日本株反落、キプロス問題の波及懸念し輸出や資源、海運売り

東京株式相場は反落。キプロスの銀 行システム再編計画が欧州諸国に与える影響や、前日の欧米時間に為替 市場でユーロ安・円高が進んだことが嫌気された。ゴム製品や自動車な ど輸出関連株、鉱業や石油など資源関連株が売られ、空運や海運株、鉄 鋼株も安い。

TOPIXの終値は前日比2.87ポイント(0.3%)安の1044.42、日 経平均株価は74円84銭(0.6%)安の1万2471円62銭。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最 高投資責任者は、「相場が高値圏にある中、キプロス問題の波及リスク が利食い売りの材料になった」と見ている。ただ、これまで欧州当局が 域内債務危機を抑え込んできた点を踏まえれば、「小国のキプロスで起 きたような問題がユーロ圏の他国に伝染する可能性は低い」との認識も 示した。

キプロスは100億ユーロ(約1兆2300億円)の金融支援と引き換え に、支援国などから求められた国内銀行システムの縮小を受け入れた。 ただ、ユーロ圏財務相会合議長を務めるオランダのダイセルブルーム財 務相が、キプロスの銀行の再編計画はユーロ圏の他の国のひな型と見な されるべきと述べた、とロイター通信が25日に報道。欧州全般への影響 が警戒され、同日の海外為替市場でユーロが売られた。

25日のニューヨーク為替市場では、円が対ユーロで一時120円8 銭、対ドルで93円53銭まで円高が進行。前日の東京株式市場終了時は1 ユーロ=123円60銭付近、1ドル=94円80銭近辺だった。

欧州情勢、ユーロ安を嫌気する格好で、きょうの日本株は朝方から 売りが優勢。東証1部33業種では空運、海運、ゴム製品、鉄鋼、鉱業、 石油・石炭製品、証券・商品先物取引、水産・農林、銀行、卸売など22業 種が下げた。売買代金上位ではアイフル、三菱UFJフィナンシャル・ グループ、ソニー、野村ホールディングス、マツダ、ディー・エヌ・エ ー、日産自動車、日立製作所、全日本空輸、ブリヂストン、丸紅、東急 不動産、三菱電機などが安い。

TOPIXプラス場面、権利付き最終

もっとも、主要株価指数の下げ幅は限られ、TOPIXは午後2時 半ごろに一時プラス圏に浮上した。ロイター報道を受け、ダイセルブル ーム財務相はキプロスについて「異例の問題を抱え、われわれが昨日合 意したベイルイン措置を必要とする特別なケース」と声明で説明。その 後にユーロが下げを縮めたため、警戒感が和らいだ。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「ユーロ圏財務相会合議長が慌 てて火消しに回ったのを見ると、これは同議長の真意ではなかったのだ ろう」と指摘。そのため、投資家のリスク回避姿勢は「それほど尾を引 いていない」と受け止めていた。

また、日本銀行が来月3-4日に開く金融政策決定会合で、踏み込 んだ追加金融緩和が打ち出されるとの期待感が強く、牛尾氏も「国内の 政策期待が相場の下支え要因」と言う。日銀の黒田東彦総裁はきょう午 前、衆院財務金融委員会に出席し、「通貨及び金融の調節に関する報告 書」の概要を説明した後、各党議員の質疑に応じ、買い入れ国債の年限 の拡大について「当然検討対象になる」などと述べた。

このほか、きょうは3月期決算企業の期末の権利付き最終売買日だ った。「配当などの権利を取得するための買いを期限ぎりぎりまで引っ 張るケースもある」とSMBCフレンド証券・投資情報部の松野利彦シ ニアストラテジスト。配当取りの動きも相場の底堅さにつながり、アリ アンツの寺尾氏は、「配当狙いの買いが意識され、売り込みにくい雰囲 気もある」としていた。

業種別で上昇したのは電気・ガス、食料品、陸運、その他金融、医 薬品、情報・通信など11業種。相対的に内需、海外景気変動の影響を受 けにくいディフェンシブ業種が堅調だった。売買代金上位ではソフトバ ンク、ファナック、ジャックス、JR西日本、関西電力、アステラス製 薬、日本取引所グループが高い。

東証1部の売買高は概算で29億8742万株、売買代金は2兆1066億 円。値下がり銘柄数は831、値上がり774。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE