NY外為:ユーロ反落、キプロス合意も域内債券に懐疑的

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで反落。4カ月ぶりの安値を付けた。キプロスの救済で合意 したものの、ユーロ圏の債券や預金の安全性をめぐり懸念が強まった。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長を務めるオランダのダ イセルブルーム財務相がキプロスの銀行の再編計画について、特殊なケ ースだと話したため、ユーロは下げ渋った。ロイター通信は同財務相が キプロスのケースはその他ユーロ圏諸国のひな型と見なされるべきだと 述べたと報じていた。

合意によると、キプロス2位の銀行キプロス・ポピュラー銀行が整 理され、保証対象外の預金と優先債保有者などの無担保債権はほぼ全額 が失われる見通し。最大手のキプロス銀行の保証対象外の預金者は最 大40%の損失負担が求められる。円は上げに転じる展開。日銀の黒田東 彦総裁は26日、衆院財務金融委員会で日銀報告の説明と金融政策に関し て質疑に応じる。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「キプロスに関する懸 念は弱まったものの、ユーロをめぐる懸念は数多く残っている。ユーロ 圏はリセッション(景気後退)に陥ったままだ」と語った。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前営業日 比1.1%安の1ユーロ=1.2853ドル。一時は昨年11月22日以来の安値を 付けた。対円では1.4%下げて1ユーロ=121円04銭。円は対ドル で0.3%上昇し1ドル=94円17銭。

ECBは反対せず

欧州中央銀行(ECB)はキプロスから流動性支援の要請あれば反 対しないと表明した。

シリコン・バレー・バンクのシニア外国為替トレーダー、マーク・ ノーブル氏は電話インタビューで、「欧州の問題は金利が示すよりも根 が深く深刻だ。経済的にはまだ困難を脱しておらず、ユーロ圏周辺国に は障害があり、痛みはまだやってくるだろう」と述べた。

スペイン10年債利回りは4営業日ぶりに上げ、前週末比10ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.96%。イタリア10年債利回 りは10bp上昇の4.61%。

キプロスのニコラス・パパドプロス議員(金融委員会委員長)は 「ユーロ圏にとどまりたいが、現在はユーロ圏離脱の検討には一理あ る」と発言。「非常に深刻なリセッションに入り、成長見通しがない中 で高い失業率を経験するだろう。これらの問題を解決する他の方法があ るかどうか検証する必要がある」と続けた。

「多くの信頼が喪失」

UBSのシニア為替ストラテジスト、ジェフリー・ユー氏は電話イ ンタビューで、「市場が懸念を強めているのは多くの信頼が失われたと いう事実で、それが多くの参加者にユーロ圏に戻るのをちゅうちょさせ ている。前例が作られたため、現時点ではユーロの将来が懸念されてい る」と語った。

円は下落していたが、安全な逃避先としての需要が強まり、上げに 転じた。黒田総裁は21日夜、就任会見を行い、物価上昇率2%の目標に ついて「達成すべきであるし、達成できると確信している」と述べると ともに、「達成できるまで可能な限りあらゆる手段を講じていく」との 決意を示した。

スタンダードチャータード銀行の通貨調査世界責任者のカラム・ヘ ンダーソン氏(シンガポール在勤)は4月3-4日の「最初の政策決定 会合で黒田総裁が花火のような政策を打ち出すと予想している」と発 言。選択肢の一つとして、当初は2014年に開始するとしていた資産購入 の前倒しの発表を挙げた。そうなった場合、円は対ドルで第2四半期 に102円まで下がる可能性があるとの見方を示した。

原題:Euro Weakens to 4-Month Low on Cypriot Fallout; Yen Rallies(抜粋)

--取材協力:Kevin Buckland.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE