3月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、キプロスが代替案模索-FOMCは緩和維持

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し4カ月ぶり安 値から上昇。キプロスは銀行セクターの崩壊を回避するため預金課税に 代わる案の模索を始めた。また米連邦公開市場委員会(FOMC)は刺 激策の維持を決定した。

ドルはユーロに対して軟調な展開が続いた。FOMCはこの日発表 した声明で、景気浮揚に向け毎月850億ドルの債券購入を継続する方針 を示した。欧州では欧州中央銀行(ECB)がキプロスに流動性を供給 する方針を表明したことで、同国は救済をめぐる交渉の時間を確保。ま たロシアが支援する可能性も出ている。こうした中でユーロは買い進ま れた。円は主要16通貨の過半数に対して下落。日本銀行の黒田東彦新総 裁が「大胆」な金融緩和策を進める姿勢を示す方針だと、日本経済新聞 が情報源を明示せずに伝えたことに反応した。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は電話取材で、「キプロス問題の悪影響は金融市 場にはそれほど大きく広がっていない」とし、「市場は依然、解決策が 見つかると考えており、そうした見方がユーロを支えている」と述べ た。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.4%高 の1ユーロ=1.2933ドル。前日は1.2844ドルと、昨年11月22日以来の安 値に下落した。対円ではこの日1.3%上昇し124円17銭。円は対ドル で0.9%下げて1ドル=96円01銭。

キプロス情勢

キプロス政府のクリストス・スティリニアデス報道官は電話取材に 対し、キプロス・ポピュラー銀行の売却をめぐりロシアの投資家と合意 した事実はないと言明した。キプロス紙のカシメリニ・キプロスは先 に、情報源を明示せずにポピュラー銀をロシアの投資家に売却すること で暫定合意に達したと報じていた。

みずほフィナンシャル・グループの法人外国為替セールスバイスプ レジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)はロシア 投資家の支援をめぐる観測について、「この問題に対して市場は何らか の解決策を期待している」と分析した。

ECBはキプロスの銀行への緊急流動性供給を継続する是非につい て、決定を見合わせる公算が大きいと、事情に詳しい関係者2人が明ら かにした。キプロス救済について状況が明瞭になるのを待つ見込みだと いう。関係者が匿名を条件に述べたところによると、ECBはキプロス の銀行の休業が今週末まで延長されるとみている。

解決の見通し

コメルツ銀行のシニア為替ストラテジスト、ルッツ・カルポビッツ 氏は「流動性供給を続けるとのECBの発表は、キプロスにとっては再 交渉の時間的余裕が生まれることを意味し、前向きな材料だ」と指摘。 「さらなる交渉の余地がある限り、市場は比較的落ち着いていられる。 解決策はないとの見方が強まればそれだけ、ユーロには重しとなるだろ う」と続けた。

カルポビッツ氏はキプロス問題で解決策が見つからなければ、ユー ロは1.25ドルと、昨年8月以来の安値に下げる可能性があると予想し た。

資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任 者(CEO)は、欧州が解決策を見いだすとの見方を示した。

同CEOは香港でのブルームバーグテレビジョンのインタビュー で、「それほど大きな経済問題ではない」とした上で、「100億ドル規 模の問題だ。ただ欧州が脆弱(ぜいじゃく)であり、解決には数年かか ることを再認識させる出来事ではある」と続けた。

原題:Euro Rises as Cyprus Seeks Alternatives to EU Bank Bailout Plan(抜粋)

◎米国株:上昇、FOMCは引き続き債券購入プログラムを継続

20日の米国株は上昇。 米連邦公開市場委員会(FOMC)が声明 で債券購入を継続していく方針をあらためて示したほか、欧州当局者が キプロス救済の新たな選択肢を模索していることが材料となった。

住宅建設株が上昇。レナーは4.8%上昇した。12-2月(第1四半 期)利益が予想を上回ったことが好感された。グラフィックデザイン用 ソフトウエア、アドビ・システムズも高い。12月-2月の売上高と利益 はアナリスト予想を上回った。一方、小荷物輸送フェデックスは下落。 通期利益予想を引き下げたことが売り材料となった。顧客が低料金の海 外配送にシフトしていることが背景にある。

S&P500種株価指数は0.7%高の1558.71。2007年の最高値に7ポ イント以内となった。ダウ工業株30種平均は0.4%上昇して14511.73ド ル。

ワッデル・アンド・リード・インベストメント・マネジメントのハ ンク・ハーマン最高経営責任者(CEO)は「基本的に米金融当局は予 想通りの決定だった」と述べ、「キプロスは欧州の経済環境のもろさを あらためて示した。経済統計を見ると米国以外のほぼ全ての国が成長と いう点では頼りない」と続けた。

FOMC声明

景気が拡大期に入って3年9カ月経つが、バーナンキ議長率いる FOMCは経済成長の加速と労働市場の改善に向け、米国債と住宅ロー ン担保証券(MBS)を特に期限を設けずに購入していく方針を推進し ている。

S&P500種は2009年に付けた12年ぶり底値から130%上昇した。予 想を上回る企業決算や量的緩和策を背景に株価が上昇し、S&P500種 は先週、2007年の最高値に2ポイント未満に迫った。ダウ平均は先週、 最高値を更新した。

FOMCは会合後に発表した声明で「フェデラルファンド(FF) 金利誘導目標を0%から0.25%のレンジで据え置くことを決定した。 FF金利のこの異例な低水準のレンジは少なくとも、失業率が6.5%を 上回り、向こう1-2年のインフレ率予測値が、委員会の中長期的な目 標である2%を0.5ポイントを超えて上回らず、中長期におけるインフ レ期待がしっかりと抑制される限り適切になると現在想定している」と 記述した。

またFOMCが発表した経済予測によると、年末の失業率は7.3 -7.5%と、従来予想の7.4-7.7%から下方修正された。今年の実質国 内総生産(GDP)は2.3-2.8%増と従来予想の2.3-3%から引き下 げられた。

キプロス救済をめぐっては欧州当局者が今後の対応を協議している が、欧州中央銀行(ECB)が来週までキプロスの銀行を支えるとの観 測がある。これを手掛かりに朝方の株価は上昇した。

住宅建設株が高い

S&P500種産業別10指数のうち9指数が上昇した。米国株オプシ ョンの指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリ ティ指数(VIX)は12%低下して12.67。前日までの2日間は27%急 伸した。

S&Pの住宅建設株価指数は3.7%上昇。2007年7月以来の最高と なった。レナーは4.8%高。住宅価格の上昇や販売増加が第1四半期の 利益増に寄与したと述べた。

アドビは4.2%高。同社第1四半期の売上高は10億1000万ドルと、 ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均の9億8580万ドルを上 回った。一部項目を除く利益は1株35セント(予想は31セント)だっ た。

フェデックスは6.9%安。20日の発表資料によると、5月通期の利 益は1株当たり6-6.20ドルが見込まれている。従来予想では最大6.60 ドルだった。

原題:U.S. Stocks Advance as Fed Plans to Continue Bond-Buying Program(抜粋)

◎米国債:4日ぶりに下落、FOMCが資産購入継続を表明

米国債相場は4営業日ぶりに下落した。連邦公開市場委員会 (FOMC)は景気てこ入れを目的とした債券購入の方針をあらためて 表明。高利回り資産の需要が支えられた。

10年物TIPS(インフレ連動債)と通常10年債の利回り差は2.55 ポイントに拡大した。FOMCは声明で、失業率はなおも「高い水準に ある」と表現し、月間850億ドルの資産購入ペースを維持すると明らか にした。キプロスが救済融資を確保する新たな方策を検討していること を背景に、米国債へ逃避する動きが後退し、国債利回りはFOMCの結 果発表前から上昇していた。

パイオニア・インベストメンツ(ボストン)のバイスプレジデン ト、リチャード・シュランガー氏は「進路に変更はない」と指摘。「根 強い構造的な問題があるとFOMCは懸念しており、だから現在の緩和 措置を当面継続するつもりなのだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.96%。前日は3月5日以来 の低水準となる1.89%を付けた。10年債(表面利率2%、2023年2月償 還)価格は1/2下げて100 3/8。

30年債利回りは7bp上昇して3.20%。前日は3.11%に下げてい た。

「緩やかな成長に復帰」

2日間の協議を終えたFOMCは「雇用市場の状況はここ数カ月に 改善の兆しが見られたが、失業率はなお高い水準にある」との声明を発 表。「1月の前回会合以降に入手した情報から、経済は昨年遅くに停滞 した後、緩やかな成長に復帰したことが示唆された」との景気判断を示 した。

株式相場は上昇。S&P500種株価指数は過去最高値に接近した。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)で債券リサ ーチの責任者を務めるジェニファー・ヴェイル氏は「声明には経済統計 の改善が反映されているが、まだ目標に届いていないこと、今後も強い 緩和姿勢を維持することをFOMCは非常に明確にしている」と解説し た。

FOMCは同日発表した経済予測で、政策金利引き上げの基準とし ている6.5%への失業率低下は2015年に実現するとの見方を示した。今 年の労働市場については改善ペースが加速するとみている。

FOMC予測の中央値によると、14年第4四半期(10-12月期)の 失業率は平均6.7-7%、15年は6-6.5%となっている。今年の実質国 内総生産(GDP)は2.3-2.8%増。従来予測は2.3-3%の増加だっ た。

雇用次第

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は「FRBによる購入縮小は年末より早い時期にな るようだが、雇用市場の統計の持続的な強さ次第だ」とのコメントをツ イッターに投稿した。

FOMCは失業率が6.5%を上回り、インフレ率が2.5%以下にとど まると予想される限り、政策金利をゼロ近辺にとどめる方針も維持し た。

ブラウン・アドバイザリー(ボルティモア)で36億ドル相当の債券 資産を運用するトム・グラフ氏は「利上げに踏み切るまでの期間は思っ ていたよりも長くなりそうだ」と指摘。「年限5年から7年の国債利回 りは2年債に比べて下げると思われる」と続けた。

2年債と7年債の利回り差はこの日1.07ポイント。11日には1.17ポ イントだった。グラフ氏は事実上のゼロ金利政策が長期化するとの見方 が高まれば、この利回り差が縮小に向かうと説明した。

原題:Treasuries Fall First Time in Four Days as Fed to Keep Buying(抜粋)

◎NY金:反落、FOMCが失業率予測を下方修正

ニューヨーク金先物相場は反落。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が米失業率の見通しを引き下げたことが背景。

FOMCは会合後の声明で、「雇用市場の状況はここ数カ月に改善 の兆しが見られたが、失業率はなお高い水準にある」と指摘した。 FOMC経済予測では今年と来年の失業率見通しを下方修正。会合参加 メンバー19人のうち13人は2015年の事実上のゼロ金利解除を予測してい ることが明らかになった。金は年初から前日までに3.8%下落してい る。

TDセキュリティーズの商品戦略責任者バート・メレク氏(トロン ト在勤)は電話インタビューで、「全体として、FOMCはハト派姿勢 がやや後退している。失業率見通しを改善させたためだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は午後2時59分現在、0.3%安の1オンス=1606.40ドル。この日は 前日比0.2%安の1オンス=1607.50ドルで終了していた。

原題:Gold Drops From Three-Week High as Fed Cuts Unemployment Outlook(抜粋)

◎NY原油:反発、2週間ぶり大幅高-FOMCが資産購入継続

ニューヨーク原油先物相場は反発。ほぼ2週間ぶりの大幅高とな った。米連邦公開市場委員会(FOMC)が債券購入を継続すると表 明したことが背景。米国の在庫が予想外に減少したことも手掛かり。

FOMCは会合後の声明で「労働市場の見通しが大幅に改善するま で」月額850億ドルの債券購入を続ける方針を示した。ブルームバーグ が今回の会合前に実施したエコノミスト調査によると、2014年の上期に 刺激措置が停止されるとの見方が大半を占めた。米国の原油在庫が減少 したのは1月以来で初めて。

エネルギーヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨー ク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話インタビューで、「緩和 策が近い将来に終了することはない」と指摘。「大量の資金が金融シス テムに供給され、それが一段の原油上昇につながるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比80セント(0.87%)高の1バレル=92.96ドルで終了。7日以来の大 幅上昇となった。4月限はこの日が最終取引日。5月限は98セント高 の93.50ドル。

原題:WTI Oil Rises Most in Two Weeks as Fed Maintains Asset Buying(抜粋)

◎欧州株:反発、銀行株高い-キプロスめぐり選択肢を模索

欧州株式相場は上昇。前日まで3日連続で下げたストックス欧 州600指数は反発した。キプロスをユーロ圏にとどめるための選択肢を 域内当局者が模索している。

ドイツ銀行やBNPパリバを中心に銀行株が高い。英国ではオズボ ーン財務相が住宅購入支援の新プログラムを発表したため、同国の住宅 建設株も買われた。ドイツのラインメタルは2013年利益が下がるとの見 通しが嫌気されて6.9%の値下がり。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の296.50で終了。過去3営 業日では1%下げていた。前日の取引終了後にはキプロス議会が銀行預 金課税法案を否決。預金課税は、同国が国際社会から救済を受ける上で 条件となっていた58億ユーロ捻出のために必要な措置だった。

世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのローレンス・フィン ク最高経営責任者(CEO)はキプロスについて、「実際には主要な経 済問題ではない」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「100億ドル 程度の話で、私には一時的な問題に思える。『ちょっとここで小休止』 と言うために人々が利用する材料の一つにすぎないと思う。今は材料消 化の段階だ」と述べた。

この日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇し た。

原題:European Stocks Climb as Policy Makers Weigh Options for Cyprus(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債は下落-キプロス再交渉期待で周辺国債高い

欧州債市場ではドイツ国債が下落し、10年債利回りは3週間ぶ りの大幅上昇となった。キプロスが同国救済をめぐって再交渉できる との観測から、域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が減退した。

独10年債利回りは、前日付けた11週間ぶり低水準付近から上 昇。この日の33億6000万ユーロ規模の10年債入札では借り入れ コストが下がったものの、流通市場での国債値上がりにはつながらな かった。キプロスの債務問題は解決されるとの見方から周辺国の国債 を求める動きが強まり、スペインとイタリアの国債は堅調。キプロス 議会が銀行預金課税法案を否決した19日、欧州中央銀行(ECB) は同国への流動性供給を既存ルールの範囲内で必要に応じて続ける方 針を確認した。

ウニクレディト(ミラノ)のシニア債券ストラテジスト、ルカ・ カツラーニ氏は「前日にドイツ国債は大きく動いたが、状況は安定し つつある」とし、「この先に関してより良い洞察を与えてくれるニュ ースを投資家らは待っている。流動性を供給するとのECBの声明を 含め、リスクテークへの支援材料となり得る要因が幾つかある」と語 った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.38%。一時は6 bp上昇し、先月25日以降で最大の上げとなった。同国債(表面利 率1.5%、2023年2月償還)価格は0.375下げ101.04。2年債利 回りは2bp上げ0.02%。19日にはマイナス0.006%と、1月2 日以来の最低となった。

スペイン10年債利回りは前日比7bp低下し4.98%。前日ま での5営業日で31bp上げていた。同年限のイタリア国債利回りは 9bp下げ4.64%となった。

英国債相場は下落。10年債利回りは5bp上昇し1.87%。一時 は11bp上昇し、先月13日以降で最大の上げとなった。同国債 (表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.385下げ98.925。

原題:Bunds Fall as Cyprus Studies Bailout Options; Spanish Bonds Rise(抜粋) Pound Rises to 2-Week High as Osborne Keeps BOE Inflation Target (抜粋)

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