日本株3日ぶり反落、午後崩れ全33業種安い-欧州不安、円高

東京株式相場は3営業日ぶりに反 落。キプロス情勢や景気指標悪化を背景とした欧州債務問題の不透明感 に加え、為替の円高が嫌気され、電機や輸送用機器、ゴム製品など輸出 関連株、鉄鋼など素材関連株を中心に東証1部33業種は全て安い。

TOPIXの終値は前日比19.53ポイント(1.8%)安の1038.57、 日経平均株価は297円16銭(2.4%)安の1万2338円53銭。両指数とも午 後の取引に入り先物主導で一段安となり、きょうの安値引け。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「欧州中央 銀行(ECB)の緊急流動性供給期限が迫る中で、キプロスはそれまで に何らかの対応策をせざるを得ない」と指摘。ロシアの支援が得られな ければ、同国の不透明感は高まるとし、「短期資金繰りが悪化すると、 金融不安が広がる恐れがある」との認識を示した。

ECBは21日、キプロスが25日までに救済策で国際債権団と合意で きなければ、銀行への緊急流動性支援は同日までで打ち切ると表明し た。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、キプ ロスの長期ソブリン信用格付けを1段階引き下げた。21日に発表された 欧州経済指標では、3月のドイツ製造業景気指数が事前予想に反し低下 し、ユーロ圏のサービス業と製造業を合わせた経済活動の縮小ペースは エコノミスト予想に反し悪化した。

ユーロが下落した海外為替市場の流れを受け継ぎ、きょうの東京外 国為替市場の円相場は上昇。キプロスのサリス財務相がロシアから金融 支援が得られなかったことを明らかにするなど、交渉難航があらためて 市場に伝わった午後に円高、株安は一段と進んだ。円は対ユーロで一 時121円80銭台、対ドルで94円50銭台まであった。きのうの東京株式市 場の終値時点は123円98銭、95円78銭だった。

「キプロスの問題で警戒感が高まってきている。リスクオフの流れ の中に入ってきた」と、三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・スト ラテジスト。日本株は前日までの連騰でことしの高値を更新していた後 だけに、週末を控えて買いが見送られやすい中、海外発の悪材料をきっ かけに損益確定、持ち高調整の売り圧力が高まった。

黒田総裁会見

一方、日本銀行の黒田東彦総裁は21日夜、就任会見を行い、物価上 昇率2%の目標について「達成すべきであるし、達成できると確信して いる」と述べるとともに、達成できるまで可能な限りあらゆる手段を講 じていくとの決意を示した。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテ ジストは「これまで通りの路線で、新しい内容はなかった」と言い、き ょうの日本株の押し上げ要因にはならなかった。

もっとも、市場では日本株の中期的な方向性について楽観視する向 きは依然として多いようだ。カブドットコム証券の山田勉マーケットア ナリストは、キプロス情勢が連騰後に休みたい言い訳にされたとし、 「日本の景気や企業業績は、これから尻上がりに良くなっていく。相場 のトレンドに変化はない」と見ている。

東証1部の売買高は概算で28億7670万株、売買代金は同2兆1843億 円。値上がり銘柄数は253、値下がりは1397。業種別33指数の下落率上 位はゴム製品、鉄鋼、倉庫・運輸、その他金融、精密危機、電機、輸送 用機器、海運、保険などだった。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

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