債券先物は過去最高値、黒田総裁発言で買い膨らむ-超長期は売り優勢

債券先物相場は過去最高値を更新。 黒田東彦日銀総裁の発言を受けて長期ゾーンを中心に買いが膨らんだ。 半面、最近の利回り低下が大きかった超長期債などは売り優勢の展開に 転じた。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比2銭高の145円69銭で 始まり、直後に3銭安まで下落した。しかし、その後は買いが優勢とな り、水準を切り上げ、一時は145円95銭と、最高値145円75銭を上回っ た。午後はもみ合いとなり、結局は12銭高の145円79銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは前日比横ばいの0.555%で始まり、いったんは0.5ベーシスポイント (bp)高い0.56%に上昇した。その後は水準を切り下げ、一時 は0.525%と2003年6月18日以来の低水準を記録した。午後1時すぎか らは0.535%-0.54%で推移した。

20年物の143回債利回りは午前に一時3bp低い1.41%と、連日で03 年7月22日以来の低水準を更新したが、午後は2bp高い1.46%まで水準 を切り上げた。30年物の38回債利回りは0.5bp低い1.545%と10年8月25 日以来の低水準を付けたが、午後は一時3.5bp高い1.585%まで上昇し た。同債利回りは19日の1.7%台からわずか3日で1.5%台半ばまで急低 下した。

BNPパリバ証券の伊藤篤チーフ円債ストラテジストは、黒田総裁 が、利回り曲線を引き下げるため、あらゆる手段を検討すると発言した ことを受けて、「10年超の国債買い入れを増やすとの観測が強まってお り、長い年限に買い戻しが入っている」と説明した。

黒田総裁が日銀報告説明

黒田日銀総裁は午前、衆院財務金融委員会に出席。「通貨及び金融 の調節に関する報告書」の概要を説明した後、各党議員の質疑に応じ、 買い入れ国債の年限の拡大について「当然検討対象になる。あらゆる選 択肢が検討対象」などと述べた。同委員会の質疑には、岩田規久男、中 曽宏両副総裁も出席した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、黒田総裁の発言 から追加緩和の中身を確認したいとの意向で売りは限定的だったとしな がらも、「新年度入りする4月以降は投資行動の変化に警戒が必要だ」 と指摘。「期初に利益確定売りが膨らむ可能性がある」とも述べた。

25日の米国債相場は上昇。米10年国債利回りは前週末比1bp低下 の1.92%程度。一方、米株相場は下落。S&P500種株価指数は0.3%安 の1551.69で引けた。

--取材協力:赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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