NY外為:ユーロは対ドルで下落、預金者負担の拡大を警戒

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで4カ月ぶりの安値を付けた。キプロス救済は銀行再編で民 間セクターの損失負担が拡大することを示唆しているのかどうかをめぐ り、市場では警戒感が広がった。

欧州は銀行再編の際に、10万ユーロ(約1210万円)を超える預金を 持つ預金者に損失を負担させる案を検討している。ロイター通信が欧州 連合(EU)欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担 当)のスポークスマンを引用して報じた。これを背景にユーロは短時間 だが下げ幅を広げる場面があった。円は主要16通貨の大部分に対して下 落。日本銀行の黒田東彦総裁は早期のデフレ脱却に向け国債買い入れを 拡大する意向を示した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の為 替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は電話インタ ビューで、「キプロスに関する最大の懸念は、預金引き揚げに関連して 他の周辺国で銀行破たんが起こるかどうかだ。この件に関して様々な見 解が交錯しており、ユーロは荒い動きが続きそうだ」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.1%高 の1ユーロ=1.2861ドル。一時は昨年11月22日以来の安値を付けた。対 円では0.4%上げて1ユーロ=121円48銭。円は対ドルで0.3%下落し1 ドル=94円44銭。

ユーロは対ドルで200日移動平均を2日連続で下回った。

黒田総裁

黒田総裁は衆院財務金融委員会で「これまで以上に大胆に質的、量 的な金融緩和をする」と強調。日銀による市場の期待への働き掛けにつ いて「デフレ期待から2%のインフレ期待に変えることで、設備投資や 個人消費にもプラスに効いてくるのではないか」と指摘し、「期待外れ にならないように量的、質的な緩和をする」と述べた。

具体的な政策では、現在3年までとしている買い入れ対象国債の年 限を5年に拡大すべきかどうか質され、「イールドカーブ(利回り曲 線)を全体としてどのようにして引き下げるか、その際、あらゆる選択 肢を検討課題とする。ご指摘の点も当然、検討課題となる」と述べた。

日本経済新聞は日銀が3-4日の政策決定会合で、新たな国債購入 目標を設けると報じた。情報源は明示していない。

RBSのデンジャーフィールド氏は「日銀がもっと積極的に行動す るということは聞いているし、知っている。今度は日銀が行動すべき時 だ」と語った。

ドルのRSI

シティバンク銀行の高島修チーフFXストラテジストは顧客向けリ ポートで、相対力指数(RSI)の低下を理由に、ドルの対円で上昇一 服となる可能性があると指摘した。

ブルームバーグがまとめたデータでは、ドルの対円でのRSI(期 間14日)はこの日50.4となった。高島氏によれば、それはチャート分析 上の「三尊天井」のネックラインがある50に近く、その水準を割り込め ばドル上昇の小休止を示唆する可能性がある。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長を務めるダイセルブル ーム・オランダ財務相は前日、キプロスはひな型になると発言してい た。欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事はこの日、そのような示唆は 正しくなかったと述べた。

同理事はラジオ局ヨーロッパ1とのインタビューで、キプロス経済 が回復するには時間がかかるとの見方を示した。キプロスの問題は同国 固有だとし、欧州には他にキプロスのような状況を抱えた国はないと語 った。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのG10通貨ストラテジー責任者の アダム・コール氏は電話インタビューで、「市場は明らかに、キプロス が他の諸国の前例になるという前日の当局者発言をなおも懸念してい る」と述べた。

原題:Euro Reaches 4-Month Low as Cyprus Reignites Regional Concern(抜粋)

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