米国株:下落、キプロス支援合意も銀行再編めぐり懸念広がる

米国株相場は下落。キプロスの銀行 システム再編計画の影響で、他の欧州諸国の預金で損失が生じる可能性 があるとの懸念が広がった。S&P500種株価指数は一時、過去最高値 まで1ポイント以内の水準に上昇する場面もあった。

テクストロンやキャタピラーなど産業株が安い。ブラックベリーも 下落。ゴールドマン・サックス・グループによる投資判断引き下げが嫌 気された。一方、デルは上昇。同社は、米投資会社ブラックストーン・ グループと資産家カール・アイカーン氏から買収提案をそれぞれ受けた ことを明らかにした。

S&P500種株価指数は前週末比0.3%安の1551.69。ダウ工業株30 種平均は64.28ドル(0.4%)下げて14447.75ドル。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの投資戦略担当マネジ ングディレクター、ロン・フロランス氏は電話取材に対し、「北米と欧 州の双方で、重要な政策決定を下さなければならない状況にある」と し、「政策面での不手際が深刻だと、事態は本当に厳しい。先週の協議 では非常にひどい決定がなされた。解決はしたが、そうした状況は常に 市場を神経質にさせる」と続けた。

キプロスは100億ユーロ(約1兆2300億円)の金融支援と引き換え に、支援国などから求められた国内銀行システムの縮小を受け入れた。 これを好感し、米国株は朝方上昇していた。

ユーロ圏の銀行

その後、オランダのダイセルブルーム財務相がキプロスの銀行の再 編計画はユーロ圏の他の国のひな型と見なされるべきだと述べた、とロ イター通信が報道。これを手掛かりに株価は下落に転じた。

キプロス不安やユーロ圏の低調な経済指標を受けS&P500種は先 週0.2%安と、2週連続での下落となった。年初来では依然8.8%上げて おり、この日は07年10月に付けた最高値1565.15まであと1ポイント以 内という水準に上昇した。ダウ平均は先週、日中ベースでの最高値を更 新した。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニアストラテジス ト、アラン・ゲイル氏は電話取材で、「これまでの最高値を上抜けるに は、かなりポジティブなニュースが必要になるだろう」と述べた。

S&P500種は2009年の底値の2倍を上回り、米株式の強気相場は 今月、5年目に突入した。量的緩和策を背景に株価が上昇した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はこの日、先進 諸国の低金利政策は総需要を喚起するもので、通貨安を通じた破壊的な 貿易の転換をもたらしてはいないとの認識を示した。またニューヨーク 連銀のダドリー総裁は、労働市場の回復ペースは鈍化しており、「非常 に緩和的」な政策維持の正当性を示していると指摘した。

10業種全て下落

S&P500種の業種別10指数は全て下落。産業株や素材株の指数が 特に大きく下げた。テクストロンは3.5%安の29.69ドル。キャタピラー は1%下げて86.64ドル。

ブラックベリーは4.6%安の14.23ドル。ゴールドマン・サックス は、ブラックベリーの投資判断を「ニュートラル(中立)」とし、従来 の「買い」から引き下げた。

デルは2.6%高の14.51ドルだった。同社発表によると、最大58.1% の同社株に対する提示額はブラックストーンが1株当たり14.25ドル 超。アイカーン氏の案では1株当たり15ドルの現金を支払う内容。

原題:U.S. Stocks Decline as Optimism Fades After Cyprus Agreement(抜粋)

--取材協力:Sofia Horta e Costa.

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