。騰落銘柄数は下落1099、上昇538。

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