りそな:メガと一線画し海外融資を強化へ-普通株返済は慎重

りそなホールディングスはアジアを 中心に海外ビジネスを強化する方針だ。海外進出や現地生産の増強を図 る取引先企業向けの融資拡大などを進める。りそな銀行は海外業務に制 限がある国内基準行だが、既存顧客に関連した円建て融資に力を入れ、 アジア関連融資は4月から1年で500億円の新規実行を目指す。

4月1日付でりそなHDと傘下のりそな銀の社長に就任する東和浩 氏はインタビューで取引先の「東南アジア進出ニーズは高まっており、 工場建設などの相談は半期で700件を超える勢いだ」と指摘。こうした 資金ニーズを獲得していく考えを強調し、フィリピンへの調査員派遣や マレーシア金融機関との提携を検討していることも明らかにした。

りそなは、時価総額で国内5位の大手銀行だが、自己資本規制に基 づく国内基準行で海外を拠点にした現地通貨建て融資などは原則できな い。このため海外業務でも、外国銀行買収などを積極的に進める国際基 準行の三菱UFJフィナンシャル・グループなどとは一線を画し、既取 引先に関連した融資などに特化して海外ビジネスの拡大を図る。

りそなは上海、香港、バンコク、シンガポールに駐在員事務所を、 インドネシアに現地法人を持つ。東次期社長(55)はフィリピンについ て「労働者の質が高く英語が使える」国として進出を考える企業から問 い合わせが増えていると人材派遣の検討理由を述べた。12年度のアジア 関連融資の実行額は今月中旬までに400億円と前期比4割増えた。

現在りそなは香港・中国の東亜銀やバンコック銀、韓国外換銀、イ ンドステイト銀、フィリピンのリサール商業銀などと業務提携を結んで いる。東次期社長は早期にマレーシア金融機関と提携したい考えを示し た。債務保証信用状発行などで取引先の海外事業を支援する。注目する アジアの国として「ベトナムやミャンマー、ラオス」を挙げた。

公的資金

りそなは、過去の経営危機を踏まえた公的資金注入行。その額は一 時最大3兆円あったが、昨年11月に死去した細谷英二前会長による経営 改革で8716億円(優先株6100億円、普通株2616億円)まで減らした。東 氏は今後について、普通株転換で希薄化リスクがある優先株のうち預金 保険法に基づく4500億円を先に返済する従来方針を強調した。

一方、三井住友トラスト・ホールディングスが株価上昇を受け普通 株式で受けていた公的資金の早期返済に踏み切り、返済基準の520円に 近づいたりそなも注目されている。東氏は「株価動向が急に変わり驚い ているが、何か急にバタバタすることは考えていない」と指摘。自己資 本にも算入されている普通株の返済は慎重に検討する方針を示した。

りそなHD株は21日午前の取引で一時前営業日比9円(1.8%)高 の522円まで上昇した後、520円近辺で推移している。

●東和浩(ひがし・かずひろ)1957年4月25日生まれ。82年上智大経済 学部卒、同年埼玉銀行入行、07年りそな銀常務執行役員、09年りそな HD取締役兼副社長。グループ戦略やコーポレートガバナンスを担当し ている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE