円反落、黒田日銀総裁が大胆な金融緩和表明-対ドル94円前半

東京外国為替市場では円が小反落。 日本銀行の黒田東彦総裁が大胆な金融緩和を推進するとあらためて表明 したことを受け、円売りが強まった。

円は対ユーロで一時、1ユーロ=121円56銭まで下落。朝方はユー ロ圏の債券や預金の安全性に対する懸念から一時120円73銭まで円買い が先行したが、日本株が下げ渋るにつれ、円売りが優勢となった。午後 3時29分現在は121円28銭前後。

ウエストパック銀行の為替ストラテジスト、ジョナサン・キャベナ ー氏(シンガポール在勤)は、「ドル・円は投機筋によって押し上げら れてきた」とし、円を大幅に押し下げるために、日銀が何を遂行しなけ ればならないかという点について、黒田総裁に対する「バーはかなり高 くセットされている」と指摘した。

ドル・円相場は1ドル=94円前半から一時93円87銭まで円高に振れ た後、94円45銭まで円売りが進行。もっとも、午後に入り日本株が再び 下げ幅を拡大すると円も下げ渋った。同時刻現在は94円18銭前後となっ ている。

黒田日銀総裁は26日午前の衆院財務金融委員会で、日銀が掲げる物 価上昇率2%の目標について「2年を念頭に置いて、必ず日銀の責任に おいて達成したい」と述べ、「これまで以上に大胆に質的、量的な金融 緩和をする」と強調した。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 「黒田総裁の発言は少し踏み込んだ感がある」とし、「リスク資産をも っと買う、期間の長いものをもっと買う、という感じだ」と指摘。その 上で、この日は海外勢の円売りのほか、投信設定に絡んだ円売りの話も 出ていたと解説した。

ユーロは4カ月ぶり安値圏

一方、ユーロは対ドルで約4カ月ぶり安値圏で推移した。キプロス の銀行システム再編計画により、他のユーロ圏でも預金者や債券保有者 が負担を強いられる可能性が懸念されており、一時は1ユーロ=1.2844 ドルと前日の海外市場で付けた昨年11月22日以来の安値(1.2830ドル) に迫る場面も見られた。

ユーロ・円も前日の海外市場で一時、120円08銭と2月27日以来の 水準までユーロ安・円高が進行。また、クロス円(ドル以外の通貨の対 円相場)での円買い圧力や米長期金利の低下を背景にドル・円は一 時、93円52銭前後と今月6日以来の円高水準を付ける場面が見られた。

バークレイズのFXストラテジスト、逆井雄紀氏(ニューヨーク在 勤)は、預金者にもコストを負担してもらうというというキプロスの救 済計画をユーロ圏のひな形にするとの話があり、「それがマーケットの 不安心理をあおった」と解説。「これが一度ではないということになる と、やはりそうしたリスクを織り込まざるを得ない」と話した。

逆井氏はまた、イタリアの政局も「相変わらずどうなるか分からな い」とし、引き続き政治リスクが「ユーロの重しになり続ける」との見 方を示した。イタリアのナポリターノ大統領から政権発足に向けて多数 派工作を要請された民主党のベルサニ党首は、ベルルスコーニ前首相が 率いる「自由国民」の幹部らと26日に会談する。

--取材協力:大塚美佳、Kristine Aquino. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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