中国:生産拠点としての優位性に陰り-内陸部工場で賃上げ圧力

米アップルのスマートフォン(多機 能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」を受託生産する中国 内陸部の富士康科技集団(フォックスコン)の工場で働くワン・ケさん は、工場近くの道路脇に立ちながら賃金が倍にならなければ会社を辞め る考えを口にした。

ワンさん(22)は「高望みはしていない。出稼ぎ労働者であるとい うことも承知しているが、手取りで月3500元(5万3000円)は欲しい」 と語った。昨年12月の給与は住居費を引かれた後で1600元だった。

中国ではこの5年間に若年労働力人口が約3300万人縮小した一方、 産業界の雇用は3000万人増加。労働市場の全国的な逼迫(ひっぱく)が ワンさんのような考えを生んでいる。結果として生じている賃金上昇圧 力は、フォックスコンがトウモロコシとピーナツ畑が広がる河南省鄭州 市の土地に2010年に建設した工場で、国内の産業ブームをけん引した深 圳の工場と同じ基本給を支払うことを意味する。

みずほセキュリティーズアジアのチーフエコノミスト、沈建光氏 (香港在勤)は「低コストの製造業という中国の優位性は想定よりもか なり早い時期に失われるだろう。私は5年以内だと思う」と述べ、「賃 金の上昇ペースは沿海部よりも内陸部の方が速い。ベトナムやインドネ シア、フィリピンなどに拠点を移すことを検討する企業が増えるだろ う」と語った。

クレディ・スイス・グループの日本を除くアジア経済担当責任者、 陶冬氏(香港在勤)は「世界的なディスインフレのアンカーとして中国 の時代は終わった」と指摘。「世界の需要が上向けば、インフレの到来 時期は比較的早いかもしれない。これはイタリアの主婦から米連邦準備 制度理事会(FRB)の金融政策に至るまで、あらゆる物事に影響を及 ぼすだろう」と語った。

原題:Foxconn Plant in Peanut Field Shows Labor Eroding China’s Edge(抜粋)

--取材協力:Tim Culpan.

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