日本株連騰で高値、キプロス小康と日米緩和期待-幅広く買い

東京株式相場は続伸し、 TOPIX、日経平均株価とも終値でことしの高値を更新。キプロスを めぐる懸念が小康状態となる中、日米の金融緩和期待が相場水準を押し 上げた。繊維やガラスなど素材関連、証券や銀行など金融株に加え、電 力や情報・通信といった内需関連株まで幅広い業種が高い。

TOPIXの終値は前営業日比12.21ポイント(1.2%)高 の1058.10、日経平均株価は167円46銭(1.3%)高の1万2635円69銭。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「米日欧の中央銀行のバランスシートが拡大しているという根底が変わ らない限り、リスクを取りにいく参加者が増え、資産価格が緩やかに上 がる現在の流れは変わらない」と見ている。その上で、米連邦公開市場 委員会(FOMC)の結果のように、「変わらないというだけで株価に は十分だ」と指摘した。

キプロス議会が銀行預金課税法案を否決した19日、欧州中央銀行 (ECB)は同国への流動性供給を既存ルールの範囲内で必要に応じて 続ける方針を確認した。キプロスは救済をめぐる交渉の時間を確保、ロ シアが支援する可能性も出ている。20日の欧州債は、ドイツ国債の利回 りが上昇する半面、イタリア債やスペイン債の利回りは低下した。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は19、20日のFOMC終了 後に声明を発表、毎月850億ドルの債券購入を継続していく方針をあら ためて示した。経済と雇用市場は改善している、とも言及。このほか米 上院は20日、2013会計年度(12年10月-13年9月)の残りの期間を対象 とした暫定予算案を可決した。

ほどほどの米国、日銀新体制始動

大和証券投資戦略部の塩村賢史シニアストラテジストは、「国内に は下がる要因がない中、懸念は海外」とし、「米国では量的緩和の出口 が意識されないほどほどの結果となり、欧州でもキプロス問題がスペイ ンなど他国に伝染していない」と話していた。

日本銀行では20日、黒田東彦総裁、岩田規久男、中曽宏両副総裁が 就任し、新体制が正式に発足。総裁、副総裁の就任会見はきょう午後6 時の予定。しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤原直樹副部長 は、「臨時会合で期限緩和の前倒しや国債の購入対象期間を多少広げ る、リスク資産を買うなどであれば、まだ株価へ織り込まれていない」 との見解を示している。

こうした材料を受け、祝日休場明けの日本株は朝方から幅広い業種 に買いが先行。TOPIXは午前の取引で一時1061.75、日経平均は1 万2650円26銭まで上げ、その後も堅調な値動きが続いた。日本時間午前 に発表された中国の3月のHSBC製造業PMI速報値が51.7と、事前 予想の50.8を上回り、軟調に始まった中国上海総合指数が上昇に転じた ことも市場参加者の心理面でプラスに寄与した。

きょうの東京外国為替市場の円相場は対ユーロで124円前後、対ド ルでは95円台後半と、東京株式市場の19日終値時点の123円67銭、95 円53銭に比べ円安水準で推移した。

電力堅調、不動産軟調

東証1部業種別33指数は30業種が上げ、上昇率上位は繊維製品、証 券・商品先物取引、電気・ガス、その他金融、情報・通信、ガラス・土 石製品、小売、水産・農林、石油・石炭製品、銀行など。

上昇した電力株では、原子力規制委員会の田中俊一委員長が19日の 会見で、国内で唯一稼働中の関西電力・大飯原子力発電所3、4号機に ついて、7月に施行される新安全基準の内容をほぼクリアする可能性が あるとの認識を示した、と共同通信が19日に報じる材料があった

売買代金上位ではソニーや三菱UFJフィナンシャル・グループ、 オリエントコーポレーション、ソフトバンク、ファナック、日立製作 所、大和証券グループ本社、セブン&アイ・ホールディングスが高い。

下落は不動産、鉄鋼、海運の3業種で、不動産にはモルガン・スタ ンレーMUFG証券がセクター判断を下げる材料があった。個別では三 菱地所やケネディクス、三井不動産、富士重工業、商船三井、クレデ ィ・スイス証券が投資判断を「アンダーパフォーム」に下げたダイキン 工業などが安い。

東証1部の売買高は概算で34億2171万株、売買代金は同2兆4396億 円。値上がり銘柄数は1303、値下がり324。国内新興市場では、ジャス ダック総合指数が2.9%高の78.73と6日続伸、東証マザーズ指数 は0.7%安の619.65と6日ぶりに下げた。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

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