米国株:下落、欧州危機の深刻化を懸念-好調な米統計より重視

21日の米国株は反落。米国で予想よ り強い経済統計が発表されたが、欧州の債務危機に対する懸念がこれを 上回った。

ビジネスソフトウエアのオラクルは下落。売上高と利益が予想を下 回ったことが嫌気された。ネットワーク機器メーカーのシスコシステム ズとジュニパー・ネットワークスはアナリストによる投資判断引き下げ を材料に売られた。一方、オンライン検索のヤフーはオッペンハイマー の投資判断の引き上げで上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.8%安の1545.80。ダウ工業株30種 平均は90.24ドル(0.6%)下落して14421.49ドル。

RWベアード(ミルウォーキー)のチーフ投資ストラテジスト、ブ ルース・ビトルズ氏は「欧州から気がかりなニュースが流れ、相場を不 安定にすることもあるだろう」と述べ、「米国経済は今よりもある程度 改善するだろうが、それでも今年の成長は総じて緩慢なペースだろう。 この環境にしては市場は非常に好調と言えよう」と続けた。

3月のドイツ製造業景気指数が事前予想に反して低下したほか、ユ ーロ圏のサービス業と製造業を合わせた経済活動の縮小ペースがエコノ ミスト予想に反して悪化したことが材料となり、株価は下落した。

キプロスの救済

欧州中央銀行(ECB)はキプロスの銀行向けの緊急資金供給につ いて、26日以降は停止する可能性を示した。

米ブリンマー・トラストで約60億ドル相当の資産運用に携わるエリ ック・ソーン氏は「欧州の債務をめぐる状況では何一つ解決されてはい ないと感じる」と述べ、「ユーロ圏や問題を抱える周辺国は、相場の上 昇をいったん止める十分な理由になり得るだろう」と続けた。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した2月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算)は、前月比0.8%増の498万戸と、2009年11月 以来の高水準だった。

また労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済 み)は、前週比2000件増の33万6000件だった。米民間調査機関コンファ レンス・ボードが発表した2月の米景気先行指標総合指数(LEI)は 前月比で0.5%上昇した。

産業別10指数のうち9指数が下落

S&P500種の産業別10指数のうち9指数が下落。素材株やテクノ ロジー株の下げが特にきつかった。米国株オプションの指標であるシカ ゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX) は10%上昇して13.99。同指数は年初からは22%低下している。

オラクルは9.7%安。売上高と利益がアナリストの予想を下回っ た。顧客がウェブベースのクラウドに転換し、オラクルのサーバーやデ ータベース、関連ソフトへの依存度低下にラリー・エリソン最高経営責 任者(CEO)は苦しめられている。

シスコは3.8%下落、ジュニパーは2.2%下げた。FBRキャピタ ル・マーケッツは両社の株式投資判断を「マーケットパフォーム」から 売りと同等とされる「アンダーパフォーム」に引き下げた。FBRのア ナリスト、スコット・トンプソン氏はリポートで、競争の激化はネット ワークに設置されるルーターやスイッチの数が緩やかかつ「本格的」に 減少することを意味すると指摘した。

ヤフーは3.5%上昇。オッペンハイマーは、ヤフー・ジャパンの株 価と中国の電子商取引会社アリババ・ドット・コムによる今後12カ月以 内の新規株式公開(IPO)の可能性を理由にヤフーの株式投資判断を 「マーケットパフォーム」から買い推奨を示す「アウトパフォーム」に 引き上げた。

住宅建設のKBホームは2.5%高。2012年12-2013年2月(第1四 半期)決算では、赤字が前年同期から縮小した。住宅建設の回復に伴う 価格上昇や販売拡大が寄与した。

原題:U.S. Stocks Slide as Europe Overshadows American Economic Data(抜粋)

--取材協力:Inyoung Hwang、Tom Stoukas.

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