キプロス救済の新合意、ドイツ与党が支持表明-ロシアも容認か

キプロスは国内銀行システムの縮小 を条件とした100億ユーロ(約1兆2100億円)規模の金融支援を受け入 れ、無秩序なデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱を回避した。同 国のアナスタシアディス大統領はドイツが率いる債権団の圧力に押さ れ、国内2位の銀行キプロス・ポピュラー銀行の整理に同意した。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は25日未明、ブリュッセルで記者団に対し、「最適な解 決策というものはなく、厳しい選択肢しかなかった」と説明した。預金 課税を盛り込んだ先の救済合意はキプロス議会に法案を否決され、新た な合意が必要になっていた。

ドイツのメルケル首相は今回の新合意をたたえ、首相が率いる連立 与党の議員も救済パッケージに支持を表明した。首相のキリスト教民主 同盟(CDU)のノルベルト・バーセル議員はインタビューで、合意は ドイツ議会を満足させるのに十分な内容だとの見方を示した。独議会は 数週内に救済について採決する見込。

キプロス金融システム縮小の新合意では、EUの預金保証の上限で ある10万ユーロより少額の預金は全額保護されるが、最大手のキプロス 銀行の保証対象外の預金者は最大40%の損失負担が求められるという。 キプロス銀はポピュラー銀の優良資産を引き継ぐ。ポピュラー銀は整理 され、保証対象外の預金と優先債保有者などの無担保債権はほぼ全額が 失われる見通し。優先債保有者はキプロス銀行の資本増強にも貢献す る。

経済は大幅縮小へ

銀行業界縮小は今年と来年のキプロス国内総生産(GDP)の大幅 な落ち込みにつながるだろうとUBSのエコノミスト、ラインハルト・ クルース氏は指摘。「キプロスのソブリン債務問題は欧州当局者と市場 の懸念材料であり続けるだろう」と25日のリポートに記述した。

キプロスの国内銀は新たな通告があるまで休業が続く。キプロス議 会は先週、銀行の営業再開時に預金流出を防ぐための資本規制を課す法 案を可決している。

キプロス議会は銀行再編に関してあらためて採決する必要はない が、債権者側はドイツのほかにフィンランドとオランダで、ユーロ圏の 恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)からのキプロ ス向け融資に議会承認が必要になるもよう。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁とアスムセン理事は会議後に 記者団に対して発言せずにブリュッセルを去ったが、財務相らの声明に よると、ECBは「当該規則にのっとって」キプロス銀行に流動性を供 給する。ECBは25日夕、キプロスからの流動性支援の要請に反対しな いとの声明を出した。

大口預金者に損失負担を迫る案はロシアとの緊張を高める恐れもあ るが、プーチン露大統領はこの日、2011年に実施したキプロス向け融資 の再編についてキプロス当局との交渉を政府に命じたと、報道官が明ら かにした。

原題:Cyprus Salvaged After EU Accord Shuts Bank in Euro Bailout (3)(抜粋) ECB Says It Won’t Object to Cypriot Request for Liquidity Aid

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