鍵はキプロスの代替策-独首相は関与継続、ECBは結果待ち

ドイツのメルケル首相はキプロス議 会が銀行預金課税法案を否決した後も、キプロスへの関与を続ける姿勢 を示唆した。キプロス政府は銀行課税に代わる資金調達方法の策定を急 いでいる。

メルケル首相は20日ベルリンで、170億ユーロ(約2兆1000億円) 規模のキプロス救済パッケージに同国の銀行が貢献する必要があると述 べた。キプロスの首都ニコシアではアナスタシアディス大統領が「プラ ンB(代替策)」の提案を国際債権団と協議したと、国営のCYBCが 報じた。

メルケル首相は記者団に「キプロスはユーロ圏内のわれわれのパー トナーであり、従ってわれわれは共に解決策を見つけなければならな い」と語った。キプロスの決定は「遺憾」だとした上で、同国はいずれ にせよ銀行セクターを「持続可能」にしなければならないと論じた。キ プロスが支援を得るならば、「それが恒久的な解決であるよう確実にす ることがわれわれの責務だ」と語った。

非難を浴びた銀行課税案が議会の否決によって葬られ、ブリュッセ ルからモスクワに至る欧州の当局者らは何らかのキプロス救済策を取り まとめようと奔走している。アナスタシアディス大統領は銀行預金課税 以外の道は「言い表せないほどの悲劇だ」と訴えていた。

この日フランクフルトで政策委員会を開いた欧州中央銀行 (ECB)が来週までキプロスの銀行を支えるとの観測から、20日の株 式相場とユーロは上昇している。キプロスのサリス財務相はロシアから 支援資金を獲得するためモスクワを訪れている。格付け会社ムーディー ズ・インベスターズ・サービスの見積もりによれば、ロシア企業と個人 がキプロスで有する資産は概算で310億ドル(約2兆9600億円)相当。

ECBは先を急がず

ユーロ圏当局者らはキプロスにどこまで圧力をかけるべきかという 問題に直面している。銀行と証券取引所はまだ閉鎖されている。ECB はキプロス救済の新計画について明瞭になるのを待って同国の銀行への 緊急流動性供給を継続するかどうかの決定を先送りする公算が大きい と、事情に詳しい関係者2人が明らかにしている。

ECBと国際通貨基金(IMF)、欧州連合(EU)欧州委員会で 構成するトロイカの当局者はキプロス入りしており、一段の資本規制や 銀行休業を週末まで延長する可能性を協議している。事情に詳しい欧州 当局者が匿名を条件に明らかにした。

独紙ツァイトに掲載されたインタビュー記事によると、ECBのア スムセン理事は「支払い能力のある銀行にしかECBは緊急流動性を供 給できない」と言明した。「銀行セクターの早急な資本増強を確実にす る救済パッケージが早期に合意されない限り、キプロスの銀行の支払い 能力は自明とは言えない」と述べたという。

預金10万ユーロの攻防戦

欧州の当局者らは救済パッケージの負担配分案の手直しに取り組ん でいる。欧州委は10万ユーロを下回る額の預金への課税を免除しつつ、 大口預金者への負担も抑えて必要な税収を得られる仕組みを模索してい る。EU当局者が明らかにした。メルケル独首相は10万ユーロ未満の預 金への課税は望まなかったと述べた。

キプロスのサリス財務相はロシアのシルアノフ財務相との会談につ いて、25億ユーロ(約3100億円)の既存融資の期間延長、あるいは新規 融資を「超えた内容」を協議したと発言。交渉は「必要な限り続ける」 と述べた。

ルクセンブルクのフリーデン財務相は19日のインタビューで、ユー ロ圏財務相ができる限り早急に会合を開くべきだと述べた。会合の議長 を務めるオランダのダイセルブルーム財務相もユーログループはキプロ スを援助する用意があると述べた。

欧州委は必要資金を調達する代替策の提案をキプロスに求めた。ド イツ財務省のコットハウス報道官も定例記者会見で「ボールは完全にニ コシア側にある」と述べた。

原題:Merkel Signals Engagement With Cyprus Amid Search for Plan B(抜粋)

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