3月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロは対ドル4カ月ぶり安値、預金者負担の拡大警戒

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで4カ月ぶりの安値 を付けた。キプロス救済は銀行再編で民間セクターの損失負担が拡大す ることを示唆しているのかどうかをめぐり、市場では警戒感が広がっ た。

欧州は銀行再編の際に、10万ユーロ(約1210万円)を超える預金を 持つ預金者に損失を負担させる案を検討している。ロイター通信が欧州 連合(EU)欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担 当)のスポークスマンを引用して報じた。これを背景にユーロは短時間 だが下げ幅を広げる場面があった。円は主要16通貨の大部分に対して下 落。日本銀行の黒田東彦総裁は早期のデフレ脱却に向け国債買い入れを 拡大する意向を示した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の為 替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は電話インタ ビューで、「キプロスに関する最大の懸念は、預金引き揚げに関連して 他の周辺国で銀行破たんが起こるかどうかだ。この件に関して様々な見 解が交錯しており、ユーロは荒い動きが続きそうだ」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.1%高 の1ユーロ=1.2861ドル。一時は昨年11月22日以来の安値を付けた。対 円では0.4%上げて1ユーロ=121円48銭。円は対ドルで0.3%下落し1 ドル=94円44銭。

ユーロは対ドルで200日移動平均を2日連続で下回った。

黒田総裁

黒田総裁は衆院財務金融委員会で「これまで以上に大胆に質的、量 的な金融緩和をする」と強調。日銀による市場の期待への働き掛けにつ いて「デフレ期待から2%のインフレ期待に変えることで、設備投資や 個人消費にもプラスに効いてくるのではないか」と指摘し、「期待外れ にならないように量的、質的な緩和をする」と述べた。

具体的な政策では、現在3年までとしている買い入れ対象国債の年 限を5年に拡大すべきかどうか質され、「イールドカーブ(利回り曲 線)を全体としてどのようにして引き下げるか、その際、あらゆる選択 肢を検討課題とする。ご指摘の点も当然、検討課題となる」と述べた。

日本経済新聞は日銀が3-4日の政策決定会合で、新たな国債購入 目標を設けると報じた。情報源は明示していない。

RBSのデンジャーフィールド氏は「日銀がもっと積極的に行動す るということは聞いているし、知っている。今度は日銀が行動すべき時 だ」と語った。

ドルのRSI

シティバンク銀行の高島修チーフFXストラテジストは顧客向けリ ポートで、相対力指数(RSI)の低下を理由に、ドルの対円で上昇一 服となる可能性があると指摘した。

ブルームバーグがまとめたデータでは、ドルの対円でのRSI(期 間14日)はこの日50.4となった。高島氏によれば、それはチャート分析 上の「三尊天井」のネックラインがある50に近く、その水準を割り込め ばドル上昇の小休止を示唆する可能性がある。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長を務めるダイセルブル ーム・オランダ財務相は前日、キプロスはひな型になると発言してい た。欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事はこの日、そのような示唆は 正しくなかったと述べた。

同理事はラジオ局ヨーロッパ1とのインタビューで、キプロス経済 が回復するには時間がかかるとの見方を示した。キプロスの問題は同国 固有だとし、欧州には他にキプロスのような状況を抱えた国はないと語 った。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのG10通貨ストラテジー責任者の アダム・コール氏は電話インタビューで、「市場は明らかに、キプロス が他の諸国の前例になるという前日の当局者発言をなおも懸念してい る」と述べた。

原題:Euro Reaches 4-Month Low as Cyprus Reignites Regional Concern(抜粋)

◎米国株:反発、耐久財受注や住宅価格指数を好感-ダウは最高値

米株式相場は経済指標を好感して反発。製造業耐久財受注は市場予 想を上回る伸びとなり、住宅価格指数は2006年6月以来の高い伸びとな った。S&P500種株価指数は過去最高値まで2ポイント以内に迫っ た。

種子開発のモンサントが高い。同社とデュポンは、反トラスト法お よび大豆の特許に関する訴訟をお互いに取り下げることで合意した。ネ ットフリックスも上昇。パシフィック・クレスト・セキュリティーズ は、ネットフリックス株の目標株価を引き上げた。ボーイングは同社を 相手取った集団訴訟の却下を控訴裁判所が支持したことを受けて、買い 進まれた。一方、ギャップなど衣料小売り関連は下落した。

S&P500種株価指数は前日比0.8%高の1563.77。ダウ工業株30種 平均は111.90ドル(0.8%)上昇し14559.65ドルと、過去最高値を更新 した。

INGインベストメント・マネジメントの分散投資担当責任者、ポ ール・ゼムスキー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「米国の経済 指標は引き続き非常に好調で、ここ数日間欧州発の悪いニュースが聞か れているにもかかわらずS&P500種が1550を上回っている背景には、 こうした好調な米指標も挙げられる」とし、「景気回復において住宅は 非常に大きな部分を占めており、住宅価格が上昇すれば、国民は自分の 家に対する見方が良くなり、全般的に自信も深まる」と続けた。

S&P500種は前日一時、07年10月に付けた過去最高値1565.15まで 1ポイント以内の水準まで上昇したが、その後はキプロスの銀行システ ム再編計画の影響で、他の欧州諸国の預金でも損失が生じる可能性があ るとの懸念が広がり下落した。S&P500種は14日以降、1560を6回上 抜けている。ダウ平均が07年に記録したそれまでの最高値を初めて上回 ったのは今月5日。

経済指標

S&P500種は2009年の底値の2倍を上回り、米株式の強気相場は 今月、5年目に突入した。米金融当局の量的緩和策を背景に株価が上昇 した。

全米20都市を対象にした1月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で06年6月以来 の高い伸びとなった。また米商務省の発表によると、2月の米製造業耐 久財受注は自動車や航空機器の受注増が寄与し、予想を上回る伸びとな った。

一方、米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した3月の 消費者信頼感指数は59.7と、前月の68.0(速報値69.6)から低下した。 また米商務省が発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、 年率換算)は前月比4.6%減と、市場予想(3.9%減)を上回る落ち込み となった。

「消費者の行動が知りたい」

チャールズ・シュワブの市場・セクター分析担当ディレクター、ブ ラッド・ソーレンセン氏は電話取材で、「消費者が何を言っているかよ りも、何をしているかを知りたい」とし、「信頼感は低下していると言 うかもしれないが、それが実際の支出面に表れているだろうか。これま でのところ、それは見られていない。小売売上高はかなりしっかり持ち こたえている」と続けた。

モンサントは4.4%高の103.79ドル。同社とデュポンは共同文書を 発表。それによればモンサントは、大豆「ラウンドアップ・レディ」の 特許をデュポンが侵害しているとの訴えを取り下げる。一方でデュポン は、モンサントが独占的地位を利用して技術革新を阻害しているとの訴 えを取り下げる。デュポンは0.3%安の48.97ドル。

ネットフリックスは5.4%高の190.61ドル。値上がり率はS&P500 種でトップとなった。パシフィック・クレストはネットフリックスの目 標株価を225ドルとし、従来の160ドルから引き上げた。

ボーイングは2.1%高の86.62ドルだった。

原題:S&P 500 Rebounds Toward Record on Housing, Durable-Goods Data(抜粋)

◎米国債:小幅上昇、消費者信頼感指数が予想以上に落ち込む

26日の米国債は小幅上昇。この日は米消費者信頼感指数が予想以上 に落ち込んだほか、新築一戸建て住宅販売が前月比で減少した。

午後に入って実施された2年債入札(350億ドル)では需要が2011 年以来の低水準に落ち込み、国債は上げ幅を縮小した。朝方発表された 住宅価格が大幅に上昇したことが示されると米国債は下落する場面もあ った。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は、「欧州の話はまだ片付いていない。米国の経済統計は 強弱が混在している。金利の方向性を定める決め手を欠いている」と続 けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.91%。10年債(表面利率2%、2023年2月償還)価 格は3/32上昇の100 26/32。この日の利回りの変動幅は4.3bpと、3 月11日以来で最も小幅だった。既発2年債の利回りはほぼ変わらず の0.25%。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は8%減少して2330億ドル。過去1年間の平均は2470億ド ルとなっている。

この日は投資家による月末のポートフォリオ組み換えが買いを支え た。バークレイズが発表したリポートによると、米国債指数のデュレー ション(平均残存期間)は4月1日に0.1年拡大する。3月1日は0.11 年拡大した。

2年債入札結果

2年債入札での最高落札利回りは0.255%。入札直前の市場予想 は0.256%だった。先月の入札では0.257%。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.27倍と、2011年7月以来の 低水準。過去10回の平均は3.79倍。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率 は20.6%。過去10回の入札の平均は 27.1%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の落札比率は21.8%と、9月以来の低水準。過去10回の平均 は21.2%。プライマリーディーラーの落札比率は57.6%で、昨年8月以 来の高水準となった。

米財務省は27日に5年債(350億ドル)、28日には7年債(290億ド ル)の入札を実施する。

米国債の見通し

JPモルガン・チェースが実施した調査によると、米国債の投資家 は強気な見方を後退させ、今後値下がりするとの観測を強めている。

25日終了週にネットショート(売り越し)の割合は18ポイントと、 前週の12ポイントから上昇した。アウトライト・ショートの割合は28% と前週の27%から上昇。一方アウトライト・ロングは10%と、前週 の15%から低下した。

民間調査機関のコンファレンス・ボードが26日発表した3月の消費 者信頼感指数は59.7と、前月の68.0(速報値69.6)から低下した。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は67.5だった。

商務省が発表した2月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年 率換算)は前月比4.6%減の41万1000戸だった。

原題:Treasuries Gain After U.S. Confidence Drops More Than Forecast(抜粋)

◎NY金:続落、3週間ぶり大幅安-キプロス救済で逃避需要が減退

ニューヨーク金先物相場は続落。3週間ぶりの大幅安となった。キ プロス救済を背景に、資金逃避としての金買いが後退した。

欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は、キプロス救済の合意内容 は他の域内諸国のモデルにはならないとしたほか、ECBはユーロを守 るため同中銀に託された責務の範囲内でできる限りのことを全て行うと 述べた。米調査会社CPMグループ(ニューヨーク)は金の平均価格が 今年は2001年以降で始めて下落する可能性があるとの見通しを示した。 「世界的な金融システムの差し迫った崩壊という極端な見方」が弱まっ ているためという。

CPMグループのマネジングディレクター、ジェフリー・クリスチ ャン氏はインタビューで、「キプロスが一大事になると考えて金に投資 してきた人たちが売っている」と指摘。米経済が「改善しつつあるこ と」もこの日は価格を押し下げたと述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.6%安の1オンス=1597.30ドルで終了。中心限月として は先月28日以来の大幅下落となった。

原題:Gold Falls Most in Three Weeks as Cyprus Pact Cuts Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:続伸、年初来の大幅高-米耐久財受注の増加を好感

ニューヨーク原油先物相場は続伸。今年に入って最大の上げとなっ た。米製造業耐久財受注額が市場予想を上回る伸びとなったことが手掛 かり。北海ブレント原油との価格差は昨年7月以来の最小に縮まった。

米商務省が発表した2月の耐久財受注額は昨年9月以来で最大の伸 びを示した。先物5月限がテクニカル的な抵抗水準である95.55ドルを 上抜けると、相場は上げ足を速めた。米製油所の需要と北海での生産が いずれも増える中、ブレント原油との価格差は縮小した。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズの商品ファンドマネジャー、 タリク・ザヒル氏は「耐久財受注の数字は予想を上回り、米経済が良好 な状態にあることを示している」と指摘。「ブレントとの価格差は引き 続き大幅に縮小するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前日 比1.53ドル(1.61%)高の1バレル=96.34ドルで終了。昨年12月26日 以来の大幅高となり、終値では先月19日以来の高値となった。

原題:WTI Crude Advances Most This Year as U.S. Durable Goods Climb(抜粋)

◎欧州株:上昇、予想上回る米経済指標を好感-小売株が高い

26日の欧州株式相場は上昇。米経済指標で耐久財受注と住宅価格 が予想を上回ったことが手掛かり。欧州当局が銀行損失の負担を預金者 に強いるとの懸念が上値を抑えた。

英小売りウィリアム・モリソン・スーパーマーケッツとドイツの医 薬品卸売大手のセレシオが小売り銘柄の上げを主導した。一方、カザフ スタンの産銅会社カザフミスはほぼ4年ぶりの安値。減配が嫌気され た。スペインの電話会社テレフォニカは約7カ月ぶりの大幅安。自社株 を売却したことが売り材料。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の293.76で終了。月間ベー スでは1997年7月以来の10カ月連続高となる勢い。

三菱UFJ投信の欧州株式責任者、マイケル・モリス氏(ロンドン 在勤)は「米経済は確実に勢いを増している」とし、「投資サイクルの 次の段階に差し掛かっている。米住宅市況はかなり前に底を打ってお り、再び悪化するとは思わない。出てくるデータは総じて景気回復と一 致している」と続けた。

26日の西欧市場では18カ国中7カ国で主要株価指数が上昇した。こ の日休場だったキプロス市場では27日も取引は行われない。

米商務省の発表によると、2月の耐久財受注額は前月比で5.7%増 となった。予想は3.9%増だった。全米20都市を対象にした1月の米ス タンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指 数は前年同月比で8.1%上昇。エコノミストの調査中央値では7.9%上昇 が見込まれていた。

欧州株式相場は上げ幅を縮める場面もあった。欧州議会が銀行再編 に伴う損失を10万ユーロを超える預金者に負担させる案を検討している と、ロイター通信が欧州当局者のグンナー・ホクマーク氏の発言を引用 して報じた。

原題:European Stocks Climb on U.S. Data; Wm Morrison, Celesio Advance(抜粋)

◎欧州債:イタリア・スペイン債反発、ECB理事がユーロ守ると発言

26日の欧州債市場ではイタリア国債が反発。欧州中央銀行 (ECB)のクーレ理事は責務の範囲内でユーロを守るためにできる 限りの措置を講じると発言した。

スペイン債も上昇。クーレ理事のコメントは、昨年7月のドラギ総 裁による発言を踏襲する内容だった。周辺国の国債は前日に下げてい た。キプロスが救済で大筋合意したものの、同国の金融危機を封じ込め られるとの見方にはつながらなかった。一方、域内で最も安全とされる ドイツ国債はこの日、需要が後退し下落した。

モニュメント・セキュリティーズの金利ストラテジスト、マーク・ オストワルト氏は「高い利回りを求める動きが続いている。それは市場 がドラギ総裁の約束をなお信じていることを示している。スペインとイ タリアの国債利回りはドイツ国債よりもはるかに魅力的だ」と語った。

ロンドン時間午後4時18分現在、イタリア10年債利回りは3ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.59%。前日は10bp上昇 した。同国債(表面利率5.5%、2022年11月償還)価格はこの日、0.205 上げ107.435。スペイン10年債利回りは2bp下げ4.94%。12日に は4.70%と、2010年11月以来の低水準を付けた。

ドイツ10年債利回りは1bp上昇し1.34%となった。

英国債

英国債相場は上昇。イングランド銀行(英中銀)への新たな権限は インフレ高進を容認するものではないと、オズボーン財務相が発言した ことが背景。

英10年債利回りは前日比2bp低下し1.78%。これは昨年12月28日 以来の低水準。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの 日、0.17上げ99.71となった。

オズボーン財務相は26日に議会で、「新たな権限の一部は金融政策 委員会(MPC)が遂行していた業務を追認するものだ」とし、「イン フレ高進を容認するものではない。2%が目標であることを明確にして いる」と続けた。同相は20日提示した予算案の中で中銀責務を変更し、 インフレ目標達成のための柔軟性を高めた。

原題:Italian, Spanish Bonds Rise as Coeure Says ECB to Preserve Euro(抜粋) Pound Drops Versus Euro as Coeure Pledges to Preserve Currency (抜粋)

--取材協力:. Editor: 山広 恒夫

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