米国債:上昇、キプロス救済のユーロ圏への長期的影響を懸念

25日の米国債市場は10年債利回りが 約1週間ぶりの低水準をつけた。キプロスの破綻回避を目指した救済策 の合意がユーロ圏の長期的な金融安定を損ねる可能性があるとの懸念が 背景にある。

キプロスのニコラス・パパドプロス議員は同国のユーロ圏離脱につ いて検討する必要があると発言した。発言後、10年債は下げを埋めた。 キプロスは国内2位の銀行の整理などに合意した。債券保有者に大幅な 負担を強いることになる。米財務省は26日、2年債(350億ドル)の入 札を実施する。

バンク・オブ・ノバスコシアの金利ストラテジスト、ガイ・ヘーゼ ルマン氏(ニューヨーク在勤)は「政策上の過ちがあった。それによっ ていろいろな問題が明らかになり、安全への逃避需要を支えた」と述 べ、「欧州がキプロスのような小さな問題を滞りなく処理できる能力が なければ、これ以上大きな問題が起きたらどのように対応できるのだろ うか」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りはほぼ変わらずの1.92%。利回りは一時、 5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて1.97%と、15日以 来の高水準をつけたが、1.8938%まで下げた場面もあった。19日に は1.8905%と、5日以来の低水準だった。10年債(表面利率2%、2023 年2月償還)価格は1/32上昇の100 22/32。

当局による債券購入

ニューヨーク連銀は2036年2月-43年2月に償還を迎える14億6000 万ドル相当の米国債を購入した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は米 国債と住宅ローン担保証券(MBS)を月850億ドル購入する方針を示 している。先週の会合では労働市場が大幅に回復するまで継続する方針 を示した。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツ の政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤) 氏は、「欧州からの雑音が多く、それが国債買いにつながっている。さ らに金融当局が継続してハト派的な姿勢を示していることも影響してい る」と述べた上で、「最終的には経済統計が相場を左右し、利回りは上 昇するだろう」と続けた。

29日に発表される2月の米個人消費は前月比で0.6%増が予想され ている。

キプロス救済

キプロスは欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)の欧州委員 会、国際通貨基金(IMF)の3者、いわゆるトロイカと支援条件の大 枠に同意、同国への100億ユーロの救済融資の道が開かれた。

合意内容の一環としてキプロスはキプロス・ポピュラー銀行の整理 に同意。保証対象外の預金と優先債保有者などの無担保債権はほぼ全額 が失われる見通しだ。EUの預金保証の上限である10万ユーロより少額 の預金は全額保護される。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏はツイッターで、「キプロスのヘアカットはただ1 つのことを証明した。つまり成長なくしてはEUの高債務国は最終的に は同じような運命に苦しむことになるということだ」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、月間ベースの米国債リターンは0.1%のマイナス、年初来では0.5% のマイナスとなっている。

米財務省は週内に計990億ドルの入札を実施する。27日は5年債 (350億ドル)、28日には7年債(290億ドル)となっている。

原題:Treasury Yields Touch Almost Week Low as Cyprus Optimism Eases(抜粋)

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