米国債:反発、キプロス問題で逃避需要-ユーロ圏の混乱を懸念

米国債相場は反発。キプロスの銀行 危機でユーロ圏の債務をめぐる混乱に拍車が掛かるとの懸念を背景に、 逃避需要が強まった。

米経済の改善を示す指標が発表された後も国債は堅調を維持し た。10年物インフレ連動国債(TIPS)の入札では落札利回りが8回 連続でマイナスとなった。米金融緩和でもインフレ高進は起きないとの 楽観に疑いが生じていることが背景。欧州中央銀行(ECB)はキプロ スに対し、救済策で国際債権団と合意できなければ同国の銀行への緊急 流動性支援を打ち切ると最後通告した。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「キプロスは小さな国だが、ユーロ圏の懸念事項と しては十分に大きい」と指摘。「バーナンキ連邦準備制度理事会 (FRB)議長から政策変更に関することは聞かれなかった。ユーロ圏 情勢の結果は不透明で、投資家は不安感から米国債に買いを入れ続けて いる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.91%。10年債(表面利率 2%、2023年2月償還)価格は13/32上げて100 25/32。

10年債利回りは4日連続で50日移動平均を下回った。移動平均はモ メンタム(勢い)を示し、方向転換を示唆するとの見方もある。終値ベ ースで同利回りは今月、1日に付けた1.84%と11日に付けた2.06%の22 bpのレンジ内にとどまっている。

30年債利回りは7bp低下の3.13%。前日は7bp上昇した。

キプロス

キプロスは58億ユーロ(約7120億円)を調達する計画だった銀行預 金課税の法案を議会が否決した後、事態打開を図っている。預金課税 は100億ユーロ規模の支援の条件だった。ECBはキプロスが25日まで に救済策で国際債権団と合意できなければ、銀行への緊急流動性支援を 同日で打ち切ると通告した。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はキプロスの格付けを 「CCCプラス」から「CCC」に引き下げた。キプロス議会の議長は 新たな銀行改革法案が22日に審議されると明らかにした。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「キプロスの対 応が遅れるほど、感染症に対する市場の不安は強まる。それが引き続き 米国債の支援材料になっている」と指摘した。

米経済指標

米国債は2月の中古住宅販売件数を受けて伸び悩む場面もあった。 全米不動産業者協会(NAR)によると、販売件数は前月比0.8%増 の498万戸と、2009年11月(544万戸)以来の高い水準となった。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比2000件増の33万6000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は34万件だった。フィラデルフィア地区の 製造業活動は3月に予想外に拡大した。

通常の10年債と10年物TIPSの利回り差は2.53ポイントと、前日 の2.55ポイントから縮小した。14日に付けた終値ベースでの年初来の最 大である2.59ポイントよりは縮小しているものの、過去1年の平均であ る2.36ポイントは上回っている。

財務省が21日実施した10年物TIPSの入札(発行額130億ドル、 銘柄統合)結果によると、最高落札利回りはマイナス0.602%。入札直 前の市場予想はマイナス0.603%だった。投資家の需要を測る指標の応 札倍率は2.74倍と、過去10回の平均2.68倍を上回った。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「マイナス利回りは米金融当局の政策の結果だ。政策は 依然として非常に緩和的であるため、インフレに備える長期的な動き だ」と語った。

原題:Treasuries Advance as Concern on Cyprus Fuels Demand for Safety(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

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