ユーロが対ドルで4カ月ぶり安値圏、欧州懸念根強い

東京外国為替市場では、ユーロがド ルに対して前日に引き続き4カ月ぶりの安値圏で推移した。キプロス救 済に関連して民間セクターの損失負担の拡大などが懸念材料となった。

午後3時10分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.2849ドル前 後。前日のニューヨーク時間には一時1.2829ドルと、昨年11月以来の安 値を更新し、200日移動平均を2日連続で下回った。一方、ユーロ・円 相場は同時刻現在、121円76銭付近だった。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、この日の 相場全体の動きについて「ファンダメンタルズで見ると、中心はユーロ 圏でありキプロス問題だ。ドル・円主導ではない」と指摘した。

ロイター通信によると、欧州は銀行再編の際に、10万ユーロ (約1210万円)を超える預金を持つ預金者に損失を負担させる案を検討 している。欧州連合(EU)欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・金 融サービス担当)のスポークスマンを引用して報じた。

三菱東京UFJ銀行シニアアナリストの武田紀久子氏(ロンドン在 勤)は、「キプロス問題そのものは少しマーケットで過小評価されてき たところはあるのかなとは思っている」とした上で、「しばらくはこの 話とイタリアがユーロの上値抑制要因になるという展開も避けられない と思っている」と語った。

円ほぼ全面安

ドル・円相場は同時刻現在、1ドル=94円77銭前後で推移。一時 は94円91銭までドル高・円安に振れる場面があった。円はドル以外の主 要通貨に対してもほぼ全面安となった。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、円安の背景について、 「日銀による金融緩和強化の観測が影響している」と指摘した上で、 「黒田総裁の国会答弁や日経新聞の報道をみても、来週の実施はほぼ確 実だろう。増額規模は分からないが、無期限買い入れの前倒しと、資産 買い入れ等基金と輪番の統合は実施されるのではないか。3月期末に向 けた輸出企業のドル売り・円買いも峠を越えた感じだ」と語った。

27日付の日本経済新聞の報道によると、日本銀行はデフレ脱却へ国 債買い入れを拡大するため新たな購入目標を設ける。黒田東彦日銀総裁 は26日の衆院財務金融委員会で「これまで以上に大胆に質的、量的な金 融緩和をする」と強調。日銀による市場の期待への働き掛けについて 「デフレ期待から2%のインフレ期待に変えることで、設備投資や個人 消費にもプラスに効いてくるのではないか」と指摘し、「期待外れにな らないように量的、質的な緩和をする」と述べた。

具体的な政策では、現在3年までとしている買い入れ対象国債の年 限を5年に拡大すべきかどうかただされ、「イールドカーブ(利回り曲 線)を全体としてどのようにして引き下げるか、その際、あらゆる選択 肢を検討課題とする。ご指摘の点も当然、検討課題となる」と述べた。

三菱東京UFJ銀の武田氏は、黒田総裁率いる新日銀体制について 「次にまだこんなことがありそうだという期待を維持することにむしろ 主眼を置いてくるのかなというふうに思っている。こういうことからし ても、円売り安心感が広がっている今の状況というのは決定会合後も大 きくは変わらないと思っている」と話していた。

--取材協力:. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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