債券、長期や超長期ゾーンが上昇-日銀緩和強化を先取りとの見方

債券市場では長期や超長期債相場が 上昇した。市場では、日本銀行による金融緩和強化を先取りする格好で 買いが入ったとの見方が出ていた。長期金利と新発20年債利回りはとも に10年ぶり低水準を付けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.51%で始まり、2003年6 月18日以来の低水準を記録。その後も同水準で推移した。20年物の143 回債利回りは午後に入って水準を切り下げ、一時は3.5bp低い1.40% と、03年7月18日以来の低水準を付けた。30年物の38回債利回り は2.5bp低い1.555%まで低下した。

クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長は、決算期末で流動 性が低いため、ちょっとした売買で利回りが低下しやすいと指摘。「来 週の日銀金融政策決定会合を固唾(かたず)を飲んで見守っている状況 で、超長期債は日銀の買い入れ拡大を先取りしている面が大きいため、 利回りが下がり過ぎている感じもある」とも話した。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比8銭高の145円96銭で 始まり、直後に145円98銭に上昇して、過去最高値を更新。その後は高 値警戒感から上値が重くなり、結局は2銭安の145円86銭で引けた。

4月3、4日には黒田東彦新総裁による最初の日銀金融政策決定会 合が開催される。岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、次回 会合について、「資産買い入れ等基金のオペ増額や買い入れる国債の年 限延長を決めるとみられるが、日銀券ルール撤廃などは議論を詰める必 要がありそうだ」と指摘した。

黒田総裁は28日午前、参院財政金融委員会で、2%の物価安定目標 について「それが実現されるまで金融緩和を続ける」と表明。その後の 質疑では、より長期のイールドカーブを下げることなどが「量的緩和の 効果をより大きくすると思っている」などと述べた。

2年債入札、最低価格は予想通り

財務省がこの日実施した2年利付国債(327回債)の入札結果によ ると、最低落札価格は100円07銭と事前予想と一致。小さければ好調と されるテール(最低と平均落札価格の差)は8厘と前回の5厘から拡大 した。投資家の需要の強さを示す応札倍率は5.48倍と、前回の5.14倍か ら上昇した。

日本相互証券によると、きょう入札された2年物の327回債利回り は、業者間取引では0.055%で始まり、午後5時現在では0.06%と、平 均落札利回り0.06%付近で推移している。

みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、2年債入札に ついて、日銀オペなどと同様の扱いだとし、「リスクイベントとはなら ない」と指摘した。債券相場については、「次回の日銀会合での最初の 一手をみるまでは、金利低下方向の議論しかできない展開」と話した。

朝方は海外市場でリスク回避の動きとなった地合いを引き継いで買 いが先行した。27日の米国債相場は上昇。米10年国債利回りは前日比 6bp低下の1.85%。イタリア政局のこう着状態やキプロス救済策の影響 が欧州債務危機を深刻化させるとの観測が背景にある。一方、米株相場 は下落。S&P500種株価指数は同0.1%安の1562.85。

--取材協力:池田祐美、赤間信行 Editors: 青木 勝, 山中英典

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