債券は上昇、日銀緩和強化の観測で買い優勢-先物は史上最高値を更新

債券相場は上昇。きょう夕方の日本 銀行の新正副総裁の会見で金融緩和の強化をあらためて示すとの観測を 背景に買いが優勢となった。先物は史上最高値を更新し、長期金利は 約10年ぶりの水準まで低下した。

東京先物市場で中心限月の6月物は前営業日の19日終値比5銭高 の145円45銭で開始。直後に2銭安に下落した後は、徐々に上げ幅を広 げた。午後2時半すぎには145円60銭に上昇し、8日に付けた過去最高 値145円50銭を上回った。その後も高値圏でもみ合い、結局は17銭高 の145円57銭で引けた。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は「日 銀による追加緩和観測が強いことに加え、先物は145円50銭のコール (買う権利)オプションに絡んだ売買の動き」も影響したと述べた。国 債償還日で資金が流入しているほか、年金基金による期末に向けたリバ ランスの買いも入っていると説明。「超長期ゾーンは需給が引き締ま り、わずかな買いでも値が上がる状況」だとも語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは横ばいの0.595%で始まり、午前10時前に1.5ベーシスポイント (bp)低い0.58%と2003年6月20日以来の低水準を記録した。11時前後 に0.585%に下げ幅を縮めたが、2時すぎからは再び0.58%。一方、5 年物の109回債利回りは0.5bp高い0.12%で開始。いったんは0.115%に 戻したが、午後2時すぎには1bp高い0.125%に上昇。2時半ごろから は再び0.12%で推移した。

超長期債は堅調。20年物の143回債利回りは0.5bp低い1.55%で開始 し、午後3時前後には3.5bp低い1.52%と5日以来の低水準を付けた。 その後は1.525%で推移。30年物の38回債利回りは、午後4時すぎ に4.5bp低い1.675%と、約2週間ぶり低水準を付けた。

買い優勢続くとの見方

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、今後の量的緩和強 化への期待を背景に、しばらく買い優勢の地合いは変わらないと分析。 日銀が金融機関から購入する国債の年限長期化が既定路線となり、利回 りフラット化(平たん化)の圧力がかかりやすいとみている。

日銀は21日、黒田東彦総裁と岩田規久男、中曽宏両新総裁の就任会 見を同日午後6時から開くと発表。黒田氏は同日、官邸で記者団に対 し、2%の物価上昇率目標を早期達成するため「デフレ脱却へ全力を挙 げる」と首相に伝えたと話した。

円相場は対ドルで95円台後半。ユーロに対しては124円前後。日経 平均株価は前日比1.3%高の1万2635円69銭。08年9月に起きたリーマ ンショック前の水準を更新した。

--取材協力:池田祐美、赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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