債券は続伸、長期金利は10年ぶり低水準-国債購入拡大観測で買い優勢

債券相場は続伸。日本銀行が金融緩 和強化の一環で国債購入を拡大するとの観測を背景に買いが優勢だっ た。長期金利は前日に続いて約10年ぶり低水準を更新した。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比2銭高の145円81銭で 開始し、直後に145円76銭まで下落した。しかし、その後はじり高とな り、午後の取引終盤には145円91銭まで上昇。結局は9銭高の145円88銭 で引けた。前日には黒田東彦日銀総裁の衆院財務金融委員会での発言を 受けて、一時145円95銭と過去最高値を付けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは同横ばいの0.54%で始まり、その後は徐々に水準を切り下げる展 開。午後に入ると2.5ベーシスポイント(bp)低い0.515%と、前日に続い て2003年6月18日以来の低水準を記録した。5年物の109回債利回りは 1bp低い0.11%と18日以来の水準に下げた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、年度末 を控えて流動性が少ない中、若干の買いが入るだけで値が飛んでいると 説明した。超長期債については、「朝方には売りが先行したものの、徐 々に買いが入っており、それほど弱くない」と話した。

20年物の143回債利回りは午前に同1.5bp高い1.475%に上昇した が、その後は買いが優勢になり、3bp低い1.43%に低下。30年物の38回 債利回りは3bp高い1.605%から1.58%に戻している。バークレイズ証 券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは、超長期債について、「少し 値を下げたので買っても良いという人がいてもおかしくない」と指摘。 利回り曲線のブル・フラット(平たん)化が進んだため、今後、材料出尽 くしで売りが出るのを待っている向きもいるのではないかとも言う。

日銀、新目標で買い入れ拡大か

日銀はデフレ脱却へ国債買い入れを拡大するため新たな購入目標を 設ける、と27日付の日本経済新聞が伝えた。具体的には資産買い入れ基 金と、通常の資金供給のための国債買い入れ枠を統合し、緩和規模を分 かりやすく示すとしている。

みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、前日の黒田総 裁の発言内容はこれまでと特段大きく変わらなかったものの、債券市場 の方ではあらためて日銀による長期国債の大量購入による需給タイト化 を強く材料視したと指摘。「この流れは少なくとも、黒田総裁による 『最初の一手』が明らかになるまで簡単に変わらないのかもしれない」 と言う。

日銀が新体制下で緩和を強化するとの観測を背景に債券市場の需給 環境は良好だ。メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは 「来週は日銀の金融政策決定会合や短観(企業短期経済観測調査)、10 年債入札など材料がめじろ押し。10年入札前にいったん需給が緩む場面 があっても、入札自体は無難に通過すると予想している」と言う。

財務省はあす28日午前、2年利付国債の価格競争入札を実施する。 表面利率(クーポン)は前回債と同水準の0.1%となる見込み。発行額 は前回債より2000億円増額の2兆9000億円程度。

新発2年債利回りは今月初めの0.05%から、足元では緩和強化の観 測を背景にした需給逼迫(ひっぱく)などで0.035-0.04%に水準を切 り下げている。SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、緩和 強化の観測や需給環境面などから、今回の入札は無難ないしは順調と予 想。「ただ、前回入札と同様に、過熱感は伴いにくい。落札利回り は2003年に付けた0.039%に近いのではないか」とも話した。

--取材協力:赤間信行 Editors: 青木 勝, 山中英典

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