ユーロ下落、キプロス問題収束見えず-リスク回避で円は上昇

東京外国為替市場ではユーロが下落 した。キプロス問題の収束が見えない中、同国の財務相がロシアから金 融支援を得られなかったと発言したことを受け、ユーロ売り圧力が再び 強まった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=122円半ばでもみ合っていたが、財務 相の発言をきっかけに一時121円89銭までユーロ売りが進行。ユーロ・ ドル相場は1ユーロ=1.29ドル前半から1.2889ドルまでユーロ安が進む 場面があった。

シティバンク銀行個人金融部門の尾河眞樹シニアFXマーケットア ナリストは、「ロシアはキプロスと関連性が深いということで、そこか らの支援を期待した面はあった」と指摘。その上で、キプロスの問題は 固有の問題で、スペインなどに波及する話ではないという理解だったが 「こうした形であまりにも長引いてしまうと市場心理にはそれなりにイ ンパクトを与える」とし、ユーロに関しては「まともに下がる局面を想 定していた方がいい」と語った。

ドル・円相場は1ドル=95円ちょうどを挟んで推移していたが、午 後には一時94円55銭まで円買いが進行。尾河氏は、リスク回避が強まっ たため、「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)は円高に向かいやす く、ドル・円も少し下がってきている」と説明した。

キプロス問題

キプロスのサリス財務相は、同国がロシアから金融支援を得られな かったことを明らかにした上で、キプロスとロシアが交渉を継続すると 語った。同相はモスクワのホテルを離れる際に、ロシアは融資の延長や 条件変更に合意していないが、なおその可能性があると述べた。

キプロス議会は国際支援の確保と金融システム崩壊阻止に必要な法 案について22日に審議を開始する。欧州中央銀行(ECB)はキプロス が国内銀行の支払い能力を確実にする計画を25日までに整えなければ同 国銀行への緊急流動性の供与を打ち切ると通告。ユーロ圏財務相は21日 夜にキプロスに関して電話会合を開催し、同国政府が救済策を受けるた めに必要な58億ユーロをどのように調達するか「できるだけ早期に」新 たな提案を行うよう期待するとの声明を発表した。

為替リスク管理を手掛けるロックフォード・キャピタルのディレク ター、デレク・マンフォード氏(シドニー在勤)は、「EU(欧州連 合)の主な魅力の一つは、ECBによるバックストップ(安全装置)が あるということだった」とし、「EUの亀裂は広がっており、ユーロは さらに下落する可能性がある」と話した。

ユーロ圏財務相会合は前週末にキプロス救済計画の一環として、同 国の銀行預金への課税で合意。これをきっかけにユーロは今週、急落し て始まり、キプロスの議会が預金課税法案を否決した19日には対ドルで 約4カ月ぶり安値となる1.2844ドルを付けた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の唐鎌大輔マーケット・エコノ ミストは、「キプロスの国自体が小さく、額も小さいので、最終的には ユーロシステム全体を揺るがすような話にはならないだろうが、解決の 糸口が見えない以上、マーケットは材料として取り扱うしかない」と指 摘。その上で、「過去の経験を振り返ると、事態収拾には土日に緊急会 合を開くことが多いので、今週末はそれに注目だ」と話した。

リスク回避と日銀緩和期待

前日の欧米株安に続き、22日の東京株式相場は反落。取引終盤にか けてはさらに下げ幅を拡大し、日経平均株価は前日比で300円近い下げ となった。

シティバンク銀の尾河氏は、海外の株価が下がってしまうと、日本 株もどうしても下がるとし、「リスクオフだと円高という流れになりや すい」と指摘した。もっとも、「来週、臨時会合があるかどうかはわか らないが、4月上旬には日銀が追加緩和を決める可能性が高く、しかも 思い切った緩和をやるのではないかという期待も高いので、特にドル・ 円ではどんどん円高が進むのは避けられるのではないか」と語った。

衆院財務金融委員会は22日の理事会で、20日に就任した日本銀行の 黒田東彦総裁、岩田規久男、中曽宏両副総裁を26日午前9時から開く委 員会に呼び、日銀が毎年2回国会に提出している日銀報告の説明と金融 政策に関する質疑を行うことで合意した。金田勝年委員長がブルームバ ーグ・ニュースの取材に語った。

--取材協力:Candice Zachariahs. Editor: 崎浜秀磨

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE