3月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、1.28ドル割れ-イタリア政局とキプロス懸念

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落。約4カ月ぶ りに1ユーロ=1.28ドルを割り込んだ。キプロス救済とイタリア政局の 混迷を受け、ユーロ圏資産の需要が弱まった。

ユーロは主要16通貨全てに対して下落した。イタリア国債入札では 需要が減少。同国の政党は先月の選挙以来、まだ政権を樹立できないで いる。キプロスは28日に銀行の営業を再開する際に適用する資本規制を 発表した。ドル指数は昨年8月以来の高水準を付け、逃避需要から円も 上昇した。

みずほフィナンシャル・グループの法人外国為替セールスバイスプ レジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「キプ ロスの銀行は28日に営業を再開する。どのようになるのか不透明だ」と 指摘した上で、「これまで克服してきた状況を考えると、これでユーロ 圏が崩れるというような考えは基本的に全くないと思う」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.6%安 の1ユーロ=1.2780ドル。一時は昨年11月21日以来の安値を付けた。対 円では0.6%下げて1ユーロ=120円71銭。円は対ドルでほぼ変わらずの 1ドル=94円46銭。

イタリア入札

39億1000万ユーロのイタリア5年債の平均落札利回りは3.65%と、 昨年10月30日の入札以来の高水準。イタリア政府は30億ユーロ相当の10 年債も発行した。5年債の応札倍率は1.22倍、10年債は1.33倍となり、 前月のそれぞれ1.61倍と1.65倍から低下した。

3月のユーロ圏景況感指数が低下したこともユーロの悪材料。欧州 連合(EU)の欧州委員会が27日発表した3月のユーロ圏景況感指数 (速報値)は90.0と、先月の91.1を下回った。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト30人の予想中央値は90.5だった。

RBCグローバル・アセット・マネジメントのチーフエコノミス ト、エリック・ラッセルズ氏は「イタリアに関するやや悲観的な見方は 明らかにユーロ安の一因となっており、キプロスの影響が続いているこ とも明白だ。今後数日で壊滅的な打撃を受けるというものではないが、 欧州は従来考えられていたよりもかなりリスクがあるということだ。そ のため、欧州への投資はこれまで考えられていたよりもリスクが高い」 と述べた。

ドル上昇

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.4%上げて83.207。昨年8月3日以来の水準に上昇した。第 1四半期全体では4.4%上昇している。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の世界為替戦略 責任者、マーク・チャンドラー氏は「ドルは引き続き堅調だ。欧州の情 勢が投資家の主な懸念材料だ」と話した。

原題:Euro Weakens Below $1.28 on Deadlocked Italy, Cyprus Concern(抜粋)

◎米国株:反落、欧州危機の悪化懸念や中古住宅販売成約指数の低下で

米株式相場は反落。欧州債務危機の悪化懸念や2月の米中古住宅販 売成約指数の低下が嫌気された。S&P500種株価指数は前日、過去最 高値に近づいていた。

JPモルガン・チェースやシティグループなど銀行株が安い。クリ フス・ナチュラル・リソーシズは大幅安。モルガン・スタンレーによる 投資判断引き下げが響いた。アップルも下落。パシフィック・クレスト が売上高について、予想に届かないとの見方を示した。AOLは大幅 高。バークレイズが投資判断を引き上げた。

S&P500種株価指数は0.1%安の1562.85。一時0.8%安となった。 ダウ工業株30種平均は33.49ドル(0.2%)下げて14526.16ドル。

ノースコースト・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 フランク・インガーラ氏は電話取材で、「商いの薄い日は、何でもない ことでも相場が多少振り回されることがある」とし、「相場には依然と して上昇の勢いがある」と続けた。

S&P500種株価指数は14日以降、1560を7回上抜けている。ダウ 平均は前日、過去最高値を更新した。

S&P500種は2009年の底値の2倍を上回り、米株式の強気相場は 今月、5年目に突入した。米金融当局の量的緩和策を背景に株価が上昇 した。同指数は年初来で9.6%、3月に入ってからは3.2%上げている。

欧州情勢

国際金融協会(IIF)は27日、キプロス支援パッケージでの合意 を受け、ポルトガルとスペイン、イタリアの銀行は資金調達圧力にさら される可能性があると指摘した。

ヌビーン・アセット・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、 ロバート・ドール氏は「欧州の基盤が崩れるとは考えていないが、『キ プロスなどどうでもいい』と言えるほど単純でもない」とし、「欧州は 何年もかけてこのような厄介な事態に陥った。抜け出すのにも何年もか かるだろう」と述べた。

同氏は、景気改善が米国株の強気相場の原動力となっているもの の、S&P500種は09年3月以降130%上げていることから、上昇の勢い は鈍化する可能性があると分析。「一服してもおかしくない状況だ。た だ大きく下落するという意味ではない」と述べた。

全米不動産業者協会(NAR)が27日発表した2月の中古住宅販売 成約指数(季節調整後)は前月比0.4%低下した。前月は3.8%上昇(速 報値4.5%上昇)に下方修正された。

クリフス・ナチュラルが安い

KBW銀行指数は0.6%低下。構成する24銘柄中18銘柄が下げた。 JPモルガンは1.8%安の47.77ドル。シティグループは0.8%下落 し44.46ドル。

鉄鉱石生産で米最大手のクリフス・ナチュラルは14%安の18.46ド ルと、S&P500種で値下がり率トップ。モルガン・スタンレーは同社 の投資判断を「イコールウエート」から「アンダーウエート」に引き下 げた。

アップルは2%安の452.08ドル。パシフィック・クレストのアナリ スト、アンディ・ハーグリーブズ氏は、アップルの第2、第3四半期の 売上高が予想に届かない可能性があると指摘した。

オンラインメディアのハフィントン・ポストやハイテク専門ブログ のテッククランチを傘下に持つAOLは8.4%高の39.20ドル。バークレ イズが投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引 き上げた。

原題:U.S. Stocks Fall on Europe Concern, Drop in Pending Home Sales(抜粋)

◎米国債:上昇、質への逃避-イタリアやキプロスなど欧州の混乱で

27日の米国債市場では10年債利回りが3週間ぶりの水準に低下し た。イタリア政局のこう着状態やキプロス救済策の影響が欧州債務危機 を深刻化させるとの観測が背景にある。

午後に入って5年債入札(350億ドル)が実施されたが、既発5年 債利回りはほぼ年初来の水準に下げた。米財務省は今週、計990億ドル の入札を実施する。全米不動産業者協会(NAR)が発表した2月の中 古住宅販売成約指数(季節調整後)は前月から低下。米金融当局は事実 上のゼロ金利政策を維持するとの見方が強まった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「米国債の買いを集めているのは 欧州をめぐる懸念だ」と述べ、「主に欧州に起因する典型的な質への逃 避だ。990億ドルの入札があるにもかかわらず、米国債相場は堅調な展 開が続いている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.85%。一時は1.83%と、3月4日以来で最低だっ た。10年債(表面利率2%、2023年2月償還)価格は18/32上昇の101 3/8。既発5年債利回りは4bp下げて0.73%。一時は1月2日以来で 最低の0.72%をつけた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債のリターンは年初から0.4%のマイナスとなっている。

タームプレミアム

米国債は年初来で最も割高な水準にある。連邦準備制度理事会 (FRB)のエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプレミ アム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、10年債のタームプレミアム はマイナス0.78%。3月11日はマイナス0.56%だった。マイナスのター ムプレミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入 れていることを意味する。

5年債入札での最高落札利回りは0.760%。入札直前の市場予想 は0.766%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.73倍、過 去10回の平均は2.84倍。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率 は46.1%。過去10回の入札の平均は40.4%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の落札比率は16.8%と、過去10回の平均は13.7%となっている。

米財務省は28日には7年債(290億ドル)の入札を実施する。

キプロス懸念

欧州連合(EU)主導のキプロス救済策が先例となり、今後も救済 が続く恐れがあるとの懸念を背景に域内の不安定さが増すとの見方か ら、朝方に米国債は上昇した。

キプロスの銀行は28日に日中6時間だけ営業を再開する。ただ資本 規制が施行され、取引は制限される。

イタリアではベッペ・グリッロ氏率いる「五つ星運動」が、政権樹 立を目指すベルサニ民主党党首への協力を拒否した。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「イタリアは政 権樹立に苦慮している」と述べ、「これが安定性を求めた米国債買いを 後押ししている」と続けた。

投資家による月末のポートフォリオ組み換えも買いを支えた。バー クレイズが発表したリポートによると、米国債指数のデュレーション (平均残存期間)は4月1日に0.1年拡大する。3月1日は0.11年拡大 した。

NARによると2月の中古住宅販売成約指数(季節調整後)は前月 比0.4%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想 中央値は0.3%低下だった。前月は3.8%上昇(速報値4.5%上昇)に下 方修正された。この統計を手掛かりに米国債は上昇した。

原題:Treasuries Climb as Investors Seek Safety Amid Turmoil in Europe(抜粋)

◎NY金:4日ぶり上昇、緩和策継続の観測-住宅販売成約指数が低下

ニューヨーク金先物相場は4営業日ぶりに上昇。米住宅市場の回復 に陰りが見られる中、金融当局が緩和策を継続するとの観測が強まっ た。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は前日、景気浮揚に向け「緩和的 な」金融政策を呼び掛けた。全米不動産業者協会(NAR)がこの日発 表した2月の中古住宅販売成約指数(季節調整後)は前月比0.4%低下 した。金は四半期ベースでは2期連続の下落となる見通し。米経済の改 善に伴い当局が緩和措置を縮小するとの見方がその一因。

T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポート セントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「住 宅販売の指標とダドリー総裁の発言が支えになった」と指摘。「相場は ここ最近大きく下げていたため、割安感から買いが入っている可能性も ある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.6%高の1オンス=1607.20ドルで終了。

原題:Gold Rises on U.S. Stimulus Speculation, Pending Home-Sales Drop(抜粋)

◎NY原油:続伸、5週間ぶり高値-製油所の稼働率上昇で

ニューヨーク原油先物相場は続伸し、5週間ぶりの高値となった。 米製油所の稼働率が上昇したことを受け、原油需要が拡大するとの見 方につながった。

米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、22日終了週の製油 所の稼働率は85.7%と、前週から2.2ポイント上昇し、2カ月ぶりの高 水準となった。一方、原油在庫は326万バレル増加の3億8590万バレル で、9カ月ぶりの高い水準。ヒーティングオイル(暖房油)やディーゼ ル油を含む留出油の在庫は451万バレル減少の1億1530万バレル。

エネルギーヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨー ク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話インタビューで、「今回 の統計では原油在庫が大幅に増加したが、差し引きで見ると相場にとっ てはプラスだ」と指摘。「製油所活動が大きく上向いたのは今後数週間 に原油需要が拡大することを示唆している。留出油在庫の減少幅が非常 に大きく、需給ひっ迫の懸念が強まる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比24セント(0.25%)高の1バレル=96.58ドルで終了。終値では先 月19日以来の高値となった。

原題:WTI Oil Rises to Five-Week High as Refineries Bolster Operations(抜粋)

◎欧州株:3週ぶり安値、銀行株に売り-イタリア政局混迷を懸念

27日の欧州株式相場は3週間ぶり安値を付けた。銀行株が売りを浴 びた。イタリアのベルサニ民主党党首が大連立の可能性を否定したこと が手掛かり。

国債利回りの急上昇に伴い、イタリアの銀行モンテ・デイ・パス キ・ディ・シエナとバンコ・ポポラーレが大幅安となった。デンマーク の電話会社TDCは1.6%下落。同社を保有するプライベートエクイテ ィ(PE、未公開株)投資会社がTDCの株式6.8%を追加売却したこ とが売り材料。フランスの航空エンジンメーカー、サフランは1.5%下 げた。仏政府が保有株1300万株を放出したことが嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.5%安の292.44で終了。一時 は0.4%上げた。

UBSのアクセル・ウェーバー会長(前ドイツ連銀総裁)はブルー ムバーグテレビジョンに対し、「特に欧州売りのポジションを取っては いないが、現時点で成長が期待できる材料は見当たらない」と述べ、 「構造問題が未解決だ。株式市場にはなお上昇の余地があると考える。 特に米国はそうだ」と付け加えた。

27日の西欧市場では18カ国全てで主要株価指数が下落。仏CAC40 指数は1%、ドイツのDAX指数は1.2%それぞれ下げた。英 FTSE100指数は0.2%下落。

原題:European Stocks Drop as Italian Yields Surge; TDC, Safran Fall(抜粋)

◎欧州債:イタリア債下落、独債との利回り差拡大-政局と入札で

27日の欧州債市場ではイタリア国債が大きく下げ、イタリア 10年債のドイツ10年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が 年初来で最大となった。大連立を成立させるめどが立たなくなった との民主党のベルサニ党首の発言を受け、政局混迷を打破できない 見通しとなった。

イタリア5年債利回りは1カ月ぶり大幅上昇。財務省が実施し た69億1000万ユーロ相当の国債入札では応札倍率が前回入札を 下回った。周辺国債が敬遠され、スペインとギリシャの国債も安い。 イタリアのベッペ・グリッロ氏率いる「五つ星運動」はベルサニ氏 との協議後、政権樹立を目指す同氏に協力しない姿勢を示した。ド イツ10年債利回りは3カ月ぶり低水準を付けた。

シティグループの債券ストラテジスト、ジェイミー・サール氏 (ロンドン在勤)は、「政局混迷に入札結果が重なり、イタリア国 債に圧力を加えている」と指摘。「入札はそれほど良くなかった。 それはイタリア国債が供給後も軟調に推移することを意味する。不 透明感に対する一段と明確な解決策が見つかるまで、国債利回りは 4-6月(第2四半期)に入っても上昇圧力に直面する公算が大き い」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年物利回りは前日比 21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.78%。 昨年末は4.50%だった。同国債(表面利率5.5%、2022年11 月償還)価格はこの日、1.625下げ105.92。

同年限のドイツ国債に対するスプレッドは一時29bp拡大し 351bpと、昨年12月11日以降で最大となった。

イタリアの国債入札で10年債の応札倍率は1.33倍。これは 先月27日の前回入札時の1.65倍を下回る水準。新発5年債の応 札倍率は1.22倍と、前回入札時の1.61倍から低下した。

安全を求める動きから、ドイツ国債を中心に中核国の国債が買 われた。10年債利回りは7bp低下の1.27%と、昨年12月10 日以来の低水準を付けた。2年債利回りは3bp下げマイナス

0.02%。

英国債相場は上昇し、10年債の上げは5営業日となった。利回 りは7bp下げて1.72%。これは昨年11月16日以来の低水準。 同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.58上げ

100.25。

原題:Italian Bonds Yield Most Over Bunds This Year on Senate Deadlock(抜粋) Pound Rises to Two-Month High Against Euro on Cyprus, Italy Woes(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE