債券は上昇、10年と20年債利回り10年ぶり低水準-超長期債中心に買い

債券相場は上昇。日本銀行による金 融緩和強化の観測を背景に、金利水準が相対的に高い超長期債中心に買 いが入った。10年債と20年債利回りはともに約10年ぶりとなる低水準を 付けた。

現物債市場では、20年物の143回債利回りは前週末比0.5ベーシスポ イント(bp)低い1.48%で始まった後、徐々に水準を切り下げ、午後1時 半すぎには1.425%と、2003年7月22日以来の低水準を付けた。その後 は1.44%。30年物の38回債利回りは0.5bp高い1.615%で始まったが、そ の後は水準を切り下げ、3時前には6bp低い1.55%と10年8月25日以来 の低水準を付けた。

長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回りは同1bp高 い0.565%で始まり、0.56-0.565%で推移。午後1時半すぎに0.5bp低 い0.55%と03年6月18日以来の低水準を記録した。2年物の326回債利 回りは1bp低い0.035%、5年物の109回債利回りは横ばいの0.12%。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は「追加緩和でい ずれ超長期ゾーンの買いが膨らむとの思惑から、海外金利や内外株価と の連動性が低下するなど、独自の需給相場を形成している」と指摘。株 高もあって、年金基金などのリバランス需要による期末残高維持の買い が優勢だと語った。来週4月3、4日の日銀会合での緩和実施をきっか けに、いったん「利益確定売りが膨らんでも、金利上昇は小幅との見方 が有力のようだ」とも述べた。

足元の債券市場の需給環境は良好だ。日銀の黒田東彦総裁、岩田規 久男、中曽宏両副総裁による新体制下で量的・質的両面から大胆な金融 緩和を進めるとの見方が広がる中、月末接近で投資家が保有債券の年限 を長期化する買いが見込まれている。

キプロス懸念後退

ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジスト は、キプロスの銀行危機をめぐる不安が弱まり、円安・国内株高となっ たことから、債券市場では先物中心に売りが先行したが、決算期末の接 近などで総じて動意薄となっていると指摘。「市場では債券利回りが上 がれば、買いたいとの意向が強い」との見方も示した。

一方、東京先物市場で中心限月の6月物は反落。前週末比1銭安 の145円72銭で始まり、10時すぎに145円65銭まで下落。午後の開始後に は1銭高の145円74銭とプラス圏に転じ、22日の夜間取引で付けた過去 最高値まで5銭と迫った。しかし、午後2時前からは売りに押されて下 げ幅を拡大。結局は6銭安の145円67銭で引けた。

キプロスと欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)の欧州委員 会、国際通貨基金(IMF)のいわゆるトロイカは25日に合意に達し、 その合意内容がブリュッセルのユーロ圏財務相会合で承認された。バー クレイズ証券の丹治倫敦債券ストラテジストは、「日銀の国債買い入れ 拡大期待が相場をサポートしているため大幅な金利上昇にはならず、10 年金利もせいぜい0.60%ぐらいまでだろう。キプロス問題は今のところ 円債に与える影響は限定的だ」と話した。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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