債券先物は史上最高値、日銀緩和強化の観測-超長期債に投資家の買い

債券先物相場は過去最高値を更新し た。日本銀行が新体制下で金融緩和を強化するとの観測が買い手掛かり となった。長期金利が10年ぶり低水準に達する中、投資家が利回り水準 の高い超長期債中心に買いを入れたことも相場を押し上げた。

東京先物市場で中心限月の6月物は前日比9銭高の145円66銭で取 引開始し、午後に入ると一段高となった。取引終盤に日経平均株価の下 げが加速すると、買いが増えて145円75銭まで上昇し、過去最高値を更 新した。結局は16銭高の145円73銭と、この日の高値圏で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは前日比1.5ベーシスポイント(bp)低下の0.565%で開始し、その後は 同水準での推移が続いた。午後4時前には0.56%と、2003年6月19日以 来の低水準を記録した。

超長期債利回りは大幅低下となった。20年物の143回債利回り は2.5bp低い1.485%と5日以来の低水準。30年物の38回債利回り は5.5bp低い1.62%と、10年8月以来の低水準を記録。40年物の5回債 利回りは6bp低い1.67%と、10年8月以来の水準まで下げた。

三井住友海上あいおい生命保険経理財務部の堀川真一部長は、「長 い年限は日銀オペの買い入れ増額期待があるほか、10年債利回り が0.6%を割り込み、利回りが1%台半ばの超長期債でインカム(金利 収入)を稼ぐため持ち高を積み上げる動き」と説明した。

超長期債の堅調推移について、パインブリッジ・インベストメンツ 債券運用部の松川忠部長は、日銀の黒田東彦総裁の就任会見で日銀券ル ール撤廃の話が出て、「長い年限の国債を買うことは確実になってき た」ためだと説明。堀川氏は「日銀が長い年限も買い入れてくるとの期 待で買い安心感が出ている」と話した。

黒田総裁会見

日銀の黒田総裁は21日夜の就任会見で、物価上昇率2%の目標につ いて「達成すべきである、達成できると確信している」と述べるととも に、「可能な限りあらゆる手段を講じていく」と決意を示した。長期国 債買い入れで、保有残高が日銀券発行残高を上回らない範囲にとどめる 「日銀券ルール」については、「そのようなものがないと、財政ファイ ナンスになるとか、その懸念があるということはない」と述べた。

SMBC日興証券経済調査部の土井俊祐氏は、債券市場は需給が良 好で来週も金利低下のトレンドは変わらず、日銀による大胆な金融緩和 の期待も継続していると指摘。「先物は高値更新で短期的に上値めどが なくなっている。長期金利は来週に0.5%台前半が視野に入ってくる」 との見方も示した。

国内株式相場が大幅反落したことも債券の買い材料となった。キプ ロスの金融不安を受けた円高基調を嫌気し、日経平均は午後に下げ幅を 拡大し、終値は前日比297円16銭安の1万2338円53銭だった。

--取材協力:赤間信行 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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